ファッション用品は、種類が多いうえに季節やトレンドに左右されるため、商品を取り扱うアパレル倉庫の業務や在庫管理が独特です。また、最近ではECや通販に特化して店舗を持たない企業も増え、アパレル倉庫から顧客へ直接販売する流れが当たり前になっています。これによりアパレル倉庫は、一般的な物流倉庫よりも求められる機能や業務が多くなり、課題を抱えているのではないでしょうか。
本記事では、アパレル倉庫の役割や業界特有の課題、対応策など、業務効率と利益率の向上を両立させるためのヒントをお届けします。
ぜひ参考にしてみてください。
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目次
ファッション用品を扱うアパレル倉庫とは
アパレル倉庫とは、衣類や雑貨などファッション関連用品の扱いに適している倉庫のことです。店舗では、季節ごとにアイテムが入れ替わりますが、これを支えているのがアパレル倉庫です。
ただ、保管するだけでなく、タグ付けや品質チェックなど流通加工も担当しています。最近では、ECの普及によりアパレル倉庫が顧客に直接商品を発送するため、求められる役割も増えています。つまり、アパレル倉庫は、顧客が欲しいと思うタイミングで求められる商品を店舗やECに供給する施設といえるでしょう。
アパレル倉庫の特徴
アパレル倉庫の特徴として以下の点があげられます。
- 温湿度管理と防虫対策
- 頻繁に入れ替わる商品への対応
- 衣類に関わる流通加工
日本では、四季による気候の変化で衣類の状態が変化しやすく、品質維持には温湿度管理や防虫対策が必要です。同時に、季節ごとに需要も大きく変化するため、販売する商品の入れ替えにも対応しないといけません。
そこに、流行も組み合わさるため、在庫管理がさらに難しくなります。そうでなくてもファッション用品は、サイズやカラーによりSKU数が多く、管理する商品数が膨大です。しかも、入荷したアイテムの検品やタグ付けだけでなく、ほつれの補修やシミ抜き、プレス加工などクリーニングにも対応しないといけません。
このようにアパレル倉庫は、特有の品質管理や業務が求められる特徴があります。
アパレル倉庫とEC物流倉庫との違い
アパレル倉庫と一般的なEC物流倉庫では、設備やオペレーション、納品先が違います。
表にすると以下のようになります。
| アパレル倉庫 | EC物流倉庫 | |
|---|---|---|
| 流通加工 | タグ付け、ほつれの補修 クリーリング 袋詰め |
タグ付け 袋詰め ラッピング |
| 設 備 | 品質維持の専用の保管設備 | 多様な商品を保管できるレイアウト |
| 納品先 | 一般消費者と店舗の両方 | 一般消費者 |
EC物流倉庫は、ECで取り扱う様々な商品を在庫として保管し、受注があったら迅速に出荷するという機能が中心です。対してアパレル倉庫は、縫製工場から出荷されたアイテムの検品や、補修、プレス加工など流通加工業務の比重が大きくなります。
この他にも、衣類に混入している縫い針を探す「検針」というアパレル特有の作業も対応しないといけません。納品先は、一般消費者の場合もありますが、店舗である場合も多いです。
このように一般的なEC物流倉庫とアパレル倉庫は、求められる作業や設備が異なります。そのため、ECで取り扱う商品の実績やノウハウがある物流倉庫であっても、アパレル倉庫として適しているとは限りません。
ファッション業界における物流現場の3つの課題
ファッション業界で商品を扱う物流現場の主な課題は以下のようになります。
- 複雑な在庫管理
- 業務量の急変
- 人手不足
これは扱う種類の多さとECによる影響が組み合わさったためといえるでしょう。
商品数と需要変動による複雑な在庫管理
ファッションに関わるアイテムは、カラーやサイズの種類が多く、さらに季節や曜日ごとの需要変動があり、在庫管理が難しくなります。その結果、余剰在庫によるコスト増加や、在庫不足による販売機会損失が発生しやすく、効率的な在庫管理と売れ残り対策をしないといけません。
