物流倉庫に最適な棚選び完全ガイド!中古や安い倉庫棚の見つけ方も紹介

物流倉庫に最適な棚選び完全ガイド!

物流現場において様々なサイズや種類の商品を保管をする場合に重要になるのが棚です。物流倉庫で使用する棚を探す際、選び方を決めていないと適切なモデルを選ぶのに時間がかかることが珍しくありません。

棚は、スペースの有効活用だけでなく、作業や在庫管理などの効率にも関わる重要な設備です。そのため、値段だけで決めるとピッキングの手間や誤発送、在庫ミスなど無用なロスが起きやすくなる可能性があります。

この記事では、物流倉庫で使用する棚について以下の内容をわかりやすく解説します。

  • 棚を探す前に把握すること
  • 棚の種類
  • 最適な棚の選び方
  • 棚を安く調達する方法
  • 棚を設置してから注意するポイント

この記事を参考にすれば、棚の種類や中古品を使う際の注意点が把握できるようになります。

コスパの良い棚を選べるようになれば、倉庫スペースの有効利用やオペレーションの効率を今まで以上に引き上げることもできるようになるでしょう。

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物流倉庫の棚を探す前に把握すること3つ

物流倉庫で使う棚を探す前に、以下の3つのポイントを把握しておきましょう。

扱う物品(商品)の保管方法ダンボール・パレット積み・プラスチックコンテナなど
倉庫のスペース広さ・アンカー打ち込みの可否
予算棚1台あたりにいくらまでかけられるのか

これらを把握せずに棚を選ぶと、倉庫のレイアウトを決める時や、実際に業務を始める際に二度手間や余計なコストが発生する可能性があるからです。

特に、商品の保管に適さない棚を選ぶと、収納できる商品数が少なくなったり、不適切なレイアウトになって倉庫にムダなスペースができたりします。当然、ピッキング作業でボトルネックとなり、非効率なレイアウトで運用しないといけないかもしれません。

したがって、棚を探す前に扱う物品の保管方法、倉庫のスペース、予算の3つは把握しておきましょう。

物流倉庫で使用される棚の種類

物流倉庫で使用される棚は、基本2段以上から6段程度まであり、大きさや耐荷重によって中軽量棚、パレットラック(重量棚)、ネスティングラックに大きく分けられます。

棚の種類耐荷重
中軽量棚(スチールラック)スチールラック
  • 耐荷重は、1段あたり約150Kg〜200Kg
  • アパレル関係や、雑貨、小型家電などの小ぶりの商品や、軽い物の収納に適している
  • 組立、分解が容易、キャスターの取り付けで移動が可能
ネスティングラックネステナーラック
  • 耐荷重は1段あたり1000Kg
  • パレットに載せたまま保管が可能
  • ラックは2段〜4段積み重ねて利用が可能
パレットラックパレットラック
  • 耐荷重は1段あたり1000Kg以上
  • パレットに載せたまま保管が可能

それぞれの棚に適した活用シーン

中軽量棚、重量棚、ネスティングラックでは、構造やサイズ、段数、耐荷重の違いからそれぞれに適した活用シーンがあります。ここでは、それぞれに適したシーンを紹介します。

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中軽量棚(スチールラック)

コンパクトで使用スペースを取りにくい軽量棚は、雑貨やアパレル関係など比較的軽量なものの保管に最適です。

組み立てや分解も簡単に行えるスチールラック(スチール棚)を利用し、棚板の枚数の追加やダンボール箱ごとに仕切りを入れて保管します。使い勝手の良い構造で、棚の1段には約100 ~ 200kgほどの荷物が収納可能です。

保管する品物の量や、時期に合わせて棚の形状やレイアウトを柔軟に変更できて便利です。物流倉庫だけでなく事務所や工場、図書館でも広く使用されています。

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パレットラック

パレットラック(重量ラック)は、パレットに積まれた商品をパレット単位で収納するための棚で、1段あたりの耐荷重が1000kg以上あり、重いもの(液体、金属など)でも収納することができます。

パレットラックはフォークリフトを使って荷物を載せたパレットの取り出しや収納を前提としています。そのため、倉庫内にフォークリフトが走行するためのスペースが必要です。段を追加すれば、倉庫の上部スペースの空間を有効利用できるため、パレットをじか積みしている場合には、重量ラックの導入で収納量を増やせるでしょう。ただし、転倒防止で床にアンカーの打ち込みが望ましいため、基本的にはレイアウト変更をしない前提で設置しないといけません。したがって、フォークリフトでパレットごとに収納と保管をして、倉庫スペースを最大限に活用する際には重量ラックがおすすめです。

