業務標準化とは?メリットや方法を詳しく解説!

 

業務標準化とは?メリットや方法を詳しく解説
業務標準化とは?メリットや方法を詳しく解説

物流業界では、多くの現場で「属人化」という問題があります。これは、作業のやり方や知識が一部の従業員にしか伝わっておらず、その人がいなくなると業務が滞るという状況です。このような属人化は、品質のばらつきや作業効率の低下を招きます。また、新人教育や人材育成にも支障をきたします。

そこで、物流現場では「業務の標準化」が重要です。業務標準化とは、作業の手順やルールを明確にし、共通化することでムダやミスを減らし、改善を促す方法です。

この記事では、物流現場での業務標準化のメリットや方法について解説します。さらに、政府が推進している加工食品分野における物流標準化アクションプランや物流サービス提供者(SP)モデル契約書などについても紹介します。

  • 業務の標準化とは何か
  • 業務の標準化の導入で得られるメリット・デメリット
  • 実現に必要な8つのステップ

物流担当者が知っておくべき!アウトソーシングで期待できる導入効果とは

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業務標準化とは

業務標準化とは、業務標準化とは、企業や組織が行うさまざまな業務を一定の基準やルールに沿って統一化することです。業務標準化を行う目的は、業務の効率化や品質向上、コスト削減、リスク管理などです。

人が手がける以上、機械のように寸分違わずまったく同じように仕事を行うのはほぼ不可能です。しかも複数のメンバーで協力するとなると、チームによって作業効率や品質にばらつきが生じることも珍しくありません。そこで精度の高いマニュアルを作成したり、結果に個人差が出ないマシーンを導入したり自動化したりして、業務内容の均一化を目指すわけです。

業務標準化によって全てのスタッフが同じ認識で作業にあたれるようになるため、一部スタッフに業務が集中してしまい(=これを属人化といいます)、休みや退職を機に業務が滞ってしまうなどという生産性を低下させる要因も取り除くことができます。

物流分野では特に属人化防止やコスト削減などのメリットが大きく期待されており令和2年3月、「加工食品分野における物流標準化アクションプラン」が策定されました。このアクションプランでは荷主・運送事業者・小売事業者間で協議・調整する仕組みづくりやデジタル技術活用等に関する方策が示されています。

業務標準化の具体的な事例や導入事例

ここでは、業務標準化を成功させた企業の事例を紹介します。

A社は製造部門で生産ラインのバラつきや不良率が高くなっていました。そこでリーンシックスシグマのDMAICというフレームワークを用いて 業務改善/業務標準化プロジェクトを実施しました。その結果3 生産性が30%向上し不良率が50%低下しました。

B社は営業部門で顧客情報や見積書作成などの管理が煩雑で時間がかかっていました。そこでクラウド型CRMシステム(顧客管理システム)を導入して 営業活動の流れやルールを統一しました。その結果3 見積書作成時間が80%短縮され売上も20%増加しました。

C社は人事部門で採用活動や評価制度などの運用が担当者によってばらつきがありました。そこで人事管理システム(HRMシステム)を導入して 人事プロセスのフロー図やマニュアルを作成しました。その結果3 採用コストが40%削減され従業員満足度も30%向上しました。

以上のように 業務標準化は様々な部門や分野で効果的に活用されています。物流についても 日本郵便株式会社は物流現場の標準化を推進しており 物流システムの構築や作業手順の統一などで作業効率を向上させています。また 教育プログラムや評価制度などで人材育成も支援しています。さらに 楽天と提携して物流インフラや配送サービスも改善しています。

物流現場では複数の荷送人と複数の荷受人から情報を収集して混載(共同運送)の配送計画を立案する必要があります。この際には物流サービス提供者(SP)が参画し、配送計画を立案するケースもあります。

物流業務標準化に関する最新の動向や情報については、以下のようなことがあります。

令和3年10月、「物流サービス提供者(SP)」及び「SP連合体」等へ対応した「物流サービス提供者(SP)モデル契約書」及び「SP連合体モデル契約書」等(案)が公開されました。これらはSP等間で取引条件等を明確かつ円滑かつ迅速かつ適切に決定・調整するための参考資料です。

物流業務の標準化で生まれるメリット・デメリット

業務標準化をすることがなぜ必要なのか、その理由を一度見ておきましょう。物流業務の標準化とは、物流に関する各種の規格やルールを統一することで、物流の効率化や品質向上を図る取り組みです。

業務標準化を実施するメリットとしては、人材育成や業務改善、コスト削減などが挙げられます。しかし、業務標準化を実施する際には、現状分析や目的設定、業務整理などのステップが必要です。

