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在庫回転率 – inventory turnover ratio – とは、一定期間内にどれだけの在庫が倉庫に出入りしているかを示す指標です。商品回転率や棚卸資産回転率とも呼ばれます。
目次
在庫回転率とは
在庫回転率とは、一定期間内にどれだけの在庫が倉庫に出入りしているかを示す指標です。
数値が高いほど、倉庫内の商品の回転サイクルが速く、売上が安定していることを意味します。逆に数値が低い場合は、回転サイクルが遅く、在庫が過剰になる恐れがあることを示していますが、商品ごとに特性が異なるため、必ずしも余剰在庫であると判断するものではありません。
業種や製品によって適切な数値は異なります。
また、在庫回転率は、売上金額と在庫金額(原価)を用いて算出する他、より正確に数量が把握できる場合は、在庫個数を用いて計算することもできます。
それでは、それぞれの方法の計算式を見てみましょう。
売上金額による在庫回転率の計算方法
在庫回転率を金額で計算する場合には以下の3STEPで計算します。
- ① 1年間の売上金額 = 期首商品棚卸額 + 1年間の商品仕入額 - 期末商品棚卸額
- ② 平均在庫金額 = 期首在庫金額+期末の在庫金額)×0.5
- ③ 在庫回転率 = (算出対象の商品の)1年間の売上金額 ÷ 平均在庫金額
1年間の売上金額については、出庫金額・売上原価と表現されることもありますが、実際の販売額では正しく算出できないため、商品原価を用いて、以下の方法で算出します。
平均在庫金額は平均商品在庫高・棚卸資産と表現させることもあります。
在庫個数による在庫回転率の計算方法
在庫個数で在庫回転率を算出するには以下の2STEPで算出します。
- ① 平均在庫数 = 期首在庫数 + 期末の在庫数) × 0.5
- ② 在庫回転率 = 出庫総数 ÷ 平均在庫数
適正在庫の判断は在庫回転率と在庫回転期間をみる
適正な在庫数がキープできているかを判断するためには、在庫回転率だけでなく、在庫回転期間もあわせて判断することが重要です。
在庫回転期間とは在庫が1回転するのにどのくらいの期間を要したかを判断できる指標になりますから、在位戸回転率の数値が大きく在庫回転期間が短ければ適正な状態に在庫を管理できていると見ることができます。
続けて在庫回転期間の算出方法を見てみましょう。
在庫回転期間の計算方法
在庫回転期間の算出には以下の計算式を用います。
- 在庫回転期間(1年間) = 平均在庫金額 ÷ 売上金額
上記の式に当てはめる売上金額を12で割れば月次、365で割れば日次の数値を見ることができます。
例えば、平均在庫金額が200万円で棚卸資産が4,000万円の場合、在庫回転期間を日次で見てみると、「200÷(4000÷365)」で約18日で在庫が1回転していることになります。
在庫回転率を把握するメリットは大きい
在庫回転率とはどういうものかということと算出方法についてご理解いただいたところで、これを把握するメリットについても触れていきます。
在庫回転率を知ることで得られるメリットは以下の3つが挙げられます。
- 在庫の動きを数字で具体的に把握できる
- 顧客ニーズの理解が深まる
- 無駄なコストである過剰在庫を削減できる
在庫回転率とあわせて在庫回転期間を把握すれば、売り上げ動向を数値で見ることができるようになります。ここから現場でどのような商品がより求められているのか理解し、無駄のない在庫管理ができるようになり、どの程度在庫が回転しているのかをつぶさに把握できるのです。
この数値を把握していなければ、もしかすると顧客ニーズに答えられず余剰在庫を抱え、無駄なところにコストを割くなど経営状況が悪化してしまうことにも直結してしまうこともあるでしょう。
適性在庫回転率の目安
アパレル業界の場合
アパレル業界ではシーズン毎に商品が入れ替わる特性もあり、一般的な在庫回転率で算出するのは難しい業種でもあります。アパレル業界における在庫回転率の算出には、『一定期間の売上高 ÷ 一定期間の平均在庫金額』で判断されるのが一般的で、大手ファストファッションは10~11回の在庫回転率となっています。
回転率が高すぎれば顧客ニーズに在庫数が追いついていない、低すぎれば売り上げに繋がっていないと判断できるので、高すぎても低すぎてもNGと考えられています。
業種別の在庫回転率の目安
以下に政府統計による在庫回転率の目安をまとめました。
ただし、商品特性や業種によって、この限りではないことは前述の通りとなります。例えば年に一度製造するだけの期間限定商品を扱っていたり、年に数回まとめて大量に輸入するなどしているものには適さないことをご理解ください。
産業分類:大分類 | 棚卸資産回転率 | 回転期間 |
建設業 | 10.78 回 | 33.87 日 |
製造業 | 8.69 回 | 41.99 日 |
情報通信業 | 23.94 回 | 15.25 日 |
運輸業・郵便業 | 103.61 回 | 3.52 日 |
卸売業 | 16.83 回 | 21.69 日 |
小売業 | 13.68 回 | 26.68 日 |
不動産業・物品賃貸業 | 2.38 回 | 153.30 日 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 34.01 回 | 10.73 日 |
宿泊業・飲食サービス業 | 66.74 回 | 5.47 日 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 52.29 回 | 6.98 日 |
サービス業(他に分類されないもの) | 33.04 回 | 11.05 日 |
在庫回転率を向上させる3つのコツ・ポイント
在庫回転率が思わしくない…というときには以下の3つのポイント・コツで改善してみるのがおすすめです
- 在庫回転率の目標値を設定する
- リードタイムを短縮する
- 在庫状況を⾒直す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
在庫回転率の目標値を設定する
まずは在庫回転率が適正かどうか同カテゴリーの商品を扱う競合企業の在庫回転率をリサーチし、それをもとに目標とする在庫回転率を設定しましょう。
目標値を設定する場合には、『目標売上金額 ÷ 目標平均在庫金額』で算出できます。
リードタイムを短縮する
リードタイムとは注文されてから顧客の手元に届くまでにかかる時間の事です。
このリードタイムが短いと顧客満足度が高く、リピート率を向上させる効果も生まれることから、売上向上、在庫回転率の向上に繋がっていきます。リードタイムが長いと考えられる場合には、よりスムーズに進められるよう業務の見直し等も含めて検討すると良いでしょう。
在庫状況を⾒直す
在庫回転率が悪い、在庫回転期間も長いとなると倉庫内でも無駄なスペースをとるなど事業を圧迫する原因にもなります。そもそも発注するペースを見誤っていないか、発注数は適切かということも含め、在庫数を適切に管理するよう見直すことが重要です。
まとめ
在庫回転率とあわせて在庫回転期間を把握することが重要ということはご理解頂けたでしょうか。
また業種や商品の特性により、こちらでご紹介した適正在庫回転率は適さないケースもありますが、在庫管理を適切に行うことは事業を健全に継続するために欠かせません。
在庫回転率がイマイチであると判断できる場合の改善のコツ・ポイントも今一度ご確認いただきつつ、こちらでお伝えした情報がより一層のご活躍に繋がれば幸いです。
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