ネステナーによるパレット保管

ネスティングラック

ネスティングラック(ネステナー)は、前述した重量ラックよりもパレットで物品を収納するのに特化した棚です。

1段あたり最大1トンまで物品が収納でき、床や壁にボルトを使って固定しないため、レイアウト変更が自由にできます。単体で棚として機能しますが、2段、3段と組み上げて収納力を必要に応じてアップさせることができます。そのため、繁忙期と閑散期でレイアウト変更をする場合でも、収納量の追加や削減が容易にでき、柔軟性のある運用が可能です。また、賃貸の倉庫や工場で床に穴を開けられない場合に適しているといえるでしょう。

したがって、パレットを使って物品を保管し、柔軟な運用が求められている場合には、ネスティングラックが適しています。

物流倉庫に最適な棚の選び方3つのポイント

用途にあった棚の選び方を以下の3つのポイントで紹介します。

  1. パレット使用の有無
  2. 倉庫スペースとアンカーの打ち込み可否
  3. 棚のコスパ

それぞれ確認していきましょう。

1. パレット使用の有無

棚を選ぶ際には、パレットを使うかどうかで選択肢を絞れます。前述の重量ラックやネスティングラックは、パレットの使用が前提の棚です。そのため、保管する品物をパレットに載せたまま収納するなら、重量ラックやネスティングラックを選ぶことになるでしょう。

対して、ダンボールの状態で物品を収納するなら、スチールラックが適しています。まずはパレット使用の有無を確認し、そこから適切な棚選びを始めましょう。

2. 倉庫スペースとアンカーの打ち込み可否

棚を選ぶ際には、利用できるスペースの把握と、アンカー打ち込みの可否を確認しましょう。倉庫内のレイアウトをデザインできれば、おおよその棚のサイズや種類が絞れるはずです。しかし、適切な棚のサイズと種類が絞れても、床や壁にアンカーが打ち込めないと棚の選び直しになる可能性があります。

例えば、重量ラックを選びたいと思っても、賃貸の倉庫でアンカーを打ち込めないとなれば、選択肢に入れることができません。そのため、倉庫の使用条件を考慮したら、選択肢はネスティングラックだけだったという場合もあるでしょう。

倉庫のスペースから効率的なレイアウトを考えつつ、アンカーの打ち込み可否など諸条件を確認してから適切な棚を選ぶようにしてください。

3. 棚のコスパ

倉庫に使用する棚を選ぶ際には、安さだけを追求するのは避けましょう。安さを追求して、ホームセンターで販売されている一般家庭用の棚を業務用に利用するのはおすすめできません。特に、棚がアルミやプラスチック製の場合、スチール製(鉄)よりも耐荷重が低く、用途や耐久性に制限があります。

スチールラックと呼ばれる棚であっても、倉庫用の棚とは耐久性が異なり、重い荷物を収納するのに適さない場合も多いです。

倉庫用の棚は、定期的な保守やメンテナンスを実施すれば、10~20年は使用できる耐久性があります。その点を考慮して、目先の安さだけを最優先するのではなく、耐久性や材質も重視して棚を選ぶようにしてください。

棚を置くスペースの確保と計算の方法

保管効率を高めるために棚を設置するとなった場合、いったいどの位のスペースと、棚の数が必要になるかざっと計算してみましょう。

まず幅(間口)、奥行き、高さの3点から考える必要があります。

必要な棚数

例えば、自社で扱っている120サイズのダンボール箱が、幅1.8m、奥行き0.6m、高さ1.8mの4段の中軽棚に20ケース収まるとします。御社の在庫数が2,000ケースの場合、棚は100台必要となります。

在庫2,000ケース ÷ 棚1台20ケース = 100台

必要な面積

さらに棚1台の面積は1.8×0.6mなので、1.08㎡になり、100台で必要な面積は1.08×100=108㎡になります。

棚1台1.08㎡ × 100台 = 108㎡

108㎡を畳みに換算すると約65畳の広さが必要となります。

もちろんこれは棚だけの面積なので、実際の物流現場では、人や、台車が通る導線が確実に必要になり、棚の両側、もしくは片面に任意の隙間を計算に入れる必要があります。

倉庫棚を安く調達する方法

割安で倉庫用の棚を調達できる方法を2つ紹介します。

  • 安い中古棚の購入
  • アウトレットやセールの活用

もちろん、棚を安く調達することが全てではありません。棚の機能や使用方法を考慮すれば、新品を購入したほうが倉庫で運用するには、効率的である場合もあります。

そのため、棚を安く調達する際には、使いどころを考慮して選びましょう。

安い中古棚の購入

倉庫棚は、中古の業務機器や店舗用品を扱っている店で購入が可能です。

スチールラックの場合は、新品に比べて中古品は4~5割程度安く購入ができるため、コスト削減になるでしょう。ただし、品ごとに劣化具合が異なるため、品定めの手間がかかります。また、数に限りがあり、必要な数を揃えるのにも時間がかかるかもしれません。設置する際に、棚を連結して使用する場合、モデルの違いで連結ができずに用途が限定される場合もあります。

