パソコンの電源を入れたら、青色画面に英語が表示されるのを見たことはありませんか?実は、その画面はBIOS(バイオス)の操作画面です。パソコンに電源を入れると、最初に動くのはOSではなく、BIOSです。
BIOSは、根幹となるプログラムであり、知らずに操作をしてしまうと、パソコンの起動ができなくなったりします。そこでこの記事では、BIOSについて理解を深めるため、概略や使い方などを紹介します。
- BIOS(バイオス)の概要
- BIOSの起動と操作の方法
- BIOSができること4選
- BIOSを操作する際の注意点2選
この記事を参考にすると、BIOSがなんであるか、どんな時に使用すべきかがわかるでしょう。この機会にBIOSの知識を深めてください。
BIOS(バイオス)の概要を解説
BIOS(バイオス)は、パソコンの根幹を支えるプログラムですが、いろいろな機能を持っています。
まずは、BIOSの概要について説明します。
- BIOS(バイオス)とはパソコンのハードウェアを制御するプログラム
- 最近のBIOSの傾向
それぞれ確認していきましょう。
1. BIOS(バイオス)とはパソコンのハードウェアを制御するプログラム
まず、BIOS(バイオス)は、パソコンの基礎であるマザーボードに搭載されたプログラムです。主にキーボードやマウス、パソコンのCPUなどの操作をするために使用され、デスクトップとノートパソコン両方に必須のプログラムです。
BIOSの正式名称は、ベーシック・インプット・アウトプット・システム(Basic Input Output System:基礎入出力システム)といいます。
WindowsなどのOS(オペレーティング・システム)が起動する前のタイミングでBIOSが動き出すため、知らないと存在そのものに気づかないかもしれません。
OSと勘違いをされやすいので、BIOSとOSの違いを簡単に紹介します。
- OS : パソコンのソフトウェアなど中身を管理するプログラム
- BIOS : パソコンのハードウェアを管理するプログラム
BIOSについて知っておくと、パソコンパーツを交換したり、自作パソコンを組み立てたりする場合に便利です。特に以下の作業をする場合には、BIOSの操作は必要になるでしょう。
- OSのインストール
- マザーボード設定のリセット
ただし、通常のパソコンであれば、BIOSは初期設定で適切な状態であるため、操作する必要はありません。そのため、日常的にBIOSを操作することはほとんどないでしょう。
2. 最近のBIOSの傾向
最近では、BIOSからUEFI(Unified Extensible Firmware Interface) への移行が進んでいます。そのため、BIOS よりもUEFIを操作するのが主流になってきています。
もし、パソコンの電源を入れて、画面全体が青色の背景色で白の文字で表示される場合があれば、従来型のBIOS(バイオス)の操作画面です。
Windows 11を搭載している大半のパソコンは、BIOS ではなくUEFIが起動するはずです。とはいえ、UEFIに切り替わっても、果たしている役割はBIOSとおよそ同じです。
そのため、BIOSの役割や操作方法がわかれば、UEFIへの理解も進みます。
BIOSの起動と操作の方法
次にBIOS(バイオス)の起動と操作方法について紹介します。
普段使うことがないBIOSですが、いざという時に使い方がわかっていると便利です。
紹介する順番は、以下のとおりです。
- BIOSの起動方法
- BIOS画面の操作方法
1. BIOSの起動方法
BIOS(バイオス)を操作するには、OSが起動する前に設定画面を立ち上げないといけません。そのため、PCの電源ボタンを押した直後に操作が必要になります。キーボード操作で起動させて設定画面を表示させます。ただし、パソコンに搭載されているマザーボードのメーカーごとにBIOS起動キーが異なります。
いくつか例をあげると以下の通りです。
F2キー : NEC・Panasonic・SONYVAIO
F12キー : Dell・Lenovo・東芝・富士通
F10キー : HP
F8キー : ASUS
BIOSの起動キーがわからない時は、メーカーのWebサイトから確認しておきましょう。
起動キーでBIOSを立ち上げると、メニュー画面が表示されます。画面は、ほとんどの場合英語表記ですが、たまに日本語表記をしているケースもあります。
メニュー「Language」で日本語表示にできるキーがある場合は、英語表示から変更が可能です。
2. BIOS画面の操作方法
BIOSの操作方法を説明します。
BIOSを起動して設定画面になったら、大抵の場合はマウスでは操作できません。そのため、ほとんどの操作はキーボードで行います。
