倉庫内のロケーション表示3つのスタイルを解説|メリットやロケーション番号を作る際のコツも紹介

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倉庫のロケーション表示には、3種類あるのをご存知でしょうか。また、商品の位置を表すロケーション番号の組み合わせにもルールがあります。そのため、ロケーション表示の基本を押さえていないと、逆効果になってしまう可能性があるのです。

そこでこの記事では、倉庫のロケーション表示について以下の内容を紹介します。

  • 倉庫のロケーション表示とは
  • 倉庫のロケーション表示3つのスタイル
  • ロケーション表示の2つのメリット
  • ロケーション表示を作る際の4つのコツ

この記事を参考にして、倉庫のロケーション表示の仕方や番号の振り分け方など理解を深める材料にしてください。

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倉庫のロケーション表示とは

基本となる倉庫のロケーション表示とは何かを説明します。内容は以下の通りです。

  1. ロケーション表示とは商品の住所
  2. ロケーション番号の構成

1つずつ確認していきましょう。

倉庫のロケーション表示とは商品の住所

倉庫のロケーション表示とは、商品が保管されている場所をわかりやすく伝えるものです。

それぞれの保管場所には、番号や記号が割り振られており、ロケーション番号を見れば、倉庫内のどこに商品が保管されているかがわかるようになっています。
そのため、ロケーション表示と番号の見方を説明すれば、作業者の熟練度に頼ることなく、効率的なピッキングができます。

つまり、倉庫のロケーション表示とは、商品の住所と言い換えることができるでしょう。

倉庫のロケーション番号の構成

ロケーション番号は、倉庫のエリアや通路番号などを組み合わせて作成します。そのため、ロケーション番号で、およその場所が一目で判断できるようになるでしょう。

番号の構成は、以下の要素が含まれている場合が多いです。

  • 倉庫のエリア
  • 通路番号
  • 左右
  • ラック番号
  • ラックの段数

例えば、以下のような倉庫のロケーション番号があったとします。

  • B11-02-005-03

このロケーション番号の意味は以下の通りです。

  • B (倉庫のBエリア)11(11番の通路)-02(右側の)-005(5列目のラック)-03(3段目)

以上のように、ロケーション番号が何を意味するのかが分かっていないと、数字の羅列になってしまいます。
したがって、作成する際には、意味のある番号や記号を用いて作成するようにしましょう。

倉庫のロケーション表示3つのスタイル

倉庫のロケーション表示には3つのスタイルがあり、それぞれ特徴があります。
内容を以下の順番で紹介します。

  • 固定ロケーション
  • フリーロケーション
  • ダブルトランザクション

すでにロケーション表示を導入している場合は、3つのうちどれに該当するのか確認してみましょう。

アナログで対応可能な固定ロケーション

固定ロケーションとは、商品をジャンルごとに保管し、場所を固定して管理する方法です。

ある程度場所が決まっているため、エクセルで作る簡易なロケーション番号表や、マップを手作業で作るようなアナログでも運用できます。ロケーション番号には、数字を使わずに物品名などをそのまま使う場合もあります。

欠点は、同じ商品で集めるため、保管棚やスペースに隙間があったとしても、他のジャンルのアイテムは置けないことです。そのため、使われないデッドスペースや保管している商品が少ない棚ができてしまい、保管効率は低くなります。その反面、作業者の熟練が進むと効率的なピッキングが可能になります。また、高価な管理システムを導入しなくても運用可能です。

固定ロケーションは、商品のジャンルがある程度固定されていて、扱う商品寿命が長い場合に有効な方法になるでしょう。

システム導入が必要なフリーロケーション

フリーロケーションとは、管理システムを導入して、ロケーション番号と商品データを紐付けて保管する場所を決定する方法です。

固定ロケーションのように、同じような商品でまとめるのではなく、空いている場所を見つけては、その都度保管する物を置いていくのが特徴です。とはいえ、ある程度商品のカテゴリで集めて、保管するエリアを決めて運用する傾向があります。

取り扱う商品のサイクルが短い、100均のように商品の入れ替えの頻度が高い場合にはフリーロケーションが適しています。

商品とロケーション番号の割り当てを機械的に行うため、作業者が保管場所を推測することはできません。フリーロケーションで管理する場合は、管理機能がある倉庫管理システムの導入が必須です。しかし、無駄なく倉庫の保管スペースを利用できるため、保管効率は高いです。

