小口配送は、一つの配送先に対して少ない荷物量で配送していく輸送形式を指します。
この配送方法はコストとリソースを節約し、特にEC事業のようなビジネスモデルでよく使用されます。
小口配送は、配送先店舗にとってメリットは多くあるものの、コスト面や環境配慮でデメリットもある輸送形式です。
- 小口配送の定義と特徴
- 小口配送のメリットとデメリット
- 小口配送を提供する企業やサービスの比較
この配送方法はコストとリソースを節約し、特にEC事業のようなビジネスモデルでよく使用されます。
倉庫・物流業務を委託したい方へ
目次
小口配送とは
小口配送は、一つの配送先に対して少ない荷物量で配送していく輸送形式を指します。
この配送方法はコストとリソースを節約し、特にEC事業のようなビジネスモデルでよく使用されます。
たとえば、あるオンラインストアが顧客からの個別の注文に基づいて商品を出荷する場合、それぞれの注文は小口配送の一部となります。同様に、ある小売店が在庫を補充するために少量の商品を仕入れる場合も、小口配送が適用されます。
他には、工場からエリア内のクリーニング店を回り品物を配送していくルート配送なども含まれます。
またコンビニエンスストアのように店舗の規模が小さな小売店に対し、エリア内の複数店舗に少量ずつ商品を届けていく形式を多頻度小口配送と呼びます。
大口配送との違い
大口配送とはいわゆる従来型の輸送形式で、1台のトラックに大量の荷物を積載し、1配送先にむけて配送するスタイルを指します。小口配送と大口配送の違いは以下のポイントが挙げられます。
- 1台のトラックに複数配送先に向けた荷物が積載されているかどうか
- 1配送先にむけた荷物の量が多いか少ないか
また上記のポイントを踏まえると、大口配送は大きな在庫スペースも確保された規模の大きな小売店などに向いた配送方法であり、小口配送は在庫スペースが少ない小規模小売店向けの配送方法であるとも言えます。
積み合わせ輸送(共同配送)が多い
1配送先にあてる荷物量が少ないため、1つのトラックに複数の配送先に当てた荷物が積積み合わせ輸送されるケースが多いです。こうすることで、輸送コストや輸送効率などのデメリットを軽減し、効率よく無駄なく配送する工夫が成されています。
積み合わせ輸送することで、無駄に複数トラックを走らせる必要は無くなり、CO2排出量の削減による地球環境への配慮、そして無駄な物流コストを軽減することができます。
小口配送が増加している背景
小口輸送のニーズが近年急増している背景には、EC物流量の増加がまず1つ挙げられます。
新型コロナ禍での外出自粛を機にEC利用頻度が上がった消費者も多く、またその利便性の高さから、これまでBtoCが主流であったEC業界に、BtoBビジネスも市場拡大しつつあるのです。
また小口配送のメリットが企業に見直され、商品の鮮度・品質を保ち消費者が求めるクオリティの商品を提供しやすいことから、小口配送を導入する企業も増えました。
小口配送にすることで、消費者ニーズの多様化に応え、店舗の過剰在庫対策、在庫管理を煩雑にしないですむといったことが小口配送需要の増加を後押ししていると考えられます。
小口配送のメリットとデメリット
まずは、小口配送を利用するメリットとデメリットを見ていきます。
小口配送のメリット
小口配送することで得られるメリットには以下が挙げられます。
- 配送先店舗での細かな在庫量コントロールがしやすくなる
- 配送先店舗での広い在庫保管スペースが不要になる
- 商品の鮮度・品質が劣化しずらくなる
- 配送先店舗での廃棄コストを軽減する
店舗規模は小さくても、多品種を販売するコンビニエンスストアで想像していただくとわかりやすいでしょう。
広い在庫スペースの確保が難しい店舗で、多品種の在庫を多数確保しておくことは現実的ではありません。小口配送することで、店舗での在庫量をコントロールし、在庫管理の負担を大幅に軽減しています。
また多頻度小口配送することで、生鮮食品や食品などの鮮度・品質の劣化を防ぐことで、廃棄コストも軽減し、健全な経営状態を保ちやすくしているのです。
小口配送のデメリット
小口配送はメリットも大きい反面、このようなデメリットがあります。
- 積み合わせ輸送をしないと物流コストが上がってしまう
- 配送回数が頻回になるのでCO2排出でSDGsに反してしまう
- 配送先店舗で複数台のトラックがかちあってしまう場合がある
小口配送は輸送効率が悪くなり、配送料・人件費を含む物流コストが上昇しがちです。
そうなると結果的に商品価格を上げざるを得なくなり、打ち上げ減少に繋がってしまうこともあります。
そうならないために、小口配送する場合には独自にルートをきめルート配送したり、積み合わせで輸送するなどしている企業が多いです。
また小口配送、なかでも多頻度小口配送は私たち消費者の生活レベルを向上させるのと引き換えに、CO2排出量が増加してしまう原因でもあります。SDGsに反してしまうからというだけでなく、地球環境を汚染してしまうことから、利用するトラックやトラックに使用する燃料への配慮も欠かせません。
小口配送を提供する企業やサービスの比較
小口配送サービスを提供する会社もいくつかご紹介します。
23区なら当日配送も可能な小口配送サービス
MOTOMURAでは、倉庫保管でお預かりしている商品について、自社車両を効率よく使用し即日配送の軽車両やバイク便よりもお安く提供できます。
- お客様からどうしても今日中に届けて欲しいと言われている
- 問題があって、すぐに在庫と交換しなければならない
- 昼前に注文が入ったけど、当日配送希望なんて
まずは、弊社の倉庫保管サービスや発送代行をご検討ください。
小口荷物共同配送
フジモト運輸グループの「小口荷物共同配送」は、複数の荷主の小量の荷物を低コストで配送するサービスです。荷物の量が少なすぎてトラックをチャーターできず、個別の運送が高額になる場合に対応します。同地域の荷主を組み合わせ、ルートを最適化し、積み合わせた荷物を効率よく運び、輸送費用を抑えます。
また、遠方エリアに対応するために協力会社と幹線便による双方向のやり取りを行い、広範な配送網を確立しています。イベント時などの荷物量増加時にはチャーター便に切り替える等、柔軟に対応します。また、時間帯の集荷や配達を調整するような配送を目指しています。このサービスは、定期的に少量の荷物を配送するお客様に適しています。
共同配送便
株式会社低温は、冷凍・冷蔵食品専門の物流会社です。
共同配送便サービスでは、奈良県内に広範囲にわたる50の配送コースと50台のトラックを持ち、低温小口配送の先駆けとして、県内から県外への配送も可能です。
また、温度管理やGPS管理を含む高度な管理体制と、社員教育への徹底した取り組みにより品質保持に努めています。さらに、1ケースからの小口配送や、専属便の対応も可能です。
まとめ
小口配送とは「少ない荷物を1つの配送先に配送すること」を指す反面、輸送効率などを考慮して複数配送先に向けた荷物を積載することが多いということがお分かりいただけたでしょうか。
大口配送は1つの配送先に大量の荷物を輸送するもの、対して小口配送は1日あたりの配送先が多くなります。
近年よりスピードが求められるようになったECをはじめとするBtoC事業の増加により、小口配送ニーズが増加しています。消費者ニーズに応えるためにも小口配送への対応を検討してみてはいかがでしょうか。