楽天では2024年7月1日から配送認定制度が開始され、一定の基準をクリアしたショップには配送認定ラベル「Rakuten最強配送」が付与されます。このRakuten最強配送は、楽天市場の検索順位に影響を与え、ユーザーに高い利便性を提供する仕組みです。
そのため、Rakuten最強配送が付与されたショップは、楽天市場内で運営とユーザーの両方から優遇されるでしょう。ただし、配送認定ラベルをショップが獲得するには、業務の効率化と遂行能力の向上が必要です。
この記事では、配送認定ラベルの付与条件やメリットなどの概要を以下のように紹介します。
- 配送認定ラベル「Rakuten最強配送」とは
- 獲得条件
- メリット
- デメリット
- 配送認定ラベルの獲得後の注意点
この記事の内容を参考にすることで、Rakuten最強配送を獲得するべきか判断ができるようになるでしょう。Rakuten最強配送は必ず獲得しなければならないものではありません。しかし、取得すると決めた場合は、十分な準備と計算が必要になります。ぜひ最後まで読み進めてください。
倉庫・物流業務を委託したい方へ
目次
配送認定ラベル「Rakuten最強配送」とは「あす楽」の新仕様
配送認定ラベル「Rakuten最強配送」は、「あす楽」の新しい仕様として導入されたサービスです。
2024年7月1日から、基準を満たすショップには「最強配送」のラベルが検索画面と商品ページに表示され、検索順位も上がるため、ユーザーに認知されやすくなります。また、商品を翌日、翌々日に受け取ることができるため、利便性の高さをアピールすることも可能です。
当初は「配送認定ラベル」と呼称されていましたが、正式には「Rakuten最強配送」となっています。
Rakuten最強配送の獲得には基準が複数あり、その中でもショップ側は土日祝日を問わない迅速な出荷体制の構築が求められるでしょう。したがって、Rakuten最強配送の獲得には、今まで以上の利便性をユーザーに提供するため、業務の効率化が必要になります。
楽天の配送認定ラベルの獲得条件3つ
配送認定ラベル「Rakuten最強配送」の獲得条件は2つですが、前提条件もあるため、この章では合わせて3つ紹介します。
- 店舗基準(4項目)
- 商品基準(2項目)
- 前提条件(楽天SKUとお届け日表示への対応)
店舗基準と商品基準の両方を満たすことで、Rakuten最強配送が付与されます。
3つ目の前提条件は、未対応のショップ向けの内容なので、対応済みかどうかを一度確認しておきましょう。
店舗基準(4項目)
まず、ショップ側がクリアしないといけない店舗基準は以下の4つです。
- 納期順守率 : 96%以上
- 6日以内のお届け比率: 80%以上
- 出荷件数: 100件/月以上
- 共通の送料込みライン(送料無料ライン・39ショップ)への対応
なお、2つ目の条件は、商品の性質上6日以内の配送が難しい場合に、この基準から除外できる緩和措置があります
ただし、楽天内のショップと楽天スーパーロジスティクスを連携させており、受注後に出荷指示データをリアルタイムで確認できる場合のみと条件付きです。
Rakuten最強配送の獲得を目指すショップは、これら4つの基準をすべてクリアする必要があります。
商品基準(2項目)
店舗基準に加えて、取り扱う商品にも次の2つの基準があります。
- 午前の注文 : 365日「翌日お届け」指定可
- 午後の注文 : 365日「翌々日お届け」指定可
※休業設定日は、年末年始(12/31 ~ 1/3)と月1回のみ
※土日祝日の通常注文の締め切り時間は午前9時に短縮可能
これらの基準を満たすには、ほぼ年中無休の発送体制が必要です。
特に、休業日が年末年始を除いて月1回のみと限定されているため、自社倉庫から出荷対応をしている場合は、シフト制の導入が求められます。
したがって、店舗基準とあわせて、商品基準を満たすためには、物流業務の自動化が必要です。または、物流業務の外部委託を検討することをおすすめします。
前提条件:楽天SKUとお届け日表示への対応が必要
前述した店舗基準と商品基準の条件を満たす前に、楽天SKUとお届け日表示への対応が必要です。
