CRM・CRM物流とは

bcpとは

「顧客満足度を高めるためにどうしたら良いか」と悩んでいらっしゃる企業担当者様。

「顧客に寄り添ったビジネスを展開するため、自社の顧客管理体制を強化したい」
「今の顧客管理状況では十分とは言えないので改善したい」

といった課題を抱えた企業担当者様にこそ、正しく理解していただき効率的な顧客管理を実現していただくために重要なのが、今多くの企業が注目しているCRMです。

本記事では、CRMについての基本情報、CRMを効率的に実施するのに役立つCRMツールとその機能、CRMを実施するメリット・デメリットについて解説してまいります。

また物流業務上のCRMでより顧客に寄り添った業務提供を行っていくための情報もまとめました。

今後の時代を生き抜くために欠かせないCRMについて、正しく理解し効率的に実施するのに役立つ内容となっていますので、是非お目通しください。

CRMとは

CRMはCustomer Relationship Managementの略で、直訳では顧客関係管理となります。CRMとは顧客と自社の関係をマネジメントする手法を指すもの。

スピード感・お手ごろ感とシンプルなビジネスで席巻しているAmazon型ビジネスモデルがEC業界で注目される中、同様のビジネスではなく顧客に寄り添った接客を大切にしようとする企業に注目されているのがCRMです。

これまでマスメディアなどに代表されるように、「より多くの顧客のニーズに合致すること」を重視してきたマーケティングも、「それぞれの顧客のニーズに合致できるかどうか」を重視する傾向が高まり、ニッチなニーズにこそ勝機があると考える企業も増えてきました。

そうした企業にとってCRMは特に重要なマーケティングツールとなり、様々なニーズを拾い上げること、それぞれの顧客にあったマーケティング手法で接点を持つためにCRMを活用しているのです。

CRMを効率化・最適化するCRMツール

CRMツールには様々な機能が内包されたものが多く、単なる顧客情報管理ができるツールではありません。

顧客との円滑なリレーションシップの形成にも役立つアンケート機能・メールやLINEをはじめとするSNSの情報管理とマーケティング施策はもちろん、これまでの顧客の購買行動なども記録し分析することで今後の動きを予測しやすくする機能があるものもあります。

CRM以外では、営業支援ツールとして知られるSFA、マーケティング支援ツールのMAといったものを活用する企業も多いですが、CRMはそれらを総合的に内包しつつ、顧客との関係構築に活かしていくために役立てることができるもの。

効率的なマーケティングと営業成果向上も同時に行いつつ、顧客1人1人に最適なタイミングと方法でアプローチしていくことが可能となるのがCRMなのです。

CRM物流の重要性

物流においてもCRMの波は来ています。CRMにより顧客との関係性を可視化し、最適化・効率化しただけでは足りない部分を補っていくものこそ、CRM物流であるとも言えるのではないでしょうか。

物流はこれまで単なる必要業務・コストであるという捉え方がされてきましたが、これからは物流にもCRMを活用したCRM物流を提供することが重要と認識が改められてきているのです。

最適なタイミングで商品やサービスをアピールする、最適な方法でアプローチする、というだけでなく、必要なタイミングで顧客のニーズを拾い上げ物流にのせ、手元に届けるのがCRM物流です。

従来通りの物流業務ではきめ細やかな対応とは行かない部分もでてきますが、CRM物流では顧客体験(CX)を高めるため、また他のEC事業者との差別化を図るためにこそCRM物流が重要という見方がされるようになってきています。

物流の品質も含めて顧客に評価されるビジネスとして成立させること、特にECにおいてはCRM物流こそが肝といえる時代になったと言えるでしょう。

CRM物流を実施するメリット・デメリット

CRM物流により生まれるメリット・デメリットについて見ていきましょう。

CRM物流のメリット

CRM物流を実現することで得られるメリットは多くあります。

  1. ハロー効果(近接効果)でCXを向上させられる
  2. LVT最大化に繋がる
  3. 明細書や同梱物で顧客に「大切にされている」と感じてもらえる
  4. 顧客と効率的・最適なコミュニケーションの自動化が図れる
  5. 企業内で部門間の連携が図りやすい
  6. 顧客に商品やサービスの正しい理解を促せる
  7. 人件費の無駄を削減できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①ハロー効果(近接効果)でCXを向上させられる