これらの課題には、データやAIを活用した需要予測が効果的とされています。
ECや通販で業務量の急変
ECや通販の普及により、アパレル倉庫の業務負担は大きくなっています。特にECは週末や深夜に注文が集中する傾向があり、即座に対応するには現場に負担がかかり、労働環境を悪化させてしまいます。そうなると、離職率が上がり、人が定着しないため人材不足が加速するでしょう。結果、業務遅延や出荷遅れが発生しやすい状況になるため、業務量の上下に合わせて、柔軟に人員を配置できる体制を整える必要があります。
流通加工業務の増加による人手不足
前述した業務量の変化に関係して、衣類のタグ付けや補修作業などの専門的な流通加工に対応できる人材も必要になります。タグ付けや補修作業には専門的なスキルが求められるため、適した人材の確保と維持は簡単ではありません。
ECや通販で売上を伸ばす場合には、重要度は一段高くなるでしょう。
アパレル倉庫の課題への対応策
前述した課題への対応策を現場中心で紹介します。
ここでは自動化やロボットなどの設備を揃える方法は除外します。理由は多額の投資が必要になるからです。
現場でできる課題への対応方法は、以下のようなものがあげられます。
- 倉庫内の動線の変更
- オペレーションの見直し
- 手順書の貼りだし
- 業務兼用の教育
- 週末に労力を集中できる体制の構築
基本的なものばかりですが、それだけに重要です。
まず、倉庫内のレイアウトを見直し、スタッフの移動する距離を一歩でも短くすることで作業効率を改善できます。
ピッキングの手間や、作業数を減らす工夫ができないか細かく動作内容を把握して、マニュアルの改善や更新をしましょう。
次に、作業手順をすぐにわかる図や写真を倉庫内の複数の場所に貼りだして、スタッフが見るだけで業務ができる環境を整えることも効果的です。
意欲のあるスタッフに関しては、複数業務が兼任できるように教育して人員配置に柔軟性も持たせることができます。
このように、細かく改善をすることで設備投資を行わなくても課題に対応が可能です。
現場の環境やスタッフ教育の体制が整ってきたら、柔軟なシフト管理が可能になります。そこで、注文が集中する時間帯や曜日に人員を集中配置するといった運用もできます。
ECや通販の受注件数をデータとして残し、運用することで効率的な人員配置や体制が構築できるでしょう。
在庫に関しても同様に、注文が集中する日に在庫を多めに確保し、受注後一気に出荷できるようにできれば理想的ではないでしょうか。
以上のように、アパレル倉庫の課題に対して社内で対応する方法を紹介しました。ただし、紹介した内容は、社内の負担軽減に関しては弱いと感じるかもしれません。
次章からは、負担軽減をメインにしてアウトソーシングについて解説します。
アパレル倉庫業務をアウトソーシング
流通加工の人手不足や需要変動の対応策として、外部の物流業者に業務を任せるのも選択肢の一つです。社内だけで流通加工や需要変動に対応すると、リソースの大部分を物流業務に振り分けないといけなくなるでしょう。
そこで、無理に対応するよりも、ファッション用品の取り扱い実績がある物流倉庫に任せると、社内の負担を軽減させることが可能です。実績やノウハウのある物流業者は、手間のかかる流通加工や突然の出荷量の増加にも柔軟に対応できます。また、繁忙期だけという期間限定でアウトソーシングできる場合も多いです。社内対応だけでなく、委託することも検討してみてはいかかでしょうか。
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アパレルの取り扱い実績のある物流倉庫の流れと管理
外部委託を請け負っている物流倉庫の一般的な流れは、以下のようになります。
| 1. 入庫・検品・仕分け | 入庫したアイテムのサイズ・色・型番ごとに仕分け 汚れや破損がないかを品質確認の検品 縫い針などの異物を探す検針作業 |
