美容室やサロンでは、シャンプーなどの美容用品の在庫管理をする際に手作業も多く大変です。
しかも、日々の業務に追われて後回しになりがちです。しかし、安定した経営には在庫管理は不可欠です。
本記事では、美容室やサロンでの在庫管理の概要と、効率を上げるポイントを解説します。また、在庫の大部分を外部倉庫に預けて、在庫管理を簡単にする方法も紹介します。
効率的な在庫管理ができれば、利益率を高められる体制になるでしょう。
ぜひ最後までご一読ください。
目次
美容室やサロンで在庫管理がどうして重要なのか
まずは、美容室やサロンで在庫管理がなぜ重要なのかを確認しましょう。
ここでは、必要性と特徴の2つに分けて解説します。
なぜ在庫管理が必要?
在庫管理が店舗経営で必要なのは、お金の流れを知るためです。在庫は、お金が形を変えた姿といえます。
そのため、在庫管理がしっかりしていると、店舗経営が安定しやすいです。反対に、管理が雑で在庫過多や廃棄が起きている場合、資金繰りに悪影響が出ます。
例えば、店で販売するシャンプーを1本2,000円で仕入れても、売れずに期限切れで捨てるようなことがあれば損失です。これはお金を捨てているのと同じといえるでしょう。
逆に、このシャンプーを2,500円でお客様に販売できれば500円の儲けです。
このように在庫は、利益を生み出す一方で、損失も生み出します。したがって、店舗にある在庫の本数、使用期限、売れるペースを把握して、ムダな経費を減らしつつ、利益を出せれば店舗経営が安定します。そのためには、バランスの取れた在庫管理が重要です。
美容室の在庫管理の特徴
美容用品を扱う店舗での在庫管理は以下の特徴があります。
- アイテムの種類が多い
- デジタル化が不十分
- 専用の保管スペースが少ない
美容用品は、シャンプーやトリートメント、カラー剤だけでなく、化粧品も含まれる場合も多く、種類が豊富です。当然、扱うアイテムが多くなればなるほど、在庫管理は大変になります。在庫用の端末や保管設備がない場合が多く、手作業で管理するため、棚卸し際に大変な手間がかかるのが一般的です。
そのため、的確な在庫管理が難しく、欠品が起きなければOKぐらいの管理になりやすいです。しかし、店舗運営において、利益を出すには「何がどのくらい売れたか」「今在庫がどのくらいあるか」を確認して、把握することが大切です。
美容室やサロンの在庫管理が抱える主な3つの課題
美容室やサロンでの在庫管理の課題を3つ解説します。
- 過剰在庫によるコスト負担が重い
- 欠品による機会損失の影響が大きい
- 把握する内容が多い
それぞれの内容を把握して、在庫管理の課題解決のために参考にしてみてください。
過剰在庫によるコスト負担が重い
在庫が使用期限切れで廃棄になると、そのコストは無視できません。しかも、美容室やサロンでは、カラー剤やパーマ液など種類が多く、予想より使用できずに廃棄してムダになる場合があります。
当然、販売や施術で使用できずに売上につながらなければ損失であり、店舗経営を圧迫します。しかも、在庫の廃棄と併せて、売上が伸びないという状況だと、ダブルパンチでコスト負担が相対的に大きくなりやすいです。したがって、過剰在庫が起きない量にしないといけません。
そのためには、在庫の消費、販売ペースの把握が必要です。毎月どれくらいカラー剤やパーマ液をサービスで使用しているか記録を取りましょう。
欠品による機会損失の影響が大きい
来店客が欲しいと思った時に欠品していると、機会損失になるのは他の店舗ビジネスでも同じですが、美容室やサロンはこの影響が大きいです。理由は、次の来店までに数週間、場合によってはひと月以上の期間が空くからです。
ECの普及で、すぐに買えることが当たり前になりました。
そのため、衝動的に欲しいと思った顧客にすぐに提供できない機会損失は以前よりも影響が大きくなっており、顧客離れが起きてしまうかもしれません。他にも、欠品により施術する内容が影響を受ける場合はさらに問題です。予約なしの飛び入りであっても施術が行えないとなれば、機会損失になっています。
このように、在庫切れでお客様が欲しくても売れない状態は、売上を伸ばすチャンスを逃しており、上手な経営とはいえません。まずは、在庫切れ起こさない仕組みとして、発注タイミングを決めてスタッフに通知、張り紙をして防止策を取りましょう。
在庫管理で把握する内容が多い
美容室やサロンで扱うアイテムは、チェックする内容が多いです。
例を出すと以下のとおり。
- 品目(シャンプー、パーマ液、カラー剤など )
- 数量
- 使用期限
- 包装材料
- サンプル
これ以外に、施術で使っている美容用品の残量もチェックしないといけません。
美容用品や化粧品には、推奨される使用期限があり、過剰在庫になると期限切れのリスクが高くなりますメーカーでは、製造から3年(未開封)以内を使用期限としています。しかし、食品のように具体的な日付は記載されていない場合が大半です。お客様が購入してから3年というわけではないため、早めに売り切るつもりで対応しましょう。また、製造元がパッケージを変えると、古いデザインのロットは割引してでも販売しないと売りにくくなる場合もあります。
