誤出荷や発送ミスは、返品対応や再発送でコストが増えるだけでなく、顧客満足度を低下させ、大きな損失をもたらします。その対策としてシステム導入が有効とされます。
しかし、システム化すれば、誤出荷や発送ミスが起こらない現場ができるわけではありません。ミスは、人的要因やシステムの不備が重なって起きている場合が多いからです。そのため、システム化をする一方で現場の整備も必要になります。
本記事では、誤出荷の原因や影響、対策について解説します。
改善をしているのに誤出荷が起きる!発送ミスの対応で振り回されている!という方はぜひ最後までご覧ください。
目次
発送ミス・誤出荷とは?起きてしまう仕組みとその影響
誤出荷や発送ミスには種類があり、具体的なケースをあげると以下の通りです。
- 届いたものが注文した商品とは異なる
- 数量が注文より少ない、または多い
- 届ける宛先を間違えて配送する
これらの誤出荷、発送ミスが起きると、顧客へのお詫びや返品、再出荷で手間とコストがかかります。また、対応を間違えると、レビューで酷評されたり、企業イメージが低下したりと影響は少なくありません。
このような影響の大きいミスが起きるのは、単純な人為的ミスだけでなく、システム連携の不備、作業動線の混乱など様々です。そのため、現場単位での一時的な対処ではなく、根本原因を把握し、仕組みとして防止策を整備しましょう。
まずは「どんな仕組みでミスが起きるのか」を把握することが誤出荷と発送ミス防止の第一歩です。
誤出荷の原因3選
代表的な誤出荷の原因を3つ紹介します。
- 現場の人為的ミス
- システムへの入力ミスやデータ更新の遅れ
- 倉庫内の動線や照度
これら3つを把握しておくと、実際の現場で効果的な防止策を考える際に材料になります。
それぞれ確認していきましょう。
現場の人為的ミス
人為的ミスは、作業者の確認不足や思い込みで誤出荷が起きてしまうことを指します。ミスの内容を列挙すると以下の通り。
| ミスの種類 | 内容(原因) |
|---|---|
| ピッキングミス |
似た商品を間違えて取り出す (商品名や外見が似ていると起きる) |
| 数量ミス |
出荷に必要な個数を間違える (作業者の思い込みや確認不足) |
| 梱包ミス |
誤った方法で商品を梱包する (作業の急ぎすぎや手順の無視) |
このように、人為的ミスには複数のプロセスが含まれており、特に作業者の集中力が低下しやすい繁忙期や夜間シフトで起きやすいです。
この他にも、人為的ミスが起きる原因としては、作業に慣れていない新人への教育不足、マニュアル整備の不足もあります。
したがって、人為的ミスによる誤出荷が作業者本人の問題なのか、ミスが起きやすい構造になっていないか分析をしましょう。
システムへの転記ミスやデータ更新の遅れ
システムへの在庫情報の転記ミスや、データのリアルタイム反映のタイムラグが誤出荷の原因になる場合もあります。
転記ミスとは、伝票内容の読み間違えや、入力時のタイプミスです。次に、在庫データのリアルタイム反映でタイムラグが生じると、実在庫とシステム上の在庫が一致しない状態で作業が進み、誤出荷が起きるリスクが高まります。
このようなシステムやデータ上の問題は、現場の作業者では気づきにくいです。
場合によっては、作業者のミスとされてしまう場合もあります。
システムの情報と実際の数字がリアルタイムに合致していることを確認しましょう。
倉庫内の動線や照度
保管棚のロケーション(保管場所)や動線が不明瞭だと、ピッキングで誤出荷が起きる可能性が高くなります。
作業者の動きにムダが多く、疲労しやすく、ミスが起きやすい環境だからです。
また、倉庫内の照明の明るさも作業効率に直結します。作業者自身の陰で商品ラベルが見にくいという状態になっているだけで作業効率は低下します。
特に、目視でラベル確認する現場では、照明の明るさは重要です。
実際に現場を確認してみてください。
誤出荷による2大影響
誤出荷による影響は主に以下の2つです。
- 物流コストの増加
- 顧客満足度が低下して信頼を喪失
細かく影響を見ていくと他にもありますが、わかいやすく影響が大きいものをご紹介します。
