在庫管理や入出荷などの物流業務は、事業規模や売上げが大きくなると、設備や人手の確保が課題となります。
そこで社内のリソースを最適化するため、物流業務をアウトソーシングする企業や事業者が増えています。とはいうものの、本当に業務効率化につながるのか、疑問や不安を感じるのではないでしょうか。
この記事では、物流業務のアウトソーシングの概要や、メリット・デメリットなど、押さえておくべき内容をお伝えします。
委託のタイミングや、自社内の課題などを見つけやすくなるでしょう。
自社に適した委託先が見つかれば、コスト削減をしつつ、顧客に質の高いサービスの提供ができるようになります。
ぜひ最後までご一読ください。
目次
物流アウトソーシングの概要と意味
「物流アウトソーシング」とは、商品保管や入出荷作業などの業務を専門業者に委託することです。
物流業務を受託している企業では、専用設備や訓練された人材を揃えていたり、手配できたりします。そのため、ノウハウがない、人員に余裕がない小規模事業者であっても、委託すれば高い業務遂行能力や当日、土日発送など便利なサービスを顧客に提供可能です。
また、自社対応する必要がなくなるため、社内のリソース(人材や資金)を優先度の高い業務に集中できます。
したがって、物流業務のアウトソーシングは、顧客に質の高いサービスを提供するだけでなく、組織内の効率化にも効果的であり、外と内側で大きな恩恵が得られます。
物流業務をアウトソーシングするタイミング
以下の内容に当てはまる場合、物流業務をアウトソーシングするタイミングです。
- 物流業務を無理に回している
- コストの負担が大きくなってきた
もちろん、ベストなタイミングは企業によって異なります。しかし、早めに対応できると、それだけ社内のリソースを有効活用できるようになります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
物流業務を無理に回している
自社内で以下のような現象が起きていないかチェックしてみてください。
- 他の部署から人員を借りて商品の入出荷作業をしている
- 広報やマーケティング活動の時間が確保できなくなっている
- 在庫が増えて保管スペースがなくなってきた
これらの問題が起きていると、業務効率が徐々に低下するため、長期的な売り上げを出すためのリソースが不足してきます。また、目の前の作業に追われることで、ミスやクレームが発生する可能性も高まります。
したがって、社内が疲弊してしまう前に、物流業務を委託して負担を減らすことが求められます。
コストの負担が大きくなってきた
コスト負担が大きくなってきた時もアウトソーシングを検討する時期です。
ここでのコストとは「見えるコスト」と「見えないコスト」の2つに分けられます。
「見えるコスト」とは以下のような数値にしやすい内容です。
- 1件あたりの配送料金
- 倉庫の賃貸料
- 人件費
対して「見えないコスト」とは、簡単には表れないものですが、例をあげると以下のようなものです。
- 一時的な物量の増加で対応に追われている時間
- 臨時スタッフの募集や採用活動
- 採用した新人への教育に関わる時間
これらのコスト負担が大きいと、利益率や業務のパフォーマンスが落ちていきます。そこで、物流業務のアウトソーシングをすると、2つのコストを少なくできます。特に「見えないコスト」を削減できれば、時間という貴重資源を確保できるはずです。
アウトソーシングできる作業
アウトソーシングできる作業は、商品の保管や発送だけでなく、関連した業務も委託が可能です。委託できる業務を列挙すると、次のようになります。
- 入荷
- 検品
- 棚入れ
- 在庫管理
- 帳票発行
- ピッキング
- 流通加工
- 梱包
- 出荷
- 返品処理
リソースが少ない企業であれば、これらの作業に人員を回すと、他の業務に大きな影響が出る場合も少なくありません。しかし、アウトソーシングすれば、間接業務も含めて委託先に任せることができます。
また、物流業務に必要な人員や設備、倉庫、車両なども自社で抱える必要もありません。つまり、アウトソーシングにより、自社が身軽な状態にできます。
物流業務をアウトソーシングするメリット