このように、美容室やサロンでは、アイテムの種類や数だけでなく、使用期限など管理する内容が多いです。まずは、在庫管理表を作って把握するのが基本的な対策方法になります。
手間がかかるものの、効果的な方法といえるでしょう。
美容室やサロンの在庫管理の効率を上げる3つの方法
美容室やサロンの在庫管理を効率的にする方法を3つ紹介します。
- 発注する基準を明確に設ける
- 在庫管理システムを導入する
- 在庫管理を外部に委託する
それぞれ確認していきましょう。
発注する基準を明確に設ける
在庫が一定数を下回った時点で発注する「基準」を決めましょう。
これにより欠品リスクを回避しつつ、不明瞭な基準でムダな在庫を抱えるのを防げます。
施術で使用している場合は、毎月の使用量の平均を算出。在庫切れになる1週間ほど前に発注をあらかじめ組んでおくと効果的です。
店で販売している場合も同様に毎月の売れる本数を把握し、欠品になる前に発注するタイミング(〇本以下になったら)を決めておきましょう。
これだけで、在庫管理が一段高いレベルにでき、適切な量を維持しやすくなります。
在庫管理システムを導入する
専用の在庫管理システムを導入して、作業効率を上げる方法もあります。多くの美容室やサロンでは、POSやエクセルを在庫管理に活用します。
このPOSやエクセルを使った在庫管理は大変効果的です。ただし、作業や打ち込みに労力がかかるといった業務負担の軽減には効果的とはいえません。
その点、在庫管理システムなら打ち込み作業が容易になり、業務負担が軽くなります。バーコードリーダーなどの読み込み端末を同時に使うと、さらに効率化が可能です。
他にも在庫管理システムには、顧客情報の登録や需要予測などのデータ活用の機能が搭載されたモデルがあり、店舗運営にも役立ちます。
ただし、システムを導入する際には、初期費用や月額費用がかかるのがネックです。
在庫管理を外部に委託する
前述のように美容室やサロンでは、在庫の数量だけでなく、品質保持や使用期限の管理が求められます。特に課題となるとは、使用期限のチェックなど手作業による労力でしょう。しかし、美容室やサロンは施術が業務の中心であり、在庫管理に時間や労力を割くのは優先度が下がります。
そこで、店舗に置く在庫は最低限に抑えつつ、外部の倉庫に在庫管理を委託すれば、管理の体制の強化が可能です。また、規模を大きくしたり、ECを展開したり際に社内リソースを節約しながら、コア業務に集中できます。社内対応だけでなく、在庫管理を委託することも選択肢の1つではないでしょうか。
在庫管理を外部委託して起きること5選
在庫管理を外部委託することで起きる変化を5つ紹介します。
- 保管スペースを削減できる
- スタッフの負担が減る
- 在庫管理のデータ活用ができる
- ECを展開する際にも役立つ
- 在庫保管と発送に費用がかかる
一つずつ確認していきましょう。
保管スペースを削減できる
在庫管理を外部に任せると、美容室やサロン内で在庫を保管するスペースを削減できます。店の間取りによっては、施術スペースを広げることも可能です。
店の休憩スペースに在庫品を置いている場合は、スペースが広くできるため、待遇改善やスタッフの定着率にプラスになるでしょう。このように在庫管理を委託することで店に置く在庫を最小限にしつつ、環境整備ができます。
また、保管用の部屋や別途スペースを借りている場合は、賃料を減らし固定費の削減にもなるでしょう。
スタッフの負担が減る
在庫管理を委託すると、店のスタッフの負担が減り、施術などのサービスに業務に集中できる環境が整います。在庫のほとんどを外部倉庫に預け、店に置くのは最低限にできるため、手作業での確認や打ち込み作業の時間を減らすことができるからです。
これにより、スタッフには既存顧客へのフォローや、新しいサービス開発に時間が確保しやすくなります。また、情報発信やチラシ作成など営業に関わる分野に労力を回すこともできるでしょう。
在庫管理のデータ活用ができる
外部倉庫に在庫を預けると、在庫情報が委託先からオンラインで提供されるため、データ活用がしやすい環境ができます。この在庫データは、以下の用途で活用できます。
- 需要予測
- 発注タイミングの把握
- 過剰在庫の防止
以上のように、データ活用をすることで在庫量の適正化や在庫管理のレベルを引き上げることが可能です。最近では、リアルタイムで在庫をチェックできる場合も多く、利便性が増しています。他にも、棚卸し際の計算ミスの防止にも効果的です。委託先の倉庫で、データと実際の在庫数との比較もしてくれるからです。
つまり、手作業で在庫を調べるのに手一杯だった作業にゆとりができ、データ活用をすることで店舗経営をより高めることができるでしょう。
ECを展開する際にも役立つ
