化粧品やコスメといった商材は、多品種かつサイズもさまざまで壊れやすい商品も多いです。
在庫管理、保管、梱包など、コスメ・化粧品の物流業務は手間とコストがかかるため、どのように効率化を図りコストを削減するかが難しい場合が多いです。
そんな時は、コスメや化粧品向けの発送代行サービスを利用するのがおすすめです。今回は、化粧品ECの発送代行とは何か、利用料金はいくらかかるのか、そのメリット・デメリットを解説します。
自社で発送代行を利用すべきかどうか検討するきっかけになるはずです。
倉庫・物流業務を委託したい方へ
目次
コスメ・化粧品向けの発送代行とは
コスメ・化粧品向けの発送代行では、発送だけでなく以下の業務を代行してもらう事ができるサービスです。
- 商品の保管・管理
- 指定住所への発送
- 使用期限の管理
- パッケージ変更時などのラベル貼り替え
取り扱える商品は、スキンケア・メイクアップ用品のほかボディケア・ヘアケア製品。
医薬部外品についても取り扱いできる業者もあります。
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コスメ・化粧品向けの発送代行費用の相場
発送代行を利用する場合、料金の内訳は大きく以下の3つに分類する事ができます。
- 発送料金(ピッキング・梱包含む)
- 保管費用
- 梱包などのその他費用
それぞれの費用の相場や詳細について見ていきましょう。
発送料金(ピッキング・梱包含む)の費用相場
コスメ・化粧品向け発送代行の基本料金は、代行業者により大きく異なりますが、相場感としては、ピッキングや梱包作業を含み、商品1点あたりポスト便で300円〜、宅配便で700円〜と覚えておくと良いでしょう。
業者によりシステム利用料のみが計上される場合もあれば、在庫管理・梱包・発送費用までを含めて発送料金として提示されることもあるので、内訳を確認しましょう。
保管費用相場
保管費用の相場として1坪あたり4,000~6,000円くらいになります。
保管費用は、基本的に1坪あたりで設定されます。倉庫の立地が良いほど金額が高くなり、常温での保管が1番安価で、目安は1坪あたり4,000~6,000円程度です。
冷蔵・冷凍保管が必要な場合は費用が高くなります。
梱包・その他費用相場
その他費用で計上されることも多い、梱包費用の目安は1件あたり100~500円です。梱包で追加料金となるのは、容器の破損防止の緩衝材追加対応や、ノズル固定対応、ギフトを含めたラッピング対応などです。
その他、流通加工作業にあたるバーコード貼付、入荷時の検品、同梱物対応、セット組対応などが計上されます。
コスメ・化粧品向けの発送代行業者選定で失敗しないための6つのポイント
自社内製するより発送代行にアウトソーシングするメリットとして、費用面の他にも以下の点で課題解決につながります。
- 在庫管理のミスや手間を無くしたい。
- 出荷作業のミスや手間を無くしたい。
- 人手不足を解消したい。
- 保管スペースの不足を解消したい。
そのためには、発送代行業者を選定する際に、下記のポイントにも注意しましょう。
- 化粧品を保管するのに適切な環境があるか
- 生産ロット単位の在庫管理が可能か
- チラシ・試供品・ノベルティ等同梱対応が可能か
- 化粧品の取扱実績が豊富か
- 受注管理・倉庫管理などシステム導入済みか
- 顧客の個人情報の取扱に不安のないITリテラシーを有する業者か
化粧品やコスメは保管環境によって品質の変わりやすい商材です。
倉庫は気温によって保管場所の温度も変わりやすいため、きちんと温度管理ができており、品質管理できる倉庫か確認する必要があります。
また、生産ロット単位で商品を管理できるかどうかも重要なポイントでしょう。
アウトソーシングしたことで、きめ細やかな対応ができなくなる、という事がないよう業者選定することをおすすめします。
