物流における需給管理とは?必要性や課題・実例を詳しく解説

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需給管理は、利益を生み出すことを目的とする限り、すべての企業にとって重要な課題となります。

円滑な需給管理とは、企業を構成する「ヒト」「モノ・サービス」「カネ」「情報」が滞りなく流れることです。また、お客様やステークホルダーの利益、安全・安心、快適なライフサイクルが高いレベルで守られることを意味します。物流業においても、ロジスティクスSCM(サプライチェーンマネジメント)を考える中で重視される点です。

本記事では、需給管理の意味、必要性、課題、最新の事例をわかりやすく解説します。

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需給管理とは

需給管理とは、需要と供給のバランスを最適化する仕組みを構築し、それが適切に機能するよう促すことです。具体的には、顧客に成果物を過不足なく供給できる体制を維持するために、あらゆる資源を投入するとともに、時流に応じた適量の原材料を調達・管理し、いつでも生産に活用できるようにすることです。

需給管理の成否は以下の点に左右されます。

  1. 市場動向、顧客ニーズ、市況、物価、トレンド、関連するサプライヤーやサプライチェーンが置かれているリアルタイムの状況、政府の政策などの情報を正確に入手すること。
  2. 上記の情報を分析・活用し、製造・販売・在庫調整・物流のバランスとフローを遅滞なく最適化すること。

需給のミスマッチを回避するのが需給管理の最大の役割です。しかし簡単なことではありません。例えば、コロナ禍による経済状況の激変とサプライチェーンの寸断により、半導体の供給不足が世界的に深刻な問題となりました。そのため、大きな打撃を受けた自動車産業やスマホ・PCなどの精密機器メーカーの多くが生産停止や出荷縮小を余儀なくされました。また、事態が長期化したため、政府や関連企業は先行きが見えない中で優先順位を決めながら、次善の策を模索する緊張した日々を送ることになりました。2022年に入り、欧米を中心にウィズコロナ生活が浸透すると、市場環境は徐々に回復の兆しを見せ始めました。今度は収益改善を目指し、大手企業を中心に半導体の生産が軒並み大幅増となりました。しかし、多くの人の意に反して、やがて半導体は供給過剰となり、例えば、米・インテル社は第2四半期に22%もの赤字を計上する結果となりました。まさに需給管理の難しさを物語っています。

需給管理の必要性

資源にしろ、商品やサービスにしろ、何らかの理由でサプライチェーンに支障が出るとたちまち需給バランスは崩れ始めます。スーパーコンピューター「富岳」による試算では、仮に2ヶ月間、中国製品の8割の輸入がストップしたとしたら、国内の約53兆円もの生産額が消失するという結果が出ました。この事実に触れるだけでも、世の中は無数ともいえる需給管理と需給バランスのもとに成り立っていることが理解できるでしょう。それくらい、私たちの生活や経済活動において、需給管理の重要性は極めて高いということです。需給計画が正常に進まなければ、新たな調達先の確保や、逆に生産を停止する必要に迫られることもあり得ます。加えて、ときに需給管理は、その分野からの撤退を決断する判断材料としての役割も担っているといえるでしょう。

需給管理の課題

需給管理が重要と分かっていても、それを阻む課題がいくつも存在します。以下で、具体的に見ていきましょう。

需給予測の難しさ

先の半導体の例のように、気候変動、疫病の流行、紛争など、世の中では予測困難な事象が次々と発生し、その影響を強く受けやすいのが、需要と供給の関係です。よって、予測はあくまで予測であり、過不足なくピッタリという結果は非常に難しいといえるのです。

在庫の過不足による収益悪化と機会損失

生産過剰になれば、在庫過多となり収益を圧迫します。かといって、欠品が出ると機会損失を起こし、収益増のチャンスを逃すことにつながります。一度でも大きな失敗をすると、需給予測には慎重にならざるを得ず、それがかえって需給管理を難しくする一因にもなるのです。

膨大なデータの収集と管理が負担

適切な需給管理には、膨大なデータの収集と活用が必須です。しかし、的外れなデータをいくら集めても需給予測の精度は上がりません。ただ、適切なデータを必要十分なだけ集めるには多くのコストや手間がかかります。加えて、担当者にとって、それらを守備よく整理して有効活用するのは、大変な負担であり、決して簡単ではないのです。

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