理美容業界では、シャンプーなどのヘアケア用品やカラー剤、化粧品など多種多様な商材を日々の業務で使用します。そのため、理美容用品を扱う企業は、定期納品だけでなく、急な発注や納品にも対応しないといけません。発注された商材を予定通りに納品できないと、その影響は大きいです。契約先の店舗運営に支障が出たり、顧客満足度が低下したりするからです。
そこで、より充実した配送体制にするため、外部の物流倉庫に理美容用品の管理や出荷作業をアウトソーシングするケースが増えてきています。
本記事では、理美容物流の概要や委託可能な業務、物流倉庫の選び方を解説します。営業効率の向上や顧客対応力の改善につながる物流戦略をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
理美容用品を物流倉庫に預けて営業効率を高める
理美容物流とは、納品先の店舗に必要なヘアケア用品などの商材を、必要なタイミングで届けられる在庫管理・配送体制のことです。以前の理美容業界では、営業が商材を持参して、一部配送の役割を担っていました。営業と配送が一緒になることで顧客とより関係を深めることができたからです。とはいえ、営業が配送の役割を担っていては、リソースが割かれてしまいます。しかも、納品先の店舗には、施術やサービスなどの営業活動の妨げにならない形で納品することが求められます。
このような理由により、納品先の都合の良いタイミングで、注文した商材がまとめて届けられる仕組みが必要になりました。当然、営業担当が片手間で対応するには無理があります。したがって、営業と配送を分けて、それぞれの効率を高められる物流サービスの重要性が増しています。
理美容用品に適した物流倉庫の特徴
美容室やサロンに適した物流サービスを提供するには、理美容用品の扱いに慣れた物流倉庫でないといけません。適した物流倉庫の特徴として、以下のポイントがあげられるでしょう。
- 適切な温度管理と湿度管理
- 頻繁に入れ替わるアイテム管理への対応
- システムによるデータ活用
- 多品種少量の出荷対応
- シーズンごとの物量増減に強い
薬剤や化粧品は、保管条件が品質に直結するため、温度・湿度の管理を行う必要があります。
また商材の入れ替わりが多く、対応できる柔軟な管理体制もないといけません。正確な在庫管理にはデータの共有と活用ができる仕組みが求められます。
理美容物流はBtoB(法人向け)ではあるものの、多品種少量の注文が多くなります。そのため、BtoC(個人向け)のような発送にも対応できる物流倉庫であることが望まれます。そのうえ、季節ごとの出荷件数の増減にも対応できる体制があることも必要でしょう。
このように理美容用品に適した物流倉庫は、一般的な物流倉庫とはやや異なります。
化粧品の保管に必要な設備条件や倉庫選びの基準は、化粧品向け物流倉庫の選び方にて詳しく解説しています。
物流倉庫に委託できる業務
物流倉庫に委託できる業務には以下のようなものがあります。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 入荷 | 届いた商材の検品 入荷した商材の名前や数量を登録 |
| 在庫管理 | 温度・湿度管理をしながらアイテムを保管 オンライン上から在庫状況の把握と管理が可能 |
| ピッキング | 受注情報をもとに保管棚から必要なアイテムを取り出す |
| 流通加工 | シール貼付・箱詰め・袋詰め・ラッピングなど追加作業 |
| 梱包 | 輸送中の商材の破損を防ぐため、緩衝材と段ボールで保護 納品書の発行 販促物の同梱作業 |
| 出荷 | 梱包した商材を配送業者に引き渡し |
これ以外に返品処理やアイテムの再販チェックに対応してくれる物流倉庫があります。
特にラベル貼付やセット組みなど、薬機法で「製造」に該当する可能性のある作業については、化粧品の保管に製造業許可は必要かで詳しく解説しています。
物流倉庫に理美容商材の管理を委託するメリット
物流倉庫に委託するメリットは以下のとおりです。
- 物流業務に関わる人員の整理ができる
- 在庫保管のスペースを削減できる
- 営業がコア業務に集中できる
まず、自社で抱える在庫の一部を外部の物流倉庫に預けられるため、バックオフィス業務の人員整理と保管スペースの削減ができます。また、物流倉庫から在庫情報がオンラインで確認できるため、データ活用がしやすくなります。
この在庫データは、以下の用途で活用が可能です。
- 需要予測
- トレンドの把握
- 過剰在庫の防止