その他化粧品という商品の性質上、新規顧客やリピーターといった顧客属性に合わせた販促活動も欠かせないものです。柔軟な対応をしてくれる代行サービスもありますから、必要なサービスを提供してくれるかどうか、確認しておくようにしたいところ。
また外装も含め、品質管理や梱包に手間のかかる化粧品の発送代行を委託することになりますから、安心して任せられる実績豊富な発送代行サービスを選ぶことも大切です。
自社内における業務効率化の観点からも、また委託する以上適切な管理・運営がなされる為にもどのような管理システムを導入しているのかも重要。自社で利用している受注管理システムなどがある場合、自社利用中システムとの連携が取れるシステムを導入している代行業者を選ぶと業務連携がスムーズです。
発送代行を委託すると言うことは顧客の個人情報を受け渡すことになります。安心して任せられる業者なのか、ITリテラシーの有無を含めセキュリティ対策についても確認しておくようにしましょう。
梱包に関して、ブランドイメージを崩さないため、オリジナルの梱包材を使用した梱包が必要な場合には、対応可能か確認が必要です。
コスメ・化粧品向けのEC発送代行を利用する際の注意点
化粧品EC発送代行サービスを利用する際、業者選定で失敗しないためのポイントを見ていきましょう。
発送代行業者でも資格が必要な場合がある
商品を販売するわけではないものの、商品を取り扱うことになるため、発送代行業者であっても、資格が必要になるケースもあります。
例えば法定表示の記載ラベルを貼付する場合、添付文章の同梱といった作業を依頼する場合、化粧品製造業許可を取得している業者でなければ、発送代行を委託できません。
他にも、医薬部外品を委託する場合には、「医薬部外品製造業許可」を取得済みの代行業者を探す必要があります。
発送代行だけでなくフルフィルメントを検討するのも一手
化粧品ECは、商品サイズは小さなものが多く、購入数が少ないケースや、複数商品購入など梱包作業は煩雑かつ発送件数は多くなりやすいのが特徴です。
自社で対応した結果、発送遅延が発生したり、誤出荷などトラブルとなってしまうケースもあるでしょう。
この場合発送業務だけをアウトソーシングするのではなく、顧客対応・在庫管理・保管なども含めてフルフィルメントサービスを活用するのも一案です。
よりきめ細やかなプロ品質の顧客対応と物流業務が提供されるフルフィルメントで、事業拡大を成功させる企業も増えています。
コスメ・化粧品向けの発送代行利用前に自社内製時のコストとの比較は必須
自社で在庫管理・保管から梱包・発送を行った場合にかかる費用と、化粧品EC発送代行業者に委託した場合の費用を比較することも大切です。
費用比較の目安として、代表的な化粧品の大きさと、発送時サイズ目安、発送費用の目安(例はヤマト運輸とします)についてまとめましたので、ご確認いただき、自社内で対応した場合のコストと比較してください。
- コスメ型(2×2×8cm):ネコポス便可能 ⇒ 385円
- キューブ型(8×8×5cm):宅急便コンパクト ⇒ 720円
- ボトル型(5×5×20cm):宅急便コンパクト ⇒ 720円
- ポンプボトル型(8×8×20cm):60サイズ ⇒ 940円
送料参考URL:宅急便運賃一覧表|ヤマト運輸
※一辺3cmを超えた場合、コスメ型でも60サイズでの発送となる場合もあります。
※ポンプ型は輸送中の破損リスクを避けるため、流通加工が別途必要になるケースもあります。
まとめ
サイズが小さく、破損や漏れといった事態を避ける為慎重な梱包作業が必要になる化粧品EC。
発送件数も多くなりがちで、自社対応に限界を感じるケースも多く、発送代行するメリットも感じやすいビジネスモデルでもあります。
発送代行サービスだけでなく、必要に応じてより細やかなサービスが受けられるフルフィルメントの検討も含め、自社の今後の成長に繋げるために、こちらでご紹介した情報を役立てていただき、失敗のない選択をしていただければ幸いです。