物流コストの増加
誤出荷によりクレームや返品率が高くなると、対応のための人件費や再出荷による配送料がかかり、物流コストが増加します。
当然、コストの増加は自社の利益を圧迫するでしょう。したがって、誤出荷への効果的な対策が必要です。反対に、誤出荷を減らすことができれば、不要な返品が減り、ムダな配送料が減るため、物流コストが下がり、利益率の向上につながります。
顧客満足度が低下して信頼を喪失
誤出荷が起きると、顧客満足度が低下して会社の信頼が失われます。これが最も大きな影響といえるでしょう。当然、リピーターが離れたり、新規の取引が減少したりして売上にも大きな影響を与えます。
特に、誤出荷で配送先を間違えてしまった場合は、個人情報が第三者に漏洩したと顧客に受け取られるかもしれません。配送先を間違えるミスは、1回で顧客との信頼を失ってしまうでしょう。加えて、自社の企業イメージが失墜してしまう場合も珍しくありません。
そのため、誤出荷の配送先を間違えるミスを防止するため、念入りなチェック体制が必要です。
誤出荷や発送ミスを防ぐための基本対策5選
ここからは、誤出荷や発送ミスを防ぐための基本的な対策を5つ紹介します。
- 作業マニュアルと教育体制の整備
- システムのリアルタイム更新と自動連携
- 目視チェックとバーコード照合を併用
- 倉庫内の作業環境の整備
- 共通認識の整備
誤出荷への対策は規模に関わらず必要です。誤出荷の発生に困っている場合は、これら5つの対策からヒントを得られるのではないでしょうか。
作業マニュアルと教育体制の整備
人為的ミスで誤出荷が起きている場合は、作業マニュアルを整備し、教育体制の見直しをするとミスを減少でき、作業効率を高められます。
具体的には、作業の標準化ができているか確認しましょう。現場のベテランと、新人やパートスタッフの動きの違いも調べて、作業が違っていないか入念に比べてみてください。また、誰でも理解できるマニュアルの整備が必要です。
チェックリスト方式や動画など「誰がやっても同じ作業品質を維持できる」状態を目指したマニュアルと教育体制がないと人為的ミスを防止にはつながりません。
もちろん、これらの取り組みには、時間と労力がかかります。しかし、マニュアルと教育体制の整備ができれば、そのメリットは誤出荷を防ぐだけに限定されません。
新人の育成が容易になり、生産性の高い現場がつくれます。
システムのリアルタイム更新と自動連携
WMS(倉庫管理システム)を導入すれば、リアルタイムでの在庫確認や出荷指示が可能になります。他にも、WMSには以下のような機能があります。
- 商品の保管場所を管理
- 在庫量や検品もシステムがチェック
- 出荷指示書や送り状も作成が簡単
また、紙ベースの伝票ミスも減らすことができるでしょう。他のシステムやツールとの連携が可能であり、以下のように機能を追加ができます。
| システム | 機能 |
|---|---|
| 在庫管理システム | 商品の入荷・出荷情報を入力して、正確な在庫情報を把握 |
| RFID | 商品タグに埋め込まれた情報を無線で読み取り自動検品 |
| ハンディターミナル (携帯端末) |
商品と出荷指示書のバーコードで照合 |
これら他のシステムやツールと連携すれば、検品や出荷が記録され、在庫管理やマーケティングにも活用が可能です。小規模事業者であっても、クラウド型WMSを導入すれば、手軽に高精度の在庫・出荷管理ができます。
ECカートと連携すれば、入力作業の手間とミスをさらに防げるでしょう。結果、誤出荷の発生を大幅に抑えることができます。
目視チェックとバーコード照合を併用
前述した2つに関連して、システムとハンディターミナル、バーコードリーダーで検品すると二重検品の体制ができます。多くの物流倉庫では、この仕組みが導入されています。
作業の標準化により、ピッキングや梱包の際に目視による確認をルール化すると、単純なミスの大半を抑えることはできるでしょう。
加えて、バーコードを読み込んでシステム検品することで、商品と出荷情報をズレなく照合できる体制ができます。
