『陶器を買ったけど、ざらつきが気になる』
『長年使ってきたお気に入りの湯呑、飲み口がざらざらしてしまって…』
陶器製品は、急須や茶碗、湯呑、コーヒーカップなど様々です。ざらざらとした手触りが魅力でもありますが、ざらつきが気になることも。このざらつきはやすりがけで除去することができます。
本記事では、陶器のざらつきをとるやすりがけについて解説します。
「ざらつきはとってしまっても問題ないのかどうか。」と気になる方もいますよね。
やすりがけをする他にも手触りを良くする方法もあります。陶器の種類に合わせて適宜対応できる方法についても解説いたします。
目次
陶器の気になるざらつきの正体とは?
私たちの生活に自然に溶け込んでいる「やきもの」ですが、「やきもの」には陶器の他に磁器があります。陶器と磁器は作り方が異なります。陶器は、陶土とよばれる粘土に長石・珪石を混ぜて作られます。長石や珪石とはガラスの材料となる石です。そうすることでひび割れを防いでいます。対して、磁器は、陶石を粉状に粉砕したものに粘土を混ぜて作られます。そのため磁器の方がガラス質が多く含まれます。
基本的に陶器のざらつきは主原料の粘土の手触りが感じられるためにあるものです。ただし、長期間使用したものに関してはキズが付いたり、汚れが沈着します。(陶器には汚れが沈着しやすい)そのため、ざらざらした感触になっている場合もあります。
一方で磁器はつるつるとした感触です。これは石を粉砕していることと、表面に釉薬【ゆうやく】が塗られているためです。釉薬は【うわぐすり】と呼ばれることもあります。陶器にも釉薬を塗り焼成された、『施釉陶器(せゆうとうき)』と呼ばれるつるつるとした表面に仕上がったものもあります。また施釉陶器とは違い、焼成中に灰が付くことでガラス状の「自然釉(=ビードロ)」が付着する焼き物もあります。
陶器のざらつきが気になるときはとってしまって問題ないか
「陶器のざらつきがどうしても気になる」というときには、やすりがけなどの方法でとってしまっても問題ありません。
ざらつきを取ることで、割れたり、ひび割れが入ってしまうことはないそうです。
ざらつきが気になってもやすりがけしては行けないケース
ざらつきが気になる部分に色がつけてあったり金の装飾があるとき。この場合にはやすりがけはNGです。
表面に装飾が施されているため、やすりがけをすることで装飾が剥がれてしまいます。やすりがけはしないようにしましょう。
陶器のざらつきをとる方法①:やすりがけ
やすりがけで用意するのは「耐水サンドペーパー」と「水」です。
耐水サンドペーパーは1000番位の目の細かいものです。それだけではつるつるにならない場合はどうするか。100~800番台の少し目の粗いもので試し、1000番のもので仕上げるようにしましょう。
どのようにやすりがけすれば良いか、手順は以下になります。
- 耐水サンドペーパーを水で濡らす
- 気になる部分に1000番のペーパーでやすりがけする
- ざらつきが取れない時:100~800番の目の粗いペーパーでやすりがけする
- 仕上げに1000番のペーパーでやすりがけする
表面が凹凸してしまわないよう、一定の力と角度で磨くようにしてください。
また使い心地に差が出る『飲み口』部分のざらつき。ここが気になる場合には、まずは飲み口の上部にやすりがけします。一番口にあたったときに気になりやすいのが上部です。まだざらつきが気になるという場合には、飲み口の外側、内側にやすりがけするようにすると良いでしょう。
一定にやすりがけするためのコツがあります。器がペーパーに乗るサイズの場合、ペーパーにひっくり返して器を乗せてやすりがけしましょう。そうすることで、飲み口が凸凹せず一定に磨くことができます。
釉薬が塗られていてもやすりがけしてOK
釉薬が塗られつるつるした部分であっても凹凸が気になる場合や、長年使うことでざらつきがでてくることもあります。
釉薬が塗られている部分であっても、やすりがけは問題なく行えます。
金や色付き、模様のはいったものはやすりがけすると装飾が損なわれてしまいますので、やすりがけはおすすめはできません。
やすりがけはざらつきだけでなく「欠け」の対処法にもなる
大事にしている陶器が欠けてしまって、悲しい思いをされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
安全上欠けたままで使うのはおすすめできませんが、小さな欠けであれば、やすりがけで怪我を防ぐことも可能です。
この場合は100番くらいの目の粗い耐水サンドペーパーで、同じようにやすりがけし、細かい目のもので仕上げることも可能です。
食べ物・飲み物に触れる部分・口に振れる部分でなければ、シミや汚れを防ぐ目的で、削った部分に瞬間接着剤をしみこませる方法もあります。
陶器のざらつきをとる方法②:透明になるボンドをつけて乾燥させる
やすりがけ以外にもざらつきを取る方法はあるのでしょうか。
ざらつきが気になる部分に透明ボンドをつけて乾燥させることでも対処できます。ただし、口につける部分・食品や飲料に触れる部分、また洗って使うことの多い食器には不向きな方法です。インテリアや花瓶の底、飾っている壺の底がざらざらして気になる、という事であればこの方法も使えます。
陶器の広い範囲・強い凹凸に簡単にやすりがけする方法
先にご紹介した耐水サンドペーペーを使ったやすりがけは、手作業で行うため細かな作業もできますが、広い範囲にやろうと思うと大変な作業です。
『もっと手軽にざらつきをなんとかしたい!!』という場合には、プロも使用するような電動の道具『サンダー・ジスグラインダー・ルーター』を使うことで手軽に作業ができます。
ただし電動ではパワーが強く、少し長く削りすぎると思った以上に削れてしまうということもありますので、難易度は高くなります。
広い範囲でなく凹凸が大きくサンドペーパーでは難しい場合には、『砥石』を使って手作業することも可能です。
テーブルでがたがたしてしまう、安定感がない、あまりにも凹凸が強くて使い勝手が悪いといった場合には砥石を使うこともおすすめします。
この場合は目の粗い砥石を用意し、表面が均等になめらかになったら、サンドペーパーで仕上げをするイメージで作業すると良いでしょう。
まとめ
お気に入りの陶器を長く、気持ちよく愛用していきたい、という方にとって、使い勝手を自分好みにすることができるやすりがけの方法について解説してまいりました。
どのくらいのざらつき・凸凹なのか、ざらつきや凹凸の気になる面積によっても方法を変えることで手軽に作業が可能になることもお伝えした通りです。
使い勝手が良くなるよう、つるつるに仕上げるためには力を一定に、一定の角度で削ること、そして水を使いながら耐水サンドペーパーで作業することがコツですので、忘れないでください。