ECを展開する場合にも在庫を外部委託していると大変便利です。
そもそも商品の保管や、発送業務の委託を請け負っている倉庫は、効率的かつ正確に荷物を出荷するための設備や環境が整っています。そのため、美容用品の形や状態(液体や固体)に対応した梱包やラッピングも対応可能です。社内対応と比べても業務効率化になるでしょう。また、外部委託であれば年中無休で発送ができます。スピーディーに商品を顧客に提供できるため、競合との差別化にもなるでしょう。
在庫保管と発送に費用がかかる
外部倉庫に在庫の保管や管理を委託すると毎月費用がかかります。この費用は、固定費(毎月定額で発生)と変動費(出荷量や件数で変わる)で構成されています。
それぞれの費用と作業内容を一覧にすると以下の通り。
| 費用 | 分類 | 内容 |
|---|---|---|
| 固定費 | スペース利用料(倉庫保管料) | 倉庫内で借りる商品を保管するスペース(坪単位が多い) |
| システム利用料 | 倉庫が導入しているシステム使用料 | |
| 変動費 | 入出庫作業 | 商品の入出庫に関する費用 |
| 検品 | 商品の状態チェック | |
| ピッキング | 保管している商品の取り出し | |
| 梱包 | 段ボールに商品を梱包 | |
| 配送 | 商品の配達料 | |
| 追加作業 | バーコード貼付 | 必要に応じて依頼する作業 |
| ラッピング包装 | ||
| カタログなど販促物の同梱 |
これらの料金は倉庫ごとに異なり、提供されている作業や分類も異なる場合があるため、確認が必要です。一見、費用が高くつきそうに見えるかもしれません。しかし、代わりにスタッフの労力が軽減され、自由に使える時間が手に入ります。
在庫管理に適した倉庫を選ぶ3つのポイント
在庫管理に適した倉庫を選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
- 温湿度管理の有無
- 美容用品の取り扱い実績
- 配送体制の柔軟性
これら3つのうち、2つは備えている倉庫を選ぶようにしましょう。
温湿度管理の有無
在庫を預ける倉庫内が温湿度管理されているか確認しましょう。預ける美容用品の形状や成分などによって、適切な保管方法が異なる場合があるからです。
化粧品が含まれている場合は、15~25度で温度変化が少なく、直射日光の当たらない保管環境があると最適とされます。温湿度管理は、在庫の品質劣化の防止に直結するため、倉庫選びでは最重要の項目になるでしょう。
まずは、温湿度管理が整っている倉庫であることを委託先のホームページで調べてみてください。
美容用品の取り扱い実績
倉庫がヘアケア用品や化粧品の取り扱い実績があるか確認しましょう。取り扱いに慣れていれば、品質管理や在庫管理に十分なノウハウがあるからです。美容用品の使用期限切れのチェックなど、取り扱いに慣れている倉庫であれば、確認作業も確実にできます。同時に、ミスやトラブルも少なくでき、店舗での業務負担も軽くできます。
委託を請け負っている倉庫は取り扱い実績を公開している場合が多いので、まずは実績をチェックしてみましょう。
配送体制の柔軟性
倉庫から店舗に迅速かつ柔軟な配送ができるという点も重要です。SNSがきっかけで、店に保管している在庫が一日で売り切れるという場合もあるからです。
そのような場合、すぐに対応できる倉庫を選ぶと機会損失を最小限にできます。
次に、委託先の倉庫との距離も確認しておきましょう。配送コストを下げられ、配達までの時間も短縮できるからです。この倉庫の立地と配送の柔軟性は、ECを展開する際にも有利になります。
ECでは、配送スピードの重要度が高くなっており、顧客の元に翌日配送が可能だと高い利便性を提供できるからです。
委託先の配送の仕組みと、倉庫の立地を確認しましょう。
美容室やサロンの在庫管理は株式会社MOTOMURAの発送代行サービス
在庫管理は、品数が少ないうちは社内で対応可能です。しかし、種類が増えていくと、手間がかかり、スタッフの負担が問題になっていきます。特に、規模を大きくしたり、店舗ビジネスと並行してECを展開したりする場合は、在庫管理の重要度と難易度が上がります。
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美容室の在庫管理は店舗運営の基盤:まとめ
美容用品やサロンの在庫管理は、店舗運営の利益を決める重要な要素です。
しかし、スタッフの作業負担は大きく、商品の種類を増やすほど在庫管理が難しくなります。そこで、店の在庫を外部の倉庫に預けて、在庫管理を効率化してみませんか。店舗には最低限の在庫を置き、必要に応じて発送を指示すれば店に大量に保管してなくても済みます。
スタッフの負担も軽減でき、施術に集中できる体制が作れます。また、複数の店舗を展開する場合や、ECを展開する場合でも有利です。
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