これから求められるBtoB物流とは|BtoC物流との配送の違いや市場規模と課題について

在庫管理アウトソーシング

EC市場の拡大により、BtoBやBtoCで区分けされていたビジネスの境界線がなくなりつつあります。その裏方というべき物流も同様です。

この記事では、従来のBtoB物流の概要やBtoCとの違い、EC化した市場規模、これから求められる物流について紹介します。

EC化の普及と拡大で、求められる物流の在り方が変わってきています。以前は、法人向け、個人向けと呼ばれ、製品やサービスのすみ分けもできていました。

これからは両方に対応できる「ハイブリッド型の物流」を検討する時期に来ているといえるでしょう。

今後の物流業務を考える上で参考になるため、ぜひ最後まで読み進めてください。

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BtoB物流(配送)とは?

取引がまとまっても、実際に届ける商品の管理や発送を行うのは物流です。
この章では、企業間における物流について紹介します。

  • BtoB物流(配送)とは企業間での物品のやりとり
  • これからのBtoB物流

それぞれ詳しく見ていきましょう。

BtoB物流(配送)とは企業間での物品のやりとり

BtoB物流(配送)とは、企業間で取引された物品を在庫や出荷、配送を行う業務を指します。

企業同士の取引となるため、納品先が以下のような場合が多いです。

  • 卸売業
  • 小売店
  • 百貨店
  • 直営店

他にも、食品の原材料や機械の部品などを特定の倉庫や製造現場に納品することも含まれます。

したがって、原材料の調達や製造、販売に至る前の「サプライチェーン」に関わる分野がBtoB物流といえるでしょう。

これからのBtoB物流

これからのBtoB物流は、BtoC物流も兼用できる体制が必要になります。
主な理由はEC(電子商取引)化による影響です。

ECというと、一般消費者がオンラインで商品を売り買いする仕組みと捉えられる場合があります。

しかし、BtoB取引のほうがEC化が普及しています。(詳しくは後述)

これにより、企業がオンライン上で取引を容易に行えるようになりました。

同時に、サプライチェーンの透明性と追跡性が向上し、AI活用で需要予測や在庫管理が高度化されています。

そのため、柔軟かつ迅速な対応が求められるようになり、そのなかの1つにBtoC取引への対応が含まれています。

つまり、BtoBとBtoCの境界線があいまいになりつつあるということです。

また、企業のほうでもどちらか一方ではなく、両方(BtoBとBtoC)でビジネスを展開していくケースが増えています。

そのため、両方に対応できる「ハイブリット物流」と呼ぶような体制が必要になってきています。

EC化したBtoBとBtoCの市場規模と割合

BtoBとBtoCでは、前者の企業間取引のほうが市場規模が大きく、経済産業省が公開している数値では約19倍の違いがあります。

同省では、EC(電子商取引)に関する市場調査を行っており、2024年9月25日の数値を抜粋すると以下の通りです。

BtoB-EC
(企業間電子商取引)
BtoC-EC
(消費者向け電子商取引)
市場規模
(2023年)
465.2兆円
前年比10.7%増
24.8兆円前年比9.23%増
EC化率(2023年)40.0%
前年比2.5ポイント増
9.38%
前年比0.25ポイント増

引用元:令和5年度電子商取引に関する市場調査

以上のように、BtoB取引のほうが市場規模が大きく、EC化の普及も進んでいます。今後もEC化が進み、オンラインによるBtoB取引が当たり前になっていくはずです。

また、オンライン上で在庫の一元管理ができる「見える化」や、追跡、納品日の確認などが一層重要になるでしょう。

BtoB物流の特徴3選

ここからはBtoB物流の特徴を3つ紹介します。

  • 大量出荷が基本
  • 商品保管に高積みできる倉庫が必要
  • 納品先のルールを順守

企業間での力関係もあるため、トラブル発生や要求に応えられない場合、取引停止に追い込まれます。

そのため、BtoB物流は納品先の要望を叶える高い物流品質が求められます。

大量出荷が基本

納品先1件あたりの出荷数量が多く、数万個を1回で届ける場合もあります。

配送に使う車両も小型トラックではなく、中型トラック(4tトラック)や大型トラック(10tトラック)が必要です。

保管や積み込みはパレット積みが多くなり、必然的にフォークリフトによる作業となるでしょう。つまり、大量在庫を迅速に出荷できる体制が必要です。

商品保管に高積みできる物流倉庫が必要

前述した大量出荷に関連して、在庫を十分に保管できる物流倉庫が必要です。
具体的には、ネスティングラックやパレットラックで高積みができる倉庫が適しています。

2つのラックは、パレット単位で商品を保管する際に使用する設備です。

それぞれのラックの概要は以下のとおり。

  • ネスティングラック:2段、3段と積み重ねて使用できるパレット収納専用の棚
  • パレットラック:パレットに商品を載せた状態で収納できる大型の棚

パレット単位で保管するため、商品の出し入れにはフォークリフトが必須となります。物流業務を外部委託する際には、大量在庫を保管できる十分なスペースがあるか確認をしましょう。