つまり、目視チェックとバーコードによる照合で、品番や数量の即時確認ができるため、誤出荷の防止には効果的です。
倉庫内の作業環境の整備
倉庫内の作業環境の整備とは、レイアウトの最適化とゾーニング管理です。
- レイアウトでは、以下のポイントを考慮しましょう。
- 出荷頻度の高い商品を出荷口近くに設置
- 似た商品は保管場所を離す
- 商品のカテゴリーごとに集める
- 棚番号やラベルの大型化
次に、台車やフォークリフトを使用する場合は、ゾーニングをしましょう。運搬機器を効率的に動かせるよう十分な通路幅を確保するだけでなく、歩行ゾーンが分かるように、床の色分けやラインを引いて区域分けします。
このレイアウトの最適化とゾーニングにより、動線の短縮と従業員がスムーズに出荷作業ができるスペースを確保できます。また、ピッキング担当の作業者からも意見をもらいながら、機能的な倉庫内の動線を整備しましょう。
現場の意見が反映されることでより作業環境の整備が進み、誤出荷の削減になります。
共通認識の整備
ミスが起こることを前提にして、リーダー同士や現場スタッフでミスの共通認識ができる仕組みをあらかじめ作っておきましょう。
誤出荷の経緯を共有すれば、再発を防ぐ対策を考える際に有効活用できるからです。また、他の意見を取り入れた対策を検討することもしやすくなります。
ただし、報告は問題の経緯や原因をはっきりするためであり、作業者への懲罰的な含みを持たせないように気をつけてください。
目的は、誤出荷が起きることに対しての共通認識を持つことです。グループリーダーや現場スタッフが共通認識を持てれば、誤出荷に対して団結して対応ができます。
誤出荷・発送ミスの発生後に行うべき対応と対策
誤出荷や発送ミスが起きた際の対応と対策について流れを紹介します。
- 顧客への迅速な連絡と再発送
- 原因分析と共有を目的に報告書を作成
ミスが起きた際に重要なことは、速やかな対応と、その後にミスを教訓として活かすことです。
顧客への迅速な連絡と再発送
誤出荷が判明した時点で、まずは顧客に電話やメールで事実を正直に伝え、謝罪と再発送のスケジュールを明確に伝えましょう。誤出荷や発送ミスが起きた際に最初にするのは、迅速で誠実な対応です。
謝罪文は、およそのテンプレートを用意しておき、再発送の流れを自社であらかじめ決めておくことで、対応スピードが上がります。対応が遅いと、クレームに発展し、顧客からの評価を下げてしまうだけでなく、SNSに書き込みなど二次的な損害に発展するリスクもあります。
対応が遅れないように、手順をマニュアル化しておきましょう。スムーズな対応が顧客への信頼回復や、問題の拡大防止になります。
原因分析と共有を目的に報告書を作成
顧客対応ができたら、原因分析と共有を目的に報告書を作成します。ここでの目的は、再発防止と社内共有です。
起きてしまったミスは、今後の改善点の重要な参考資料といえます。ここで経緯や対応を隠すことなく正確に記載します。具体的には、発生原因が前述した人為的なのか、システムや環境なのか、分類し整理しましょう。
ミスの発生を「作業者の責任」として終わらせるのではなく、「なぜ起きたか」を分析して全員で共有することで改善が進みます。
そのためには、ミスを報告しても責めない文化を築くことが必要です。ミスが起きた際の報告書は、懲罰的なものと捉えられがちですが、原因分析と社内共有ための書類であることを現場に伝えましょう。
「ミスを報告しても責めない文化」をつくることで、現場改善のスピードは上がります。また、再発防止策を全スタッフで共有する際にも、協力を得えるためにも必要不可欠です。
誤出荷と発送ミスの防止は「仕組み化」と「原因の共有」が鍵:まとめ
誤出荷や発送ミスは、単なる人的ミスだけでなく、仕組みの問題であることが多いです。原因を突き止め、仕組みが再発防止になるように取り組みましょう。紹介したマニュアル整備やシステム導入、作業環境を見直し、全員で共有する仕組みをつくると、誤出荷と発送ミスを抑制できます。
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