楽天SKUとは、商品ページ上で複数の商品(サイズ違い・色違いの同一商品)を紐づける機能です。この機能により、複数の同一商品が1つの商品ページにまとまるため、ユーザーは比較検討しやすくなります。
Amazonでは、すでに導入されている仕組みであり、楽天でも2023年4月から移行が始まっています。その次のお届け日表示は、検索画面と商品ページに最短指定可能日を表示する機能です。ユーザーは検索画面や商品ページ上から最短の配送日を簡単に確認できます。設定方法は、SKUごとに発送元の住所、出荷までのリードタイムを登録することで対応できます。
これら2点が配送認定ラベルの獲得の前提条件となっているため、未対応の場合は先に楽天SKUとお届け日表示に対応しましょう。
楽天市場における配送認定ラベル「Rakuten最強配送」のメリット
配送認定ラベルのメリットを3つ紹介します。
- 楽天市場で商品が検索上位に表示されやすくなる
- 売り上げを伸ばしやすい
- ショップの差別化につながる
それぞれ確認していきましょう。
商品が検索上位に表示されやすくなる
配送認定ラベル「Rakuten最強配送」が付与されると、楽天市場での検索画面で上位に表示されやすくなります。
ユーザーからも検索画面上で配送認定ラベルの有無が確認できるため、Rakuten最強配送が付与されていない競合よりも選ばれやすくなるでしょう。
さらに、ユーザーは以下の2点を判断しやすくなります。
- どのショップなら商品がすぐに届くのか
- 今から注文してどのくらいで商品が届くのか
このようにRakuten最強配送が付与されると、検索順位が上がりユーザーに見つけてもらいやすいだけでなく、スピーディな発送ができるとアピールできます。
その結果、楽天市場内での競争で有利になるでしょう。
売り上げが伸ばしやすい
「Rakuten最強配送」の取得は、ユーザーの利便性向上だけでなく、ショップの売り上げも伸ばしやすくなります。前述した店舗基準を満たしているため、39ショップに対応しており、まとめた注文の合計金額が3,980円以上(税込み)になれば送料無料です。ユーザーにとっては、商品を早く受け取れるだけでなく、送料を節約できるメリットがあります。
つまり、Rakuten最強配送を取得したショップでは、まとまった注文が入りやすくなり、売り上げを伸ばす機会が増えるでしょう。
ショップの差別化につながる
検索画面で「Rakuten最強配送」のラベルが表示されることで、競合との差別化が図れます。
特に、早く商品を受け取りたいユーザーにとっては、Rakuten最強配送のラベルの有無が購入の決め手になるかもしれません。また、利便性が高いことから高評価のレビューの増加や、リピーターの獲得も期待できます。
つまり、Rakuten最強配送のラベルを獲得することで、同様の商品を扱う競合と比べられた時に、利便性で差別化ができるでしょう。
楽天市場における配送認定ラベル「Rakuten最強配送」のデメリット
配送認定ラベル「Rakuten最強配送」を獲得する際のデメリットは以下の3点です。
- 店舗基準と商品基準を維持しないといけない
- 一元管理ソフトの導入が求められる
- 年中無休の発送体制が必要になる
事業規模や業務効率化が十分でないと、3つのデメリットへの対応に苦慮するかもしれません。それぞれ確認していきましょう。
店舗基準と商品基準を継続して満たさないといけない
Rakuten最強配送は、一度獲得してからも、店舗基準と商品基準の両方を達成し続けないと、翌月にはラベルが外れてしまいます。
そのため、一度ラベルを取得したら、前述の基準をクリアし続けないといけません。月間の出荷件数や納期順守率に注意を払い、基準を下回ってしまった場合は対策を講じないといけなくなるでしょう。
もちろん、ショップによってボトルネックとなる課題が異なりますが、これまで以上に発送業務や販促活動に注力が必要です。
また、基準を満たすために、外部委託の利用や人員を雇用するとなるとコストも増えます。したがって、店舗基準と商品基準を安定して満たせるようになるまでは、ショップ全体に大きな負担がかかるでしょう。