| 2. 流通加工 | 迅速に商品発送が可能な状態にする業務 バーコードやRFIDタグ付けや値札付け 入荷時点でシワになっている衣類をアイロンでプレス 外装袋に入れて即出荷可能にする |
| 3. 保管・在庫管理 | 倉庫内の振り分けられたロケーションで保管 取り付けたタグを活用した在庫管理 |
| 4. ピッキングと出荷検品 | 受注に応じてすぐに該当するアイテムを集める 効率的な倉庫レイアウトと専属スタッフが対応 注文内容と集めてきたアイテムをチェック 裾上げなど注文された加工作業に対応 |
| 5. 梱包・出荷 | 衣類の型崩れやシワ防止をして梱包 品質を保持しつつ出荷 6. 出荷と配送 梱包されたアイテムを宅配業者に引き渡す |
| 7. 返品処理・再検品 | 返品、交換希望で送り返されたアイテムの状態確認 再販可能な状態にする |
太字になっている業務が作業量が多く、人手不足やコストの問題でボトルネックになります。これらのボトルネックとなる作業をまとめてアウトソーシングできると、社内の業務やコストの負担が大幅に軽減されるのではないでしょうか。また、アウトソーシングを受託している物流倉庫では、リアルタイムで在庫管理が可能なシステムを導入している場合も多いです。そのため、在庫状況や商品の出荷状況もインターネットを介して把握ができます。
アパレル倉庫の業務を委託すると起きる4つの変化
倉庫業務を委託すると以下のような変化が期待できます。
- 作業効率が向上する
- 固定費が圧縮できる
- 社内リソースの最適化できる
- 倉庫業務を直接コントロールできなくなる
それぞれ確認していきましょう。
作業効率が向上する
アパレルに関する実績がある委託先にアウトソーシングできれば、検品や流通加工、梱包などの作業効率が上がります。委託先には、専属のスタッフや設備が揃っているからです。同時に、梱包品質や出荷ミスが少なくなって、顧客満足度低下や返品に伴う追加コスト(手間や配送料)が減るでしょう。
つまり、アウトソーシングすることで業務品質が向上し、間接的ではあるものの売上が伸びたり、常連客を獲得したりが可能です。企業やアパレルブランドへの信頼度向上にもなるでしょう。
固定費が圧縮できる
倉庫業務をアウトソーシングすると、固定費の圧縮、削減が期待できます。具体的には、賃料と人件費の圧縮と、固定費から変動費にできる費用が増えます。
まず、自社で倉庫業務をするための保管スペースや、繫忙期ごとにスタッフの採用を最小限に抑えることが可能です。次に、委託先の多くは従量課金制(使用した分だけ請求)を導入しています。このため、賃料や人件費などの固定費となっていた部分を変動費にでき、閑散期のムダなコストが削減できて、利益率の改善が見込めます。
つまり、固定費の圧縮と削減により、利益率の改善が見込まれ、経営の安定化にも一定の効果があるでしょう。
社内リソースを最適化ができる
倉庫業務をアウトソーシングすることで、社内のコア業務(商品企画やマーケティング)に集中できる体制が整います。積極的に新商品やマーケティングを展開できれば、新規顧客の開拓と売上を伸ばすことが期待できます。その結果、生産性が改善し、ブランド価値の向上にもつながるはずです。
ただし、倉庫業務を直接的にコントロールができなくなるため、注意しないといけません。
倉庫業務を直接コントロールできなくなる
倉庫業務を外部にアウトソーシングすると、直接現場に指示ができなくなり、こちらの意図が伝わりにくくなります。そのため、社内対応では容易だったオペレーションや、体制の変更がすぐにできない場合が出てくるでしょう。クレームやトラブル発生時も同様です。対応のスピードや手順も社内とは異なるため、どのような対応をしてくれるのか把握しましょう。また、こちらの意図をどの程度まで反映してくれるのか契約前に確認が必要です。つまり、柔軟性のある委託先を選ぶことが重要になるでしょう。
委託に適したアパレル倉庫の選び方4選
アパレル倉庫を選び方で見るべきポイントは以下の4つです。
- 温湿度・防虫管理・検針の徹底
- アパレル取扱い実績とノウハウの有無
