コールドチェーンとは?導入時の課題やメリット・デメリット・コスト・市場規模は?

コールドチェーン

コールドチェーンとは

コールドチェーンとは生産地から消費地まで、低温でなければ品質を保持できない商品を一定の低温を保ち流通させる仕組みで、低温ロジスティックスや生鮮SCM(サプライチェーン・マネジメント)とも言われます。

食品だけではなく近年話題になった新型コロナワクチンのように、低温管理しながら輸送しなければならない輸送にも適用されるなど、現代の生活には欠かせない物流システムです。

トラックによる輸送に限らず、飛行機を用いた航空便・船を使う船便もあり、コールドチェーンが登場したことで、物流システムは目覚ましい発展を遂げ、ビジネスの幅も広がりました。様々なものが遠隔地まで輸送できることが当たり前となって久しい今、輸送される商品も様々で商品により適切な温度が異なることはコールドチェーンの難しさでもあります。

コールドチェーンシステムの流れ

コールドチェーンシステムには3つのプロセスがあり、生産・加工 ⇒ 流通 ⇒ 消費の流れに沿って生産者から消費者まで運用されています。

それぞれのプロセスについて以下で解説させていただきますのでご参考ください。

①生産・加工

野菜・果物は商品を出荷する前に低温状態にする「予冷」という処理が必要で、予冷したのち適切な温度下で管理をします。また、肉や魚は品質低下させないために「急速冷凍」が必要です。

このように、流通に至るまでの生産・加工段階において、特殊な設備と温度管理のスキルが求められます。

②流通

続いて実際に商品を店舗などに向けて輸送する流通のステップに進みますが、流通時の品質管理こそが要であり、難しいポイントでもあります。温度管理された倉庫から外を経由して出庫することも含めて、輸送中の温度管理が難しく相応の輸送設備(トラックなど)とそれを適切に利用できるスキルが必要です。

遠方への配送の場合には、中継地点となる倉庫を利用するケースもありますが、その場合も適温管理された倉庫が必要になる等、確実にゴールまで適温管理をし、品質を保持した状態で流通させるための仕組みを考慮する必要もあるのです。

③消費

コールドチェーンは商品を店舗や消費者に届けたらゴールというわけではありません。商品が消費者の手に渡った後でも劣化させない保管しやすい状態で流通させる、ということも重要なのです。

それには冷凍保存しやすいようパッケージの形状を工夫したり、冷蔵庫・冷凍庫で保管した際に傷みにくいような加工を施したりなども含めてコールドチェーンシステムが成功するものと認識しておく必要があります。

コールドチェーンの日本国内の市場規模

一般社団法人日本冷凍食品協会によると、冷凍食品の国内生産額について2011年は約6,300億円であったものが、2020年には約7,000億円と市場拡大しています。

テレワークが進んだ事や、共働き世帯が増えていること、外食を控え内食が盛んになったことなども市場規模拡大の要因と考えられるのではないでしょうか。

コールドチェーン勧告とは

コールドチェーン勧告とは、遺伝子組み換え食品やダイオキシンによる食品汚染、増え続ける輸入農産物など、日本の食と農に対する危機感を背景に提唱されたものです。

昭和40年(1965年)時に科学技術庁資源調査会が提唱した「食生活の体系的改善に資する食料流通体系の近代化に関する勧告」により、農林省が中心となり全国各地に野菜・果実・畜産物・魚介類等の生産流通施設の整備が急ピッチで進められ、日本の国内流通を大きく発展させるきっかけとなりました。

コールドチェーン導入の課題は?

コールドチェーンはいまや欠かせない物流システムですが、導入するには様々な課題があります。

コスト・求められるスキル・導入する際のリスクが高いということが挙げられますので、それぞれ詳しくみてみましょう。

課題①:適切に一定の温度管理を行う設備投資コストがかさむ

コールドチェーンを適切に実施するには、商品ごとの適切な温度管理が欠かせません。

  • クーリング:5~10度
  • チルド:-5~5度
  • フローズン:-18度以下

大きく分けると上記の3つの温度帯に分けられます。

業務フローの構築はもちろん、迅速かつ確実な輸送を叶える配送ルートの選定だけでなく電気などのインフラを含む設備投資とは別の懸念事項も含めると、付随するコストの増加とあわせて時間的な負担も大きくなります。

課題②:コストがかかる分リスクが高くなる

準備にも期間がかかり、高いスキルが求められるため社員教育も欠かせないのがコールドチェーンです。

設備投資を含めたコストや時間的な負担も考えると、長期的に安定した取引が見通せる状況でなければ、初期投資に踏み切ることも現実的ではないでしょう。

課題③:一定の温度管理を行うのに高いスキルを要する

コールドチェーンシステムのどこか一部でも温度管理に失敗があれば、品質に悪影響がでるケースが多いのがコールドチェーン。

とはいえ多くの人が関わるだけでなく交通網も重要となるコールドチェーンシステムは、綿密に計画された業務フロー・配送ルートでもイレギュラーケースが起こらない保証はできません。

ですからイレギュラーケースが発生した際、臨機応変に対応できることが必須になるため、有事の際のことも含めた周知徹底・スキル習得が求められるのです。

コールドチェーンのメリット・デメリット

コールドチェーンを導入するにあたってのメリット・デメリットも見てみましょう。

コールドチェーンのメリット

コールドチェーンを導入するメリットにはこのようなものが挙げられます。

  • 品質を保ち広い範囲で輸送が可能になる
  • 食品ロスの削減に繋がる

コールドチェーンの導入で輸送が適切に行えるようになったことから、広い範囲に品質をキープした状態で様々なものを届けられることはメリットとして見逃せないポイントです。これによりビジネスの幅が広がることは言うまでもありません。

コールドチェーンのデメリット

コールドチェーンを導入する際のデメリットにはこのようなものが考えられます。

  • 物流コストがかさむ
  • 一定温度を保つための高いスキルが求められる

これまでお伝えしてきたように、倉庫や冷蔵庫、急速冷凍機などの設備投資コストだけでなく、物流プロセスそのものを最適化するためのコストもかかります。場合によっては、初期投資が高額になるため、これらの工程をすべて自社でまかなおうとするのはリスクが高く非現実的と思われます。

コールドチェーンで輸送される商品は、わずかな温度変化でも品質に影響を与えるケースが多く、前述のように品質管理に携わるすべての担当者に高いスキルが求められます。

人・金・時間の面で相当なコストがかかることは、自社コールドチェーンのデメリットの一つです。

まとめ

コールドチェーンとはなにか、これまでの時代的背景を含めてコールドチェーン導入の課題やポイント、メリット・デメリットなどお伝えしてまいりました。

近年の生活基盤として欠かせない存在であるコールドチェーンは、今後も欠かせない物流システムであることは間違いないでしょう。とはいえ多くのコストとリスクを内包していることから、自社内で全てを賄うことは容易ではありません。

そのため自社内で賄うのではなく外注できる部分は委託するなどして、ビジネスチャンスを獲得している企業も多いこともあわせてお伝えさせていただきます。

今後のビジネス展開に欠かせない物流システム「コールドチェーン」について、こちらでお伝えした情報を活用していただき、今後ますますのご活躍となれば幸いです。

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