納品先のルールを順守

BtoB物流では、納品先ごとに独自ルールがあり、適合してないと納品ができない場合があります。

ルールは様々であり、専用伝票や段ボールの大きさなどの梱包資材に関するもの、ステッカーの貼り付ける位置を細かく指定される場合も珍しくありません。僅かなラベルのズレや歪み、箱のへこみが理由で納品を拒否されることもあるそうです。

他にも、誤出荷や異物混入、輸送中の破損に対して厳しく責任追及がされます。

取引相手が大手であれば、リアルタイムの在庫情報や現在位置の追跡のため、指定された物流システムの導入が求められたりします。

新しく参入する場合は、取引先のルールを順守できるオペレーションや体制の構築が最初の課題となるでしょう。

BtoC物流の特徴3選

ここからはBtoC物流の特徴を紹介します。

  • 一件ごとの出荷数量が少なく受注件数が多い
  • 多品種小ロットで商品を用意する
  • 個別対応が求められる

企業と消費者の間で行われる取引がBtoC物流であり、ECサイトでのオンラインショッピングがわかりやすい例といえるでしょう。消費者に商品を届けるため、細かなニーズが多い物流といえます。

一件ごとの出荷数量が少なく受注件数が多い

取引先が一般消費者であるため、一回の注文する商品数が1点~3点ほどと品数が少ない傾向にあります。当然、BtoB物流に比べて単価は低いです。

一方で、一日の受注件数は多くなります。出荷数量が少なく受注件数が多いため、倉庫内でのピッキングに時間がかかり、作業担当者の負担が大きくなります。また、梱包に使用する段ボールや緩衝材などの資材も十分に用意しないといけません。

そのため、作業者の負担を軽減するオペレーションやシフトを作成し、効率的な作業環境が必要になるでしょう。

つまり、BtoC物流は低単価で大量の件数をこなすという薄利多売のような状況になるため、1件の注文を正確に早く処理するための現場での改善が重要です。

多品種小ロットで商品を用意する

消費者のニーズに対応するためには、商品を多品種小ロット(商品種類が多く、それぞれの在庫量が少ない)で保管することになるでしょう。

物流倉庫では多量の商品を保管するため、ロケーションが複雑になります。
類似商品も増えるため、商品を集めてくるピッキングミスのリスクが高まります。

取引相手が一般消費者であるため、出荷予測が難しいのも難点です。一方で、SNSで拡散され、注目が集まって1日で注文が殺到するケースも珍しくありません。

したがって、広く浅く商品を揃えつつ、在庫切れを起こさないようにリアルタイムで在庫が把握できるシステムが必要です。

個別対応が求められる

消費者ごとの個別ニーズに応えられる体制がBtoC物流では求められます。
個別ニーズの例をあげると以下のとおり。

  • 当日出荷
  • ラッピング
  • メッセージカードの同梱

このように個別の事情に合わせたサービスです。荷主がECモール(Amazonや楽天市場)に出店している場合、提供しているサービスでレビュー評価が変わり、ショップの売り上げに影響が出てきます。

そのため、BtoC物流では、商品を扱っている事業者だけでなく、保管や発送を担当している物流企業も個別ニーズへの対応が求められます。

今後求められるBtoB物流の課題

今後求められるBtoB物流の課題は、BtoCにも対応できる現場と在庫管理になるはずです。

しかし、BtoB物流は、大量の在庫を取引先の独自ルールで納品し、BtoCでは当日出荷やラッピングなど小回りの利く現場力がないといけません。

このように異なるのは、そもそもが違う物流だからです。

簡単に対応するならBtoBとBtoC用にそれぞれ在庫を預ける物流倉庫を分けることでしょう。ただし、複数の倉庫や物流拠点にある在庫を一元管理できるシステムが必要になります。もしくは、両方に対応できる物流倉庫を探し、委託したほうが合理的な場合もあるでしょう。

つまり、今まで以上に柔軟な体制と一元管理ができるシステムが物流業務を行う際に求められます。

BtoBとBtoCの配送に対応した物流倉庫が必要:まとめ

これからは、BtoBとBtoCの境界線がなくなっていき、両方に対応できる体制が求められてくると予想されます。EC化による市場の拡大と、コロナ禍以降の消費者の行動変化が主な理由です。

BtoBを専門としていた企業がECサイトを活用してBtoCに参入するケースも増えていくでしょう。また、自社で製造・企画した商品を自社サイトで直接消費者に販売するDtoCも拡大していきます。

そうなると、物流業務もBtoBとBtoCという枠組みに捉われない在庫管理やオペレーションで対応しないといけません。

したがって、両方に対応できる「ハイブリッドな物流」が標準となっていく可能性が高いです。

また、外部の物流倉庫に商品を預ける場合にも条件となるかもしれません。

当社は、一般消費者への発送と、卸や店舗への配送に対応している物流倉庫です。

BtoB物流のノウハウをBtoCのオペレーションに活かし、その反対にBtoC物流での教訓をBtoB物流に活用しています。

消費者向けのECサイトだけでなく。卸販売、店舗向けなど納品先に合わせて柔軟な対応をが可能です。

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この記事の著者について

MOTOMURA物流編集部

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物流の基本や改善ノウハウなど、物流担当者が知っておきたい様々な情報を配信している部署です。


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