このようなデータ活用によって在庫管理の適正化ができます。また、理美容物流を委託することで、自社の営業が商材を抱えて急ぎの納品をするといったことが起きにくくなるでしょう。つまり、営業のコア業務である顧客開拓や新商品の宣伝に集中できます。
以上が物流倉庫に理美容用品を預けるメリットです。
自社物流と比較して、コストや業務負担が改善できる場合は委託を検討してみて下さい。
物流倉庫に委託する際の注意点
委託する際には以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 契約先のニーズに対応できる
- トラブル発生での対応と責任の所在を明確にする
- 出荷や配送を任せても客離れが起きない
契約先のニーズに叶う形で納品ができるかを契約前にチェックしましょう。配送に関して直接的なコントロールができないため、誤発送や納品ミスが起きた場合に社内の営業や事務が対応するようでは委託の意味がありません。
そのため、トラブルが起きた際に委託先がどのような対応をするのか把握しておきましょう。また、営業が定期的に尋ねることで関係が維持されている納品先が多い場合は、業務を分けてしまうことで客離れが起きるリスクがあります。
したがって、現状の契約している美容室やサロンがどのような基準で自社を選んでいるかを把握してみましょう。
まとめると、現在自社で提供している物流体制と同等レベル、またはそれ以上になるかチェックが必要です。
理美容用品に適した物流倉庫の選び方
理美容商材を預けるのに適した倉庫を選ぶポイントは以下のとおり。
- 理美容用品や化粧品の取り扱い実績がある
- 柔軟な流通加工ができる
- 迅速な出荷ができる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理美容用品や化粧品の取り扱い実績がある
理美容用品の取り扱い実績がある物流会社を委託先に選べれば、業務効率化やトラブル防止になります。十分な実績があるということは、温湿度管理や専用設備を備えた物流拠点を持っている可能性が高いです。同時に、品質管理や在庫管理にも十分なノウハウがあるでしょう。スタッフも商材の取り扱いに慣れているため、ミスが起きにくいです。併せて、商材の使用期限切れや生産ロットの管理も確実にできます。
まずは、物流倉庫の取り扱い実績を確認しましょう。
柔軟な流通加工ができる
理美容物流では、BtoB(法人向け)とBtoC(個人向け)の物流が混在する部分があるため、流通加工への対応が必要です。
例をあげると以下のような内容です。
- 個別包装
- ラベルの貼り付け
- 販促物の同梱
特に、クリスマスなどのイベントによるギフト包装やセット対応は、契約先の店舗の負担軽減になり、差別化にもなるため重要です。理美容に対応している物流倉庫会社であれば、これらへの対応は可能です。また、返品処理にも柔軟に対応してくれるでしょう。そのため、自社のブランド価値を損なわずに、納品先の希望に応えつつ配送業務をこなしてくれます。
これらを踏まえて、自社物流と比較してみましょう。
迅速な出荷ができる
物流倉庫から納品先へスピーディーな配送ができるという点も重要です。当日出荷や土日祝も出荷対応しているか確認をしましょう。以前とは異なり、需要が急変化することが当たり前になっています。SNSで拡散され、数時間で人気商材となり、店舗の在庫が売り切れるということもあり得ます。
このような場合に備えて、当日出荷に対応できる物流倉庫であれば、契約先である美容室やサロンの機会損失を最小限に抑えられるはずです。また、納品先と物流倉庫の距離もチェックしておきましょう。配送コストを下げるうえで効果的だからです。コストだけでなく配達時間の短縮にもなります。
これら3つのポイントを備えた物流倉庫があれば、現場を見学することも忘れないようにしてください。
化粧品・理美容用品の保管に必要な許可区分や倉庫基準は、化粧品向け物流倉庫の選び方でさらに詳しく説明しています。
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理美容物流の最適化で納品先と社内の経営効率を高める|まとめ
理美容用品を扱う物流では、在庫の適正化と納品先のニーズに合わせた配送が重要になっています。この物流には、専門的なノウハウと柔軟な現場が必要です。本記事を参考にして、物流業務を適切に外部に委託できれば、営業活動や納品先の店舗がコア業務に集中できる体制が整うでしょう。信頼できる物流倉庫を見つけて、営業効率と顧客満足の両立を実現してください!
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