メリットとデメリットについてさらに詳しく見ていきましょう。

物流業務の標準化によるメリット

物流コストの削減:標準化により、作業時間や在庫量、輸送費用などが削減されることで、物流コストを下げることができます。例えば、パレットや外装サイズの標準化により、積載効率や荷役作業の改善が期待できます。加工食品分野における物流標準化アクションプランでは、パレットや外装サイズの標準化により、年間約1,000億円の物流コスト削減効果が見込まれると推計しています。

物流品質の向上:標準化により、物流プロセスやデータ管理が統一されることで、物流品質を高めることができます。例えば、外装表示や伝票・データの標準化により、情報伝達やトレーサビリティの向上が期待できます。官民物流標準化懇談会では、外装表示や伝票・データの標準化により、商品管理や情報伝達がスムーズになり、納期遅延や誤配送などのトラブルが減少すると期待しています。

物流サービスの拡充:標準化により、物流サービスを多様なニーズに応えられるようにすることができます。例えば、共同配送やクロスドッキングなどの新しい物流モデルを導入することで、顧客満足度や競争力を高めることが期待できます。

業務標準化を行う最大の目的は「属人化防止」ですが、その先にある結果として、作業効率向上、成果物の品質の安定、生産性向上により利益率を高める効果もあるのです。

物流業務の標準化によるデメリット

標準化への投資コスト:標準化を実現するためには、設備やシステムなどの投資コストがかかります。例えば、パレット交換システムやEDIシステムなどの導入には多額の費用が必要です。具体的に、年間約300億円程度の費用がかかると推計しています。

標準化への調整コスト:標準化を実現するためには、関係者間での調整コストがかかります。例えば、業種分野ごとに異なる規格やルールを統一するためには多くの時間や労力が必要です。

標準化への柔軟性低下:標準化を実現するためには、個別カスタマイズへの対応力が低下します。例えば、特殊な形状やサイズ・重量・数量・納期等の商品・依頼者へ対応しづらくなります。

以上のように、物流業務の標準化は多くのメリットを享受できる一方でデメリットは作業を進めるのに時間と労力が必要になること。物流業務の標準化は簡単ではありませんが、その効果は大きいです。

業務標準化を実現する8つのステップ

続いて、具体的にどのようにして業務標準化を推し進めていくのかをまとめました。

業務標準化を実現するための8つのステップについて見ていきましょう。

  1. 業務を洗い出し全体像を把握
  2. 現状抱えている課題を把握
  3. 成果としての水準を定める
  4. 標準化したい業務の優先順位を検討する
  5. 業務毎の手順を定める
  6. マニュアル・業務フローの作成
  7. マニュアルの運用方法を定め実施する
  8. 必要に応じ改善しながら運用する

それぞれのステップについて、詳しく解説してまいります。

物流業務標準化の方法や手順については、以下のようなことがあります。

ヒヤリングを行う

業務標準化は、属人化を解消することに等しいため、実際の現場において、だれが抜けると、どのような問題や困りごとが生じるのか、という点をヒヤリングを実施するなどして正確に調査する必要があります。通り一遍の当たり前なやり方では、問題の本質は見えてきません。

実は属人化が問題と言いつつ、ベテラン社員自身が仕事を独占し、部下や後進に大事な技術や知識をまったく伝えようとしていないケースもあります。そこにはプライドがあるのかもしれませんし、時間をかけて積み上げてきた大切なリソースを手放すことへの寂しさがあるのかもしれません。そういった深いところにまで追求の手を伸ばして、標準化をはばむポイントを掘り起こす作業が先決なのです。

レイアウト・ロケーションの最適化

スピーディーで正確なピッキングを行うためには、動線に無駄がないことが重要です。作業員が一つの作業をするのに何度も往復したり、何度も回らされたりすると、時間がかかり、スタッフへの負担が大きくなります。

たとえば、先入れ先出しを行う場合、消費期限の古いものから出荷しやすいように、新しい商品が届くたびに古い商品を奥から取り出し、新しい方を奥に格納してから再度古い方を手前に収める必要があります。しかし、棚の逆側に十分な通路やスペースがあれば、古いものはそこから取り出せるため、わざわざ入れ替える手間が省けるでしょう。

このように、倉庫全体のレイアウトや在庫の配置を工夫することも、工数削減に有効なのです。

標準化する業務の選定

ヒヤリングによって、課題が整理できたら、標準化する項目を絞ります。重要度や緊急度の高いものから優先順位をつけて取り掛かるようにします。一度にすべてを解決するのは無理があるので、何をいつまでに、どのような手順で行うのかについて、スケジュールを作成して担当者で共有するのがよいでしょう。