対して、最新モデルは必要な数を一気に揃えることができ、棚同士の連結やオプションパーツなどの組み合わせが容易に調達できます。

そのため、中古棚を調達する場合は、用途や場所、条件が限定されること、使い分けの工夫が必要になるでしょう。しかし、使い分けを上手にできるのであれば、割安で棚を調達できるためコスト削減になります。

アウトレットやセールの活用

物流倉庫や店舗用品を販売している会社が、型落ちの棚をアウトレットやセールで売り出すのを狙うという手もあります。

業務機器であっても、定期的に型式が変わり、新しいモデルとの入れ替えが行われます。その際には、廃盤モデルや在庫余りとなっている棚が割安で売り出されるため、狙い目といえるでしょう。

ただし、必要なときにセールをしているとは限らないため、日ごろから情報を集めて、タイミングをはかる必要があります。

倉庫に棚を設置してから注意する2つのポイント

倉庫に棚を設置して、業務で使用する際に注意するポイントを2つピックアップします。

  • 棚のメンテナンスと保守が必要
  • 劣化や故障の兆候を察知して事前対応

どちらも怠ると、業務上で大きな問題が起きる可能性があるため、確認しておいてください。

棚のメンテナンスと保守が必要

倉庫で使用する棚は定期的なメンテナンスと保守点検が必要です。高頻度で品物の出し入れをすると、棚板や支柱にキズやへこみができるからです。

塗装面にキズができると、水分が入り込んでサビの原因になり、放置すると構造的にもろくなり、事故になる可能性もあります。またキズやサビが目立ってくると見た目が悪くなるという問題もあるでしょう。そのため、定期的に塗料の塗り直しや修繕が必要です。したがって棚の機能維持と事故防止のためにメンテナンスと保守点検を行いましょう。

劣化や故障の兆候を察知して事前対応

棚の劣化や故障の兆候を見逃さないように、柱やレールの曲がりやへこみの有無を日常的に確認しましょう。わずかな曲がりやへこみが原因で耐久性が低下する場合があるからです。重量ラックやネスティングラックの場合、フォークリフトで取り出しをするため、擦り傷やへこみが付きやすく、注意しないといけません。特に、フォークリフトのバックレストやフォークによって、棚の自重を支える柱に曲がりができた場合は倒壊に発展する危険性があります。また、ぶつかった衝撃やサビで溶接部分が外れてしまった場合は、早急に棚の入れ替えが必要です。そのため、棚のキズや柱の歪みなどを日常的に確認し、劣化具合や破損個所を把握して、事故が起きる前に事前対応をしましょう。

物流倉庫に設置する棚選びは物品の収納方法から選ぶと効率的

物流現場における棚とは、取り扱う商品の大きさ、重さ、数量によって、それぞれに適したサイズがあり、中軽量棚(スチールラック)、パレットラック、ネスティングラックと使い分ける事が保管効率を高める上で重量になってきます。

ECの普及により、個人向けに少量・高頻度の配送が増え、小さく軽い商品をバラで保管する場合が多くなっています。そのため、スチールラックのニーズが高まり、中古でも入手がしやすいでしょう。

しかし、前述したように定期的なメンテナンスが必要です。したがって、適切な棚を選んでも買いっぱなしにはせず、日常的な点検作業が必要となり、手間がかかります。メンテナンスの手間も考えて棚選びに迷う場合は、アウトソーシングも有効な選択肢です。

物流倉庫に物品の保管を依頼すれば、紹介したような棚選びやメンテナンスを任せることができ、ご自身の集中したい業務に時間を割くことができるでしょう。

株式会社MOTOMURAは、お客様の商品特性に合わせ、棚の選定から一番保管効率が良い方法まで算出致します。物流管理を一任すれば、棚の選定から、保管方法まで全て委託できるので、企業は自社の主幹業務に専念することができるでしょう。

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物流の基本や改善ノウハウなど、物流担当者が知っておきたい様々な情報を配信している部署です。


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