いいとこ取りをしたダブルトランザクション

固定ロケーションとフリーロケーションを組み合わせたのが「ダブルトランザクション」と呼ばれる方法です。仕組みは、倉庫内をピッキングエリアと、ストックエリアにして別々に分けます。

商品のピッキングエリアは固定ロケーション、入荷した商品の在庫を置くストックエリアはフリーロケーションで管理します。
特徴的なのは、ピッキングエリアの商品数を数日分に限定して、狭いエリアに数多くの商品がピッキングできるようにしている点です。その結果、作業者が歩き回らずに、効率的な作業が可能となります。

デメリットは、1日ごとに補充すべき商品数の算出と、日々の補充作業が欠かせません。そのため、アナログでの管理は困難でシステム導入が必要になることです。

ダブルトランザクションは、アパレルや雑貨など高頻度・少量納品の場合に導入される傾向があります。

倉庫でロケーション表示をする2つのメリット

倉庫でロケーション表示を行う上で得られる2つのメリットを紹介します。順番は以下の通りです。

  1. ピッキング作業の効率が上がる
  2. 技量に頼らずに一定の効率を期待できる

それぞれ説明します。

ピッキング作業の効率が上がる

商品の場所が決まっているため、作業者がピッキングを行う効率が上がります。

目的の場所を探しながらだと、作業者の歩くスピードが遅くなり、1時間あたりの作業効率を上げるのが困難です。しかし、作業者が迷わずに目的の場所まで行けると、歩くスピードが速くなり、ピッキングに要する時間も短くなります。

結果、作業者の無駄な動きも減り、体力の維持にも役立ち、効率アップも期待できるでしょう。

作業者の技量に頼らずに一定の効率を期待できる

ロケーションで管理すると、作業者の技量に頼らずに一定の成果が期待できます。前述のロケーション番号の仕組みを説明すれば、新人でもある程度のパフォーマンスで作業ができるからです。

また、すぐに作業に慣れられるため、ピッキング作業の習熟が早くなります。つまり、作業者個人の習熟度に依存した仕組みから脱却できます。

倉庫にロケーション表示を作る際の4つのコツ

ここでは、倉庫にロケーション表示を作る際の4つのコツを紹介します。順番は以下の通り。

  1. レイアウトをわかりやすくする
  2. 長いロケーション番号を作らない
  3. 数字の奇数と偶数に意味を持たせる
  4. エリアを色分けする

順番に説明します。

倉庫内のレイアウトをわかりやすくする

ロケーション表示をする前に、倉庫内の棚などの配置を番号が振りやすいレイアウトにしましょう。

レイアウトをわかりやすくすると、ロケーション番号が割り当てしやすくなり、整理も簡単になります。その結果、作業者が全体の把握もしやすくなり、作業効率が向上するでしょう。

複雑で長いロケーション番号を作らない

ロケーション番号に、細かい情報を入れ過ぎて、25桁や30桁など必要以上に長くしないようにしましょう。

必要以上に長いと、誤認やロケーションの情報把握に手間が掛かります。作業者がロケーション番号を一目でわかるような長さのものを作成しましょう。

数字の奇数と偶数に意味を持たせる

数字のみでロケーション番号を作成する場合、奇数と偶数にそれぞれ意味を持たせて、ロケーション番号を割り振りましょう。

もし、通路の左右に棚があるレイアウトなら、奇数を左側、偶数を右側などにすると、作業者が迷いにくくなります。

ロケーション番号を連番にすると、一見わかりやすいように見えます。しかし、商品のピッキングミスや補充ミスに繋がる場合があります。そのため、1・3・5・7の奇数番号は左側のロケーション番号にして、2・4・6・8は右側の通路に割り振るといった一定のルールを定めると、作業者の理解がより高まるでしょう。

倉庫内のエリアを色分けする

遠くからも倉庫内のエリアが把握できるように色分けをしましょう。色は数字と違い、遠くからも認識ができます。

倉庫内をエリアごとに、色の違うテープで囲ったり、カラーパネルでロケーション番号を表示したりするなど工夫しましょう。作業者は、色でエリアを判断できるため、番号を細かくチェックしなくても、保管してある棚の近くまで行けるようになります。

まとめ

倉庫のロケーション表示とは、商品の保管場所を誰にでもわかるようにするものです。この記事では、固定ロケーション・フリーロケーション・ダブルトランザクションと3つ紹介しました。

どれを利用しても作業者個人の熟練度に頼った仕組みからは抜け出すことができるようになるでしょう。

この記事を参考にして、自社の倉庫に合うロケーション表示のスタイルを検討してみましょう。

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