ビジネスを成功させるために重要といわれるハロー効果で直接顧客と対面することのないECにおいても、CX向上に役立つのもCRM物流を実施するメリットでしょう。

CRMを行うことで、より手厚い対応をとり、顧客満足度を高める効果が得られます。

②LVT最大化に繋がる

顧客ごとの購買行動を記録・分析し、商品毎に適切な梱包を行いつつ販促物を同梱するなどしてCXを高められるCRM物流を実施することで、LVT最大化の効果も得られます。

「またここで購入しよう」という意識を持たれやすい物流を実現することで、リピーター獲得にも繋がりますからEC運営に欠かせないLVT向上という大きなメリットも得られるのです。

③明細書や同梱物で顧客に「大切にされている」と感じてもらえる

CRMツールによっては顧客1人1人に異なる明細書を作成したり、メッセージを同梱することも可能です。

こうしたCRMツールを活用することで、一人一人の顧客と対峙することのないECにおいても、「私を大切に扱ってくれている」という感覚を味わってもらうこともでき、顧客一人一人の満足度を大きく向上させることもできます。

④顧客と効率的・最適なコミュニケーションの自動化が図れる

マスマーケティングでなく、顧客一人一人との関係性を重要と考えるCRMの概念、従来通りのマーケティング手法ではかなりの労力・コストがかかってしまうため現実的とは言えなくなってしまいます。

ですがCRMツールを活用することで、効率的に最適化された顧客とのコミュニケーションを自動的に図ることができるようになります。

⑤企業内で部門間の連携が図りやすい

企業内でも部門ごとにそれぞれ求められる機能も異なるため、連携が不足していると感じられるケースは多いもの。

CRMという概念をビジネスに取り入れることで、それぞれに共通の目的を持って情報共有することになりますから、連携が向上します。

CRMツールを導入することで、部門間の連携も自然と図ることができ、業務最適化・効率化にも大きく貢献するでしょう。

⑥顧客に商品やサービスの正しい理解を促せる

CRMにより顧客との関係性を向上させるためには、顧客に正しく情報を伝えていくことも重要になります。

商品やサービスに対する正しい知識を得てもらうことで、顧客育成にも繋がるのです。

⑦人件費の無駄を削減できる

CRMツールを導入すると、これまで膨大な時間をかけていた顧客管理を効率化・最適化することができ、人件費も大幅に削減できるケースもあるでしょう。

人手を介して行っていると情報に偏りがでてしまったり、抜け漏れといったことも起こり得ます。またせっかく集めた顧客情報を活かしきれていないケースもあったかもしれません。

こうした無駄を省くことにもCRMツールを導入し、CRM物流を実現することでメリットが得られます。

CRM物流のデメリット

CRM物流を行うことにデメリットはない、と言ってしまうこともできますが、あえてデメリットについて言及すると、以下のように申し上げることもできるでしょう。

  • CRMツール導入の費用がかかる
  • 自社内にCRMの概念を浸透させることが難しい場合もある
  • CRMを活かし切れず従業員の負荷だけが上がってしまう場合もある

上記を見ていただくとわかるように、CRM物流を導入することでデメリットとなってしまうのは、費用面を別にすれば、「CRMをうまく活用できずにいる」という状況によるもの。

費用については、ツール導入費用がかかるものの、永年にわたり人件費をかけ手動で行う場合と比べれば、大幅削減に繋がるケースが多くなるでしょう。

社内でCRMを導入するにあたり、どのように運用すべきか、CRMにより分析した結果をどのように活かしていくか、その素地を整えることが重要です。

最適かつ効率的なCRM物流の実現に欠かせないCRMツールの機能

CRM物流を最適化・効率化してくれるCRMツールの機能についてご紹介します。CRMツールにより搭載される機能は違いもありますので、一般的な機能としてご確認ください。

