FSC認証とは【梱包資材・緩衝材とFSC認証】

森林保護

FSC認証とは、「森林の管理が環境・地域社会に配慮されているかを評価し、認証された森林からの生産品を認証する制度」のことです。

1993年に発足した国際的な認証制度で、FSC認証を受けた製品には、FSCマークを付けることができます。

外部リンク:FSCジャパン(日本森林管理協議会)

SDGsという言葉が広く知られるようになり、物流業界においてもSDGsに関する取り組みが強化され、それに伴い「FSC認証の有無」が注目されるようになりました。

FSC認証はどのように取得できるのか、どのようなメリットがあるのかを解説します。決して簡単ではないFSC認証製品の製造・販売に携わることのメリット、そして競合他社に勝つための大きな切り札について、ぜひご覧ください。

FSC認証と物流業界について

FSC認証は、Forest Stewardship Council®(森林管理協議会)によって評価・認証されています。Forest Stewardship Council®(森林管理協議会)は、責任ある森林管理を世界的に普及させることを最大の目的として活動している国際的な非営利団体で、環境団体・林業者のほかに木材取引企業・先住民団体・地域林業組合により構成されます。

FSC認証は環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組みです。

– FSC認証について

物流業界におけるSDGsの一環として、資源の無駄遣いを防ぐために、このFSC認証の包装・緩衝材を選択・使用することが注目されるようになってきました。企業だけでなく、商品を購入する消費者にもSDGsへの取り組みが求められるようになり、FSC認証材を使用して商品を納入するサプライヤーが選ばれやすくなっています。

FSC認証の包装・緩衝材を選択・使用することで、企業は「環境破壊問題に貢献する企業」「森林を適切に管理する林業企業や地域を支援する企業」というイメージアップのメリットが得られます。

関連記事:緩衝材はどれを使えばいいのか解説します。

FSC認証を受ける基準

物流業界において、適切な形で商品を消費者に届けるためには、資材の耐久性能なども重要です。未来の地球環境への寄与は重要な観点ではありますが、どのような基準でFSC認証が受けられるのかも気になるところでしょう。

FSC認証を付与されるには、「10の原則と70の基準」が定められています。

この「10の原則と70の基準」を取り決めるにあたっては、「森を守る」だけでなく、「地域社会の文化や関係性」「先住民と労働者の権利」も守られるべきであり、という視点のもと様々な取り決めがされている点もポイントです。以下が10の原則です。

  • 合法性
  • 労働者の権利
  • 先住民族の権利
  • 地域社会との関係
  • 森林からの便益
  • 環境
  • 管理計画
  • モニタリング
  • 高い保護価値(HCV)
  • 管理活動の実施

上記の原則に従い、各国の状況にあわせて細かな指標が策定されており、審査を行い全ての基準について大きな問題がないと認められて初めて認証を受けられます。

日本においては「FSCジャパン」が事務局として取りまとめていますが、公平・公正性を保つためFSC認証の審査はASIが認定する第三者機関にって審査が行われることも定められてます。

FSC認証製品の製造販売には流通・加工・製造ラインも認証を受けた事業者であることが必要

梱包資材として欠かせない段ボールは、紙が原料です。

紙の原料は「木」ですから、この原料となる木がFSC認証を受けた森であれば、FSC認証製品として段ボールを流通させることができるか、というと話はそう単純ではありません。

原料である木が生産されているのがFSC認証を受けた森林(FM認証を受けた森林)であること、そしてその原料を使い製造・加工・流通(小売は除く)に関わる全ての事業者が「FM認証を受けた森の生産物を適切に管理し加工流通している」ことを示すCoC認証をうけてはじめて、FSC認証製品として世に出すことができるのです。

» CoC認証とは

FSCマークにはFSC認証原料の使用量も明記される

FSCマークには、メビウスループマークというものが左上に表示されています。

このメビウスループマークの下部に表示される数値は、リサイクル材料をどの程度使っているかが記載されることとなります。

またメインイラストであるFSCロゴの下に「100%・MIX・RECYCLED」の文字列のいずれかが記載されますが、それぞれの意味は以下です。

  • 100%:FM認証林からの原材料100%の製品
  • MIX:FM認証林の原材料とFSC管理木材・的確なリサイクル木質繊維が混在する製品
  • RECYCLED:リサイクル木質繊維のみの製品

このように製品の原料に細部まで管理されていることも、FSC認証により得られる信頼度なのだと捉えることもできます。

FSC認証取得事業者はFSCジャパンホームページに掲載される

FSC認証を受けた(=CoC認証取得済み)日本国内の事業者は、FSCジャパンのホームページにライセンス番号・認証取得名・認証取得日が掲載されます。

FSCマークの最下部に記載された数字は、認証取得者ごとに付与されるライセンス番号です。

全ての資材がFSC認証を受けないと認証が受けれないものではない

「全ての資材をFSCの認証基準にあわせるのはさすがに無理だから、認証を受けるのは諦めるしかないか…」とお考えになる方もいらっしゃるかも知れません。

持続可能な対策をしていこう、という意識はあっても全ての製品に対してFSC認証を取得しようとすると難しい場合も多いでしょう。

上記のような場合であっても認証を諦める必要はありません。

FSC認証は製品ごとに認証を受けるものですので、一部の製品だけでもFSC認証を取得することはできます。

FSC認証を受けるには厳正な管理体制と年間ライセンス料が必要

年間ライセンス料は、企業や内容によって異なる為、FSCジャパンへ問い合わせをして金額を確認できます。

年間ライセンス料は厳正な管理体制が求められるFSC製品を製造している、ということを認証してもらうための費用ということでしょう。

企業イメージに大きく貢献するであろうFSCマークを製品につけるためには、厳しい基準に合格することが必須で、製造工程などを含め通常よりリードタイムが長くなってしまう懸念はあります。

まとめ

物流業に欠かせない梱包材・緩衝材。

環境に配慮した素材が使われていることを示すFSC認証は、私たちの生活や未来の世代の命を守るために進められているSDGsの一部でもあります。

大手企業との取引ではSDGsへの対応を求められることも珍しくなく、競合に勝つためにFSC認証製品を取り入れ、製造・販売したいと考える企業も多いのではないでしょうか。

今回お伝えしたように、FSC認証製品として製造・販売するためには、原材料だけでなく、製造・加工・流通の全工程でCoC認証を取得し、初めて製造した製品にFSCマークを貼付することができるようになります。

簡単なことではありませんが、将来的に必ず地球環境に貢献し、企業活動にも良いイメージを与えるFSC認証の取得を検討されてはいかがでしょうか。


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