主な操作方法は、以下のとおりです。
- 項目の移動や選択は、カーソルキーの「↑ ・ → ・ ↓ ・ ←」や「Tab」
- 選択した項目の決定は「Enter」
- 数値の変更は「 – ・ + 」
- 初期値に戻すのは「F9」
- 終了するのは「Esc」
- 保存してから終了するのは「F10」
マウス操作に慣れていると、キーボード操作に抵抗を覚えるかもしれません。
しかし、難しくないので、少し練習したらできるようになるでしょう。
BIOSができること4選
この章では、BIOSができることを4つ紹介します。
- ドライブ起動順位の変更
- パスワード設定
- ハードウェアテスト
- BIOSアップデート
今後自作パソコンを作ろうと考えている場合は、この4つは覚えておいてください。
1. ドライブ起動順位の変更
BIOSは、パソコンが立ち上がる際のドライブの起動する順番を変更できます。
トラブル発生時や、OSの再インストールなどの際に、Discドライブを先に起動させたり、USB接続したデバイスから優先的に使ったりする場合に使用します。
他にも各デバイスの有効、無効の切り替えも可能です。
2. パスワード設定
BIOSは、OSのログインパスワード以外に、もう1つパスワードが設定可能です。パスワードを二重にすれば、よりセキュリティの度合いを高められます。
会社や役場などで使用するノートパソコンを外部に持ち出す必要がある時に、セキュリティの一環として設定されたりします。
注意点は、BIOSパスワードを忘れてしまうと、パソコンが起動できないため、どうやっても使えない状態になるリスクがあることです。
3. ハードウェアテスト
ハードウェアテストは、パソコンの故障箇所の特定や診断の際に使用します。主にメモリやCPU、HDDなどをテストして動作確認を行い、異常がないかをチェックできます。
他には、バッテリーなどの異常も確認が可能です。パソコンの修理を行う業者が状態把握で使用するケースが多いです。
4. BIOSアップデート
WindoswなどOSのアップデートと同じように、BIOSのプログラムもアップデートが可能です。CPUやメモリの互換性の向上などの際にアップグレードできます。
しかし、日常的にパソコンを使用する場合はアップデートの必要はありません。
アップグレードを行うのは、パソコンの持ち主が一部のパーツを入れ替えることで起きる不具合を修正したり、機能を追加したりするときに限られます。
BIOSを操作する際の注意点2選
この章では、BIOSを操作する際の注意点を2つお伝えします。
- BIOSの設定を変更すると補償対象外になる
- BIOSのアップデートは最新の注意が必要になる
BIOSをうまく使えば、パソコンのパフォーマンスを上げたりすることもできます。
しかし、BIOSを操作する際には細心の注意が必要なため、不用意に操作はしないようにしてください。
1. BIOSの設定を変更すると補償対象外になる
パソコンメーカーによっては、BIOSの設定に変更を加えた結果、起動障害やハードウェアの不具合を起こした場合は補償対象外としているケースも多いです。
そのため、修理依頼をする場合は、別途修理料金が必要になるでしょう。
また、BIOSを起動して、誤った設定にしてしまった場合、パソコンが起動しなくなったり、周辺機器が認識されなくなったりするリスクがあります。
したがって、再起不能とメーカー保証外になるリスクがあるため、普通は設定を変更する必要はありません。
2. BIOSのアップデートは最新の注意が必要になる
BIOSはアップデートが可能です。しかし、アップデートをするケースは限られています。
CPUやメモリなど、パーツを入れ替えた際に不具合が生じて、アップグレードで問題が解消される場合です。しかし、BIOSのアップデートに失敗すると、パソコン自体が起動しなくなる可能性があります。また、操作中に停電などのなんらかの障害で破損した場合、パソコンの起動は不可能になるでしょう。
したがって、OSのWindowsのように気軽なアップデートは避けてください。現状で問題なく機能している場合は、BIOSはそのままで十分です。
BIOSはパソコンの基礎プログラムであり必要以上に変更しない
BIOSは、パソコンの基礎であるマザーボードに搭載されたプログラムです。WindowsなどのOSよりも先に動き出して、パソコンの起動には必須のものです。
初期設定の段階で、BIOSは適切な状態であるため、本来は操作する必要がありません。しかし、パソコンパーツを交換したり、自作パソコンを組み立てたりする場合には、操作が必要になる場合もあります。ただし、慎重に操作をしないとパソコンが起動しなくなるため、細心の注意を払ってください。