物流業務を委託することで得られるメリットは以下のようなものです。
- 物流に関わるコストを変動費にできる
- 出荷波動への対応が柔軟になる
- サービスの追加と変更が容易にできる
- 自社内の業務効率化につながる
物流業務のコストを変動費にできれば、実際の出荷量に合わせることができ、不必要な経費を削減できます。また、出荷件数が急に上下する出荷波動に対しても、体制が整っている委託先が対応するため、自社が振り回されることがありません。
カタログやアンケートを同梱する場合にも、追加料金を支払えば対応してもらえます。
したがって、閑散期や繁忙期の物量の変化で社内が振り回されず、安定的に他の業務に取り組むことができ、業務効率が上がります。
物流業務をアウトソーシングする際のデメリット
アウトソーシングにより、コスト削減や業務効率化といったメリットがありますが、デメリットも把握しましょう。
- 委託先によってサービス内容が異なる
- 業務がぶつ切りになる
- 自社内で物流ノウハウが蓄積できない
まず、委託先によってサービスが異なるため、扱っている商品や業務のすべてが委託できない場合があります。
一部の業務だけを委託した場合は、一体感のあるサービス提供ができなくなり、顧客満足度を高めるのが難しくなるかもしれません。一方で、物流業務をすべてアウトソーシングできる優良な委託先が見つかると、今度はノウハウを自社内で蓄積できないという問題が発生します。
そのため、何らかの理由で物流業務を再度自社で対応する際には、基礎的な体制を一から構築し直すという課題に直面するでしょう。
物流作業をアウトソーシングする際の課題
アウトソーシングをする際には、以下の3つの課題に対処しないといけません。
- 委託先との入念な意思疎通が求められる
- 問題が発生した際に責任の所在の明確化をする
- 情報漏洩への対策が必要になる
物流現場の直接的なコントロールができないため、ミスコミュニケーションが起きないように委託先と入念なやりとりが必要です。そのため、自社対応していた時よりもコミュニケーションコストが上がることを容認しないといけません。
特に、時期や顧客ごとに個別対応が必要な商品を扱っている場合、委託先との頻繁な意思疎通と、経過観察が必要になるでしょう。
次に、委託した業務や顧客からクレームがあった際の責任の所在と対応について、事前に話し合いが必要です。問題が起きてからでは、お互いに納得のゆく結果が得られずに揉める可能性があるからです。
3つ目は、委託先に顧客情報を提供するため、情報漏洩に備えてセキュリティ対策も必要になるでしょう。同時に、情報の取り扱いに関して委託先にも確認をしないといけません。
したがって、安易にコストカットや業務の効率化を目的にアウトソーシングをすると、トラブルやクレームが発生し、常連客から支持を失ってしまうリスクがあります。列挙した3つの課題に対処できると目途をつけてから契約しましょう。
物流のアウトソーシングで自社リソースの集中と選択が可能:まとめ
物流アウトソーシングとは、商品の荷受けや保管、出荷に伴う作業を外部に委託することです。
その結果、自社のリソースを事業規模の拡大や成長させたい分野に集中させることができます。そのため、物流業務で時間や労力を使ってしまっている場合、アウトソーシングは有効な選択肢となるでしょう。
ただし、委託する前に自社で抱える課題が解決されるか検証が必要です。
前述したように、アウトソーシングにはメリットだけでなく、複数のデメリットや課題があります。
そのため、自社で以下の内容を明確にしてからアウトソーシングをするようにしましょう。
- 委託したい物流業務の内容
- 顧客から支持を集めている製品やサービス
特に、支持されているサービスが委託によって提供できなくなってしまうと、大切な常連客が離れてしまいます。
今まで手厚い個別対応や、注文客ごとにきめ細かいサービスで差別化してきた場合、自社対応したほうが良いケースも珍しくありません。したがって、自社の問題がアウトソーシングによって解決されるのか事前に確認しましょう。
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