- 柔軟な対応力と倉庫の立地
- EC対応・システム連携の可否
それぞれ確認していきましょう。
温湿度・防虫管理・検針の徹底
委託先が温湿度管理や防虫対策、検針ができることを確認しましょう。ファッションアイテムは、温湿度や虫などの影響で商品価値を棄損してしまうからです。また、検針は商品の品質維持だけでなく、顧客のケガやクレーム防止として必須です。これらの設備や管理体制が整っていることをチェックして、企業評価やブランドイメージを守れるようにしましょう。事前に委託先の倉庫の設備や、管理体制を見学することである程度の把握ができます。安易に値段で選ぶのではなく、品質・安全管理を徹底した委託先を選びましょう。
アパレル取扱い実績とノウハウの有無
アパレルの取り扱いの実績や、事例を確認して確たるノウハウがある委託先であることを確認しましょう。豊富な実績があれば、課題解決能力が高く、安定したサービスが期待できるからです。委託先の設備を見学する際に、実績やノウハウについても一緒に確認できます。アパレル業界に関する理解やノウハウがあれば安心して委託できるのではないでしょうか。
柔軟な対応力と倉庫の立地
繁忙期や突発対応にも柔軟に対応できる人員体制やシステムがある倉庫を選びましょう。流行と季節ごとに移り変わりが激しいアパレル業界では、迅速かつ柔軟な対応が必要だからです。
次に倉庫の立地です。アクセスが良い立地にあれば、突然の受注増加や、在庫変動に対応しやすく、販売機会の損失を最小限に抑えられるでしょう。また、顧客が多い地域に近い倉庫があれば、配送コストの削減にも効果的です。柔軟な対応の有無と、倉庫の立地、これらも実際に委託先の施設を見学すると不安の払しょくや納得感が得られます。
EC対応・システム連携の可否
委託先が提供しているシステムと自社のECやシステム連携が可能か確認しましょう。リアルタイムの在庫管理、データ連携が可能な委託先を選ぶことで、正確な在庫把握と効率的な運営が可能になるからです。加えて、店舗とEC運営を同時に行っている場合には、リアルタイムの在庫情報の連携が不可欠です。
システム連携をしないと、店舗とEC事業で在庫の取り合いになってしまうからです。いずれにしても、商品数の多いアパレルでは、委託先と自社のシステムがスムーズに連携できないと、在庫管理に大きな支障が出る可能性があります。連携の有無を必ず確認しましょう
ファッション用品の管理はMOTOMURAに
アパレル倉庫の業務は、規模が小さいときは社内のリソースで流通加工や出荷は対応可能です。しかし、受注件数が増えていき、規模が大きくなると、手間やコスト負担が大きくなり、社内リソースが圧迫されます。
そこで、埼玉県志木市に物流拠点を構える株式会社MOTOMURAの発送代行サービスをお役立てください。当社は、アパレルの取り扱い実績と、コストを抑えた保管料と配送費を提供し、在庫管理や発送作業の手間を大幅に軽減できます。また、季節や予期せぬ出荷量の変化にも柔軟に対応。業務委託によって、社内リソースを再配分して企画やマーケティングなどのコア業務に集中できるようになります。
倉庫業務の委託をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。繁忙期だけの期間限定のご利用も可能です。
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アパレル倉庫の活用で業務負担軽減と利益率の向上を両立:まとめ
アパレル倉庫は、衣類の扱いに長け、実店舗やECの受注に迅速に対応できる仕組みを持った施設を指します。
ただし、衣類の検品や補修など流通加工業務の比重が大きく、対応できる人材と専用設備が必要であり、維持管理がネックになります。
対応策として、ファッション用品の取り扱い実績のある外部に委託すると、業務効率と収益性の改善が見込めるでしょう。
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