  1. 顧客情報管理
  2. 顧客情報分析・解析
  3. 顧客とのコミュニケーションサポート

それぞれどのような機能かご紹介してまいります。

①顧客情報管理

CRMツールで行う主な機能とも言えるのが、顧客情報管理でしょう。

顧客情報を単に保管・蓄積するのはなく、細かな顧客情報を管理することができるのが、一般的な顧客管理との違いです。

  • 顧客の個人情報(SNS含む)
  • 購買履歴
  • キャンペーン履歴
  • サポート履歴
  • 営業履歴
  • アンケート回答内容

とかなり細かな情報を蓄積することができるのが一般的です。これによりしつこい営業を避け、顧客の購買履歴から次の購入時期を予測し効果的なアプローチを図ることができるのも特長といえるでしょう。

②顧客情報分析・解析

①でご紹介したように細かな情報を蓄積・管理できるCRMツール。単に保管するのではなく、購買傾向を分析しLTV解析、今後のLVT向上に向けた最適なアプローチを分析する、といったことも可能なのです。

リピーターとなってくれている顧客にに対し、好まれそうな商品・サービスをお知らせする、サンキューレターやサンプルの同梱なども検討しやすくなるでしょう。

③顧客とのコミュニケーションサポート

顧客へのアプローチだけでなく、顧客からのアプローチも重要なビジネスチャンス。

全ての顧客に同じメールを送信するのが最適とは言えなくなった今だからこそ、顧客の特性に合わせた最適なコミュニケーションを図ることが重要です。

CRMツールを活用することで、SNS連携も含めて時代にあったカスタマー対応が図れるようになります。

CRM物流導入による成功事例

顧客に「自分はこの企業に大切にされている」と感じてもらうことがより重要となった今、CRM物流を導入しどのように成功を納めるべきか、その参考となる事例についてもおきたいところ。

CRM物流という言葉から想定されないような、エンターテイメント分野において、CRM物流においてCXを向上させた事例もありますのでご紹介させてください。

とある有名アーティストのコンサートで行った例ですが、CX向上のため、参加したコンサートの音源を後日参加者に配送するというサービスを行ったそうです。

このアーティストのコンサートは全部で40会場で行いましたから、それぞれの音源を間違いないよう、参加者に配送するというのはかなり手間と労力を要するものでした。

膨大な会員情報から事前予約分・当日購入分・新規購入分のデータを連携させるだけでもかなりの苦労が予測されますよね。

この事例では、絶対にミスが許されないということからCRMツールを導入し、営業も現場も一丸となってチェックを行うなどし、無事参加者全員に間違いなく配送することができました。

CRMツールを導入しなかったとしたら、対応した人材も大幅に不足したでしょうし、作業時間も大幅に長くなっていたでしょう。

様々な情報を一元管理し、集めた情報を元に間違いなく配送する、まさにCRM物流のなせる業だったのではないでしょうか。

まとめ

CRM物流とはどういうものか、CRMとはどういうものかというところから解説させていただきました。

顧客満足度を高める、顧客1人1人に最適な物流を提供する、そのためにCRM物流が重要視される時代になったということもご理解頂けたのではないでしょうか。

従来の方法からCRM物流への切り替えは平坦とは言えない道のりが待っている部分もあります。

ですがメリットも大きく、今後よりニーズの拡大が予測される顧客に寄り添ったビジネスを成功させるにはCRM物流は必須となっていくことは言うまでもないでしょう。

今後の方針転換を模索する上でも、こちらでお伝えさせていただいた情報を役立てていただき、更なる活躍の後押しとなれば幸いです。

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この記事の著者について

MOTOMURA物流編集部

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物流の基本や改善ノウハウなど、物流担当者が知っておきたい様々な情報を配信している部署です。


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