EC販売では、送料を抑えることで大きく2つのメリットがあります。
一つは、物流コストが下げられること。もう一つは、「送料無料!」と表示するなどしてお得感をアピールし、お客様の購買意欲をかき立てることができる、という点です。
いずれにしても送料を安くできれば競争力がアップするのは間違いないため、可能な限り手を尽くして、1円でも安くしたいものです。
そこで今回は、近年、高騰する傾向にある送料を安く抑える5つのコツについて解説します。
目次
送料が高騰している3つの理由
EC販売に限らず、通販においても昔から送料を抑えることは、大きなビジネス課題の一つでした。送料が安くできれば、経費削減はもちろん、お客様からの評価も確実にアップするからです。
ところが近年では、やむを得ない事情によって送料が高騰しているため、ECにおいても送料無料の撤廃や送料アップをユーザーに強いらざるを得ない例が、増えています。よって、何らかの方法を講じて、少しでも送料を安く抑える意義は、非常に大きいといえるでしょう。
そこでまず、送料がなぜ高騰しているのか、その理由について解説します。
宅配需要の激増
国土交通省の統計によると、令和3年の国内宅配便取扱件数は、49億5323万個、メール便については、42億8714冊にのぼります。その99%以上は、トラック運送によるものです。両者を合わせると、90億件を突破し、実に国民全員が約80回近くも利用している計算になります。
これだけの宅配需要に対して、運送会社や倉庫業者は、倉庫の増設、設備の増強、また車両数を増やすなどして対応するほかなく、その経費をまかなうために、ある程度は送料に転嫁せざるを得ないのです。
ドライバーの人件費が高騰
宅配便もメール便もその大半はトラック運送に依存しているのが、現状です。にもかかわらず、トラックドライバーは高齢化が激しく、若者からは敬遠されがちなため、その数は目減りする一方です。
国土交通省のデータによると、トラックドライバーの令和3年4月の有効求人倍率は「1.88倍」で、全産業平均の2倍をマークしています。つまりポストはあっても圧倒的にドライバーの成り手が足りない状況のため、自ずとドライバーの人件費が上昇します。これによって、配送料も上げざるを得なくなるわけです。
燃料費が高騰
新型コロナウイルスの世界的流行やロシアによるウクライナ侵攻などにより、サプライチェーンの混乱が相次いでいることから、目に見えて原油をはじめとする資源の輸入額が高騰しています。これによりトラックの燃料コストも急上昇しているため、送料に価格転嫁せざるを得ない面が、強くあります。
送料を抑えるコツ5選
それではここから、送料を抑えるコツを5つ紹介しましょう。
梱包方法を見直す
まず、すぐにでも取り掛かれるのが、梱包方法の見直しです。
送料はおもに、大きさと重さで決まります。よって、商品に対して、ダンボールなどのサイズが大きすぎる場合は、損をしている可能性があります。ただ、小さすぎても商品が圧迫されたり、クッション材が少なくて破損の原因になったりすることも考えられます。よって限度はありますが、極力梱包資材を小さくし、緩衝材も最小限にできるように努めましょう。
細かい話になりますが、ダンボールをサイズダウンし、緩衝材の消費量も減れば、それだけコストを下げることができます。長い目で見ると、その差は大きいといえるでしょう。
商品代金に上乗せする
業界事情やショップの都合によって賛否両論あるかもしれませんが、送料を安く抑えて、その分を商品代金に上乗せする方法もあります。
ECを使い慣れたお客様は、商品代金と同時に送料についても厳しくチェックしています。もし、複数のショップで同等品が同価格で売られていた場合、送料が無料のサイトと有料のサイトがあれば、もちろん前者を選択する例が圧倒的に多いです。それくらい送料に対して敏感ということです。
そこで送料のすべてか一部を商品代金に上乗せし、「送料オフ」「送料無料」を強くアピールすれば、需要の増加が期待できます。競合が多すぎる場合は、上乗せした分、価格で負ける可能性が高いため効果が薄いかもしれません。しかし、オリジナリティが強かったり、競争相手が少なかったりする商品なら奏功することもあるので、可能かどうか検討してみてください。
運送業者と法人契約する
運送業者と法人契約すると、送料を安くすることができます。
この場合、一定以上の荷物数があることが条件になるので、一概に可能とはいえません。契約先によってどれだけコストカットできるかも、まちまちです。扱う商品の種類や地域にもよるでしょう。ただ、長い目で見れば相当の経費削減が期待できるうえ、送料が安いことにより売上アップも可能となるので、メリットは大きいと考えられます。
運送業者を使い分ける
運送各社のサービスをうまく使い分ける方法もおすすめです。
具体的には、取り扱う商品の種類や数量によって宅配便とメール便を使い分けるというものです。集荷サービス付きなら、荷物を営業所やコンビニなどに持ち込むための燃料費や時間を削減できます。
ただ、方法によっては発送後の追跡ができなかったり、手渡しでなく郵便受けへの投函だったり、紛失や破損の場合の補償がついていなかったりする場合があるので、取り扱うカテゴリーによっては、安ければ良いというわけではないでしょう。そのあたりを勘案して、総合的に費用対効果が高いサービスをつねに使い分けるという考え方を持つのが、有効です。
アウトソーシングする
物流代行業者、フルフィルメントサービス、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)といった代行を請け負う専門業者に出荷作業をアウトソーシングするのも、一つの方法です。
商品の入庫、在庫保管・管理、検品、流通加工、梱包、配送、さらにカスタマー対応まで、企業によっては、物流業務を100%委託することが可能です。
これらの業者は、運送業者と提携していたり、自社でトラックを所有し、独自の配送システムを構築していたりするので、配送コストを大幅に削減できます。梱包もプロが行うので破損などの心配が少なくなり、お客様に届く際の見た目もよくなります。もちろん、その分の手数料は必要ですが、社内での梱包にかかる人件費や材料費、スペースの確保のための賃借料、そして運送会社に支払う送料などの合計金額と比べると、あきらかに得する場合が少なくありません。
さらに、梱包、配送、カスタマー対応にさいていた時間と人手を、商品の研究開発、プロモーション、営業といった重要度の高い業務に集中させることができるため、そのメリットも大きいでしょう。
まとめ
倉庫管理システム(WMS)とは、在庫状況を可視化するなどして、倉庫業務を効率化するためのツールです。
物流代行サービスを提供しているMOTOMURAでは、クラウド型のWMSを活用して適切な在庫管理を実施しています。在庫管理や配送業務のアウトソーシングを検討中であれは、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。