「取り扱う品目が多くなって検品作業が他業務を圧迫し始めている」
「出荷先が多くて検品作業が大変!」
検品作業での漏れやミスは企業としての信頼失墜に直結してしまう、大きな問題です。このような悩みを抱えていらっしゃる企業様に向けて、本記事では検品作業のやり方について課題解決するための2つの方法を紹介します。入荷時・出荷時に行うそれぞれの検品作業の目的と作業内容、ミスがあるとどのようなリスクがあるのかも解説しています。
倉庫・物流業務を委託したい方へ
目次
検品を行う目的と意義
物流倉庫における検品作業は、納品された商品の品質、数量、質などに問題がないかを精査する目的で行われます。検品作業に漏れや見落としがあれば、顧客企業からのクレームに直結し、企業として築いてきた信用を失う危険性があります。また、検品作業を正確かつ確実に行うことで、自社のどの部分にミスが生じやすいかを把握し、対策を講じることも可能です。検査業務には、商品入荷時の入荷検査と商品出荷時の出荷検査があるが、それぞれについて詳しく説明します。
作業内容と作業の流れ
物流倉庫で欠かせない検品作業のやり方を把握していただくため、作業内容・作業の流れについて以下にまとめました。
検品の作業内容
倉庫で行う検品業務での作業内容は、入荷検品作業と出荷検品作業で違いがあります。
まずは、それぞれどのような作業内容なのか見ていきましょう。
検品作業①:入荷検品作業
入荷検品作業は、商品・品物が倉庫に到着した際に行う検品作業です。発注書・納品書に記載された内容と、実際の入庫に差異がないか、問題がないか確認していく作業になります。
食品・医薬品のように賞味期限・消費期限のあるものについては、期限に問題がないか、ということもあわせて確認を行います。
検品作業②:出荷検品作業
出荷検品作業は、倉庫から営業所・店舗、もしくは納品先企業や消費者へ出荷する際に行う検品作業です。ここで見るのは、納品内容が間違っていないか、梱包内容・方法は適切か、品物に汚れや破損がないかということ。入荷検品も大切な作業ではありますが、企業としての信頼に大きく関わるため、もっとも神経質に行われる検品作業でもあります。
検品作業の流れ
続けて、入荷検品作業・出荷検品作業それぞれの作業の流れについて解説してまいります。
入荷検品作業の流れ
入荷検品作業は、基本的に2名1組で指差し確認や目視確認を行いながら入荷商品を検品します。
品目が多く人力だけでは確実な作業が難しいような大規模な倉庫などでは、バーコードスキャナーなどを使い数量・品目・製造番号などを素早く確認していきます。人力で行う場合には、入荷されたものを計数・確認しながら台帳に記入したり、納品書をもとにチェックを記入するなどして行われます。
ここでのミスは期毎に行う棚卸での在庫差異に繋がったり、その後の製造がスムーズに行えない等の問題に直結してしまう為、確実で正確な作業が求められます。
出荷検品作業の流れ
出荷検品作業は、出荷指示書(会社によっては、納品物に同梱されている納品書で行う場合もある)に基づき、品目、数量、納期、納品先に間違いがないか確認しつつ、梱包までを行う作業になります。この際納品する商品に問題がないかを確認するため、入荷検品に比べ作業量が多くなります。また、梱包する際には、送り状や納品書、請求書、払込取扱票など、同梱する必要のある書類も梱包します。出荷検品作業は、納品前の最終チェックとなるため、特に慎重に行います。
検品を行う目的と意義
『検品作業でどうしてもミスや漏れが発生してしまう』という悩みがあるのなら、倉庫での検品作業のやり方を見直す必要があります。人の手と目によって行われる従来の検品作業では、どうしても一定数の漏れやミスが発生してしまいます。そうした問題を解決しようとする多くの企業が、ハンディスキャナーを導入し、WMS(倉庫管理システム)と直結させることで、検品作業をシステム化する仕組みを構築しています。
このシステムを構築するためには、ハンディスキャナで読み取れるバーコードを発行し、梱包時に商品や箱に貼付する必要があります。しかし、この検品作業は、人の目や手による検品作業よりも確実でスピーディな作業となり、コスト(人件費)の削減にもつながります。また、WMSでは帳簿をつける必要がないため、入力ミスをなくすことができます。バーコードスキャナーで読み取った情報は、クラウドやホストコンピューターに瞬時に蓄積されるため、入出荷などの全工程をリアルタイムに把握でき、業務効率の大幅な向上が期待できます。