一元管理ソフトの導入が求められる
Rakuten最強配送を獲得し、維持するには、迅速な発送体制が必要不可欠であり、休業日であっても注文を自動処理できる一元管理システム(受注管理ソフト)の導入が求められるでしょう。
一元管理システムとは、注文受付や受注管理、出荷管理を一括して管理するためのソフトです。楽天では、休業日や土日祝日に受注処理が可能な体制を作るため、管理ソフト「BOSS」を提供しており、Rakuten最強配送の獲得を支援しています。この管理ソフトでは、以下の業務を自動化できます。
- 注文確認
- サンクスメール送信
- 発送完了メール送信
- 報告
もちろん、手作業での対応も可能ですが、その場合は労力がかかり効率的な業務遂行が難しくなるでしょう。したがって、円滑な業務遂行のためには、一元管理システムが必要です。
年中無休の発送体制が必要になる
配送認定ラベルの基準を満たすには、土日祝日の出荷が必須となるため、年中無休の発送体制が求められるでしょう。
自社で対応する場合は、人員の追加によるコスト増が考えられます。対応が難しい場合は、物流業務の外部委託も選択肢として検討しないといけません。
楽天では、物流業務を委託できる楽天スーパーロジスティクスを提供して商品発送の支援を行っており、配送認定ラベルの獲得がしやすくなる仕組みがあります。
つまり、発送体制の強化のために自社対応と外部委託、どちらを選ぶにしても今より負担が増すでしょう。
楽天の配送認定ラベルを取得するうえでの注意点2つ
Rakuten最強配送を獲得する前に知っておくべき注意点を2つ紹介します。
- 商品の価格変更が必要になる
- ラベルを獲得する商品を選ぶ
紹介する2つの内容を把握してから、ラベルを獲得するか判断するのがおすすめです。それぞれ確認していきましょう。
ラベルを獲得する商品を選ぶ
Rakuten最強配送の獲得に取り組む際には、どの商品にラベルを付与するかを選ぶ必要があります。
ラベルは商品ごとに付与されるため、ショップで取り扱っている商品すべてにラベルを付与する場合は大変な労力と資金が必要となり、利益確保が難しくなる可能性があります。
また、ラベルの獲得と維持には、店舗基準と商品基準の両方を満たし続けないといけません。そのため、ラベル獲得を目指す初期段階では、確実に翌日、翌々日に配送のできる商品で、購入されやすいものを選ぶことが重要です。
もちろん、すべての商品を楽天スーパーロジスティクスの倉庫に預けている場合は、この問題は起きないでしょう。しかし、これからラベル獲得に取り組む場合は、どの商品を優先するか判断が求められます。
商品の価格変更が必要になる
最強配送ラベルを獲得するために、一元管理システムの導入と楽天スーパーロジスティクスを利用する場合、販売価格の見直しをしましょう。
システムの使用料と楽天スーパーロジスティクスの保管料、作業料でコストが増えるからです。コストが増えて儲けが少なくなり、利益確保のために数を売る必要がある場合は、商品の値上げを検討する必要があります。
また、現在の販売価格に追加費用を上乗せした結果、売り上げが見込めない金額になる場合は、最強配送ラベルの獲得を再検討したほうが良いかもしれません。
したがって、最強配送ラベルの獲得に動き出す前に、追加費用の計算と価格変更のシミュレーションをしておきましょう。
楽天の配送認定ラベルの獲得には業務効率化が必要:まとめ
配送認定ラベル「Rakuten最強配送」は、ユーザーに高い利便性を提供し、楽天市場における差別化と競争力の向上につながるでしょう。
しかし、最強配送ラベルの獲得には、物流業務の効率化が求められます。特に、前述した商品基準である365日いつでも翌日・翌々日の配送を可能にするのは、自社対応だけでは負担が大きいかもしれません。
そこで、発送業務を外部委託することを検討してみてはいかかでしょうか。当社では、発送業務の委託を請け負っており、365日発送に対応しています。また、関東圏に複数の物流拠点を構えているため、迅速な配送も可能です。
今後、Rakuten最強配送の獲得を検討される事業者様は、お気軽にご相談ください。