以下の観点にそって標準化していく業務に優先順位をつけて推し進めていくことをおすすめします。

  1. 基幹業務や、会社としての目標と今後業務量増加が見込まれるもの
  2. 課題が浮き彫りになっている業務

とくに優先的に解決していきたい課題としては以下のようなものが挙げられます。

  • 属人化している業務・作業がある
  • いつも予定通りに終われない業務がある
  • ムダと感じながらやってる業務がある
  • 作業者によりムラがあると感じている業務がある

業務マニュアルの策定

すべての従業員が達成するべき業務レベルマニュアルや、誰が見ても作業にあたれるようにまとめていくことで、属人化を防ぐことができます。ベテラン社員や一部の有能な社員がどのように業務を進めてきたかをつぶさに把握し、それらをマニュアルとフローに余すところなく反映させることが重要です。

今後も必要に応じて手順やポイントを見直していけるような体制とするための作業である、ということを念頭に置きレイアウトしていくことが望ましいため、以下のおすすめの資料構成を参考にしていただくとすすめやすいでしょう。

  • 概要
  • 目的や背景
  • 業務フロー図(フローチャートなど工程全体像を図表化)
  • 具体的な作業フロー
  • 注意事項
  • トラブル発生時の対処方法

業務レベルを一定にするために、ロボットやAIなどの導入が有効な場合は、具体的な機種や予算などについても、すみやかに検討する必要があるでしょう。

従業員への周知と研修

業務マニュアルとフローが完成したら、それらを関係するすべての従業員に周知し、理解を促します。もちろん座学だけでは伝わらないので、現場で実際にシミュレーションを行ったり、ベテラン社員のやり方を見よう見まねで習得したりする必要があります。この段階で新たな課題や認識不足が浮き彫りになれば、マニュアルやフローの修正を行わなければならないでしょう。

独自の資格制度や表彰制度を設けて、習熟度に合わせて讃えたり労ったりするシステムを導入しても、モチベーションアップに有効かもしれません。

定期的な検証と改善

運用をスタートしたら、必要に応じて、もしくは定期的に見直しすることも大切なポイントです。

完璧なマニュアルが作成できて、研修が済んだからといって、翌日から絵に描いたようにすべてがうまく回るわけではありません。研修ではできていたことができなかったり、マシーンやロボットの操作がうまくいかなかったり、想定外のクレームやトラブルが生じることも考えられます。

よって、業務標準化がどの程度実現しているのかを頻繁にチェックし、改善の余地があればアップデートする体制を構築しておくのが望ましいでしょう。すぐに理想の結果に到達することを求めがちですが、ある程度の時間が経たなければ定着しないタスクやルーティンもあります。そのため、焦らず確実に目標に近づけるように、組織が一丸となって協力しあえる雰囲気作りに注力することも大切です。

業務標準化は物流業界全体の最大課題

最後に、物流業界における業務標準化の重要性について触れておきましょう。

少し話の規模が大きくなりますが、今後、ますます少子高齢化が進み社会構造が変化していく中で、国全体としても物流業界が占める社会インフラとしての役割を極めて重要視しています。

その証として国土交通省は、令和3年に総合物流施策大綱の中で物流標準化の必要性について今後の方針も含め具体的に表記していますし、「官民物流標準化懇談会」も開催しています。

国は、機械化、デジタル化を通じた物流DXによって、業務プロセスの標準化、ソフトとハード面の標準化を推し進める方向で物流業界全体を協力にバックアップしています。具体的なKPI(重要業績評価指標)として、2025年には「物流業界の自動化・機械化やデジタル化に向けた取り組みに着手している物流事業者」の割合が100%になること、を目標に掲げています。

企業規模や地域によって物流機能に格差がありすぎると、国全域におけるサプライチェーンの精度を上げることは難しくなります。そこで業界全体をボトムアップすることで、より安全で安心できる環境構築を目指しているといえるでしょう。

平時は言うまでもなく、災害に際してもサプライチェーンが寸断され、機能不全に陥れば、たちまち社会機能全体が麻痺してしまうでしょう。規模の大小にかかわらず、物流企業が業務標準化をはかり効率的なオペレーションを可能にし、業界全体に機械化やデジタル化という意味での標準化が適切に広がれば、物流業界は今後ますますインフラとして大きく社会貢献できるようになるに違いありません。

まとめ

人手不足が深刻化する物流業界において、業務標準化は喫緊の重要課題です。

物流業務の標準化を行うことで、以下の効果が期待できます。

  • 特定の人がいないと回らない作業がある状態を打破できる(属人化防止)
  • 成果物のバラつきを防ぎ品質安定の効果がある
  • 退職者が出た際の引継ぎもスムーズになり生産性が下がらない
  • 商品の品質がバラつき信用・利益の損失リスクを軽減できる

具体的な目標を設定し、社内のコンセンサスをとりながら確実に推進していきましょう。


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    MOTOMURA物流編集部

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