検品作業の抱える課題
倉庫内の検品作業を行う上での課題について、どのようなものがあるかピックアップしました。
- 【手作業の場合】人為的ミスが起こりやすい
- 作業担当者の熟練度によりスピード・作業の質に差が出やすい
- 商品数が増えるほど業務量増加・煩雑化する
- 作業効率化できるWMSの導入費用が高い
手作業で検品作業を行う場合、計数ミスや納品内容の見落とし、台帳への記入ミス・漏れといったヒューマンエラーが起こってしまうことはまず1つ目の課題です。また、検品作業の担当者によって、作業のスピードや質に差が出ることも避けられません。取扱品目が少ない倉庫では検品作業がボトルネックにならないかもしれませんが、大型倉庫や取扱品目が多い倉庫、個人向け小売販売も行う倉庫では、特に煩雑になる可能性があります。また、検品作業を行う作業員を追加で育成するコストもネックになります。
作業効率を向上させるため、WMSを導入する、ハンディスキャナーを導入することは有効策ではありますが、WMSは多大な導入費用がかかってしまうため、事業規模が小さいと導入が難しい点も課題でしょう。
検品作業のやり方改善ポイント
検品作業を行う上でネックとなっている課題を把握していただいたところで、検品業務の効率改善のためのポイントについても見ていきましょう。
- 検品作業時のチェック項目を明確に記しておく
- チェックの手順・流れをルールで決める
- 【手作業の場合】WMSやハンディスキャナーを導入する
検品作業を行う上で、一番やっていただきたいのは「どこを・どのようにチェックするのか」という作業マニュアルを明確にし、担当者に遵守してもらうよう教育を徹底することです。この際、「これを検品したら次にこれ、梱包はこの手順で」といった作業順序もチェックリスクのような形で明確に示しておくようにすると、作業の漏れ・担当者間による作業ムラを解消することができます。手作業で行っている場合には、ハンディスキャナーを導入し、可能であればWMSも導入することで大幅な業務改善が叶います。
コスト面でWMSの導入は難しい、という場合には自社専用のシステムを構築し、入庫・出庫・在庫状況を把握できるようなシステムを導入することも有効策です。
倉庫内の検品のやり方改善が難しい場合はアウトソーシングも有効策
倉庫内の検品作業を効率化するためのポイントをお伝えしましたが、『業務量・品目は多いがWMSやシステム導入は難しい』という場合には、検品業務をアウトソーシングする方法もあります。
アウトソーシングすることでこのようなメリットが生まれます。
- 人件費のコストダウン
- 検品に割いていた労力を他業務に回すことができる
- 検品作業を行う専用スペース・設備・人材を揃える必要がなくなる
検品業務代行業者は、熟練したスタッフと豊富なノウハウ、必要な設備も導入したうえで検品作業を代行してくれます。自社で検品を行う場合、検品を行うためのスペースはもちろんですが、人材採用・教育も必要不可欠です。また作業を行うためのマニュアルの整備を行う労力・時間も発生してしまいますから、アウトソーシングすることで人的コストは大きく削減できます。
特に時期により検品作業に緩急がある企業では、繁忙期にあわせた採用状況にしてしまうと、閑散期には無駄な人的コストがかかってしまうこともありますが、そのリスクも避けられます。自社で検品作業を行うための設備投資をした場合には、老朽化で買い替えなどもしなくてはなりませんが、そうした手入れが必要なくなる点も、アウトソーシングならではのメリットとなるでしょう。
まとめ
倉庫での検品作業のやり方について、企業が抱えやすい課題とその対策を含めて、ご理解いただけたでしょうか。自社での作業を的確に行うことができなければ、企業活動が円滑に続けられないリスクがありますが、システマチックに切り替えるには設備・システム投資が有効策ではありますが、コストがかかります。
その点も解消できる対策として、手練れ集団である代行業者への検品作業のアウトソーシングであることもお伝えしました。
現状、検品作業量が多くなってきてミスが増えていたり、適切・確実な検品のためになんとかしたい、という時には、こちらでお伝えした情報をもう一度ご確認いただき、お役立てていただければ幸いです。
関連記事: