輸送費の高騰で、今まで以上に負担が増していませんか?輸送費の高騰は、新聞やニュースで度々取り上げられていますが、何が原因なのかは明確に説明がされていない場合が多いです。原因がわからないと、今後の見通しの検討もつけられません。
そこでこの記事では、輸送費が高騰したきっかけや、対策などを以下の順番で紹介します。
- 輸送費の高騰した理由
- 高騰した4つの原因を説明
- 輸送費の今後の見通し
- 高騰した輸送費への対策
残念なことですが、2022年以降も輸送費の高騰は続くと予測されています。紹介する内容を参考にして、負担を軽減する方法を見つけられるようになってください。
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目次
輸送費の高騰した理由とは
輸送費の高騰のきっかけは、2020年半ば頃のコンテナ不足だといわれています。海上輸送に使うコンテナの数が不足した結果、輸送費が高騰しました。しかし、約2年経った今年(2022年)も輸送費は高騰したままです。値段が下がらない理由は、複数の要因が重なった結果といわれています。
主な要因は以下の4つです。
- 海上コンテナの不足
- 新型コロナウィルスの感染拡大による都市封鎖
- 労働者不足による港湾機能の低下
- 巣ごもり需要による荷物量の急増
これらの理由が重なり、海上輸送の運賃が高騰、その他の輸送費も値上がりしたとされています。
輸送費が高騰した4つの原因を説明
この章では、輸送費が高騰した4つの原因をそれぞれ説明します。内容は以下の通りです。
- 海上コンテナの不足
- 新型コロナウィルスの感染拡大
- 巣ごもり需要で荷物量の急増
- 港湾機能の低下
これら4つのうち、海上コンテナ不足は解消されつつあるとされています。
1. 海上コンテナの不足
2020年に海上輸送で使用するコンテナ不足が表面化しました。原因は、中国が海上コンテナの生産量を絞ったのが直接的な要因です。実は、世界で使用されている海上コンテナのほとんどは中国で生産されています。そのため、中国が海上コンテナ最大のサプライヤーといえるでしょう。ところが、2018年から翌年2019年に約40%もコンテナの生産量を落としました。きっかけは2018年頃に発生した「米中貿易摩擦」です。その結果、アメリカ向けの荷物量が低下。用途が減ったコンテナの生産量を削減しました。生産量を落とした影響で、2020年頃から荷物量に対して、コンテナ不足が顕著になっていきます。同時に運賃が高騰。2021年末には、上海からアメリカ西岸向けのコンテナ運賃が7,681ドル(40フィートコンテナ)となり、5週連続で過去最高値を更新しました。
2. 新型コロナウィルスの感染拡大
2020年、新型コロナウィルスの感染拡大の対策として、欧米の主要都市はロックダウン(都市封鎖)をして、一時的に人と物の両方の動きを止めます。当初、荷物量が減ると予想されたものの、欧米各国では巣ごもり消費で荷物量は急増。その結果、深刻な海上コンテナ不足になり、海上輸送費が高騰します。さらに、新型コロナウィルスの感染対策で、海上コンテナの荷下ろしに使用される主要な港も閉鎖されていました。さらに閉鎖の影響で、港で働く労働者も制限され、港湾機能が低下していたのです。
以上のように、新型コロナウィルスの感染対策が物流を滞らせる2つ目の要因となりました。
3. 巣ごもり需要で荷物量の急増
新型コロナウィルスの感染対策でロックダウン(都市封鎖)をした結果、今まで以上にオンラインで買い物をする人が増えました。いわゆる巣ごもり需要と呼ばれる現象です。その結果、荷物量が急増します。しかし、ロックダウンの影響で、商品を生産する工場は操業を停止しており、物流は滞っていました。そこに、急増した荷物と前述したコンテナ不足が重なり、輸送費が高騰していきます。
4. 港湾機能の低下
コンテナ不足と荷物量の急増だけでなく、3つ目の要因が港湾機能の低下です。新型コロナウィルスの感染対策の影響で、港で働く労働者の数が減っていました。そのため、コンテナの中身を取り出す作業も労働力不足で、今まで以上に時間がかかる状態になります。結果、増えた物量でコンテナが港に山積みとなり、スペースを圧迫。主要な港では、海上コンテナを積んだ船が沖合で順番待ちをする事態になります。アジア方面では、シンガポール港や中国港(塩田港・寧波船山港)などで大混雑が起きて、海上コンテナの荷下ろしが出来ない状態になります。アメリカ・ロサンゼルス港では、空のコンテナが港のスペースを圧迫する事態に発展。対策として同港では、空のコンテナを9日以上港内に滞留させた海運会社には手数料を科すという発表をしました。加えて、予定していた期日に荷物の引き取りができない場合は、延滞料も発生。当然、延滞料などの追加費用は物流コストに転嫁され、輸送費の高騰が拡大したとされます。
高騰した輸送費の今後の見通し
コンテナ不足が解決されても輸送費の高騰は続くと予想されています。ウクライナ紛争により、原油価格の高騰が起きているからです。ロシア産原油の禁輸措置により、原油の供給不足が強まるとされ、2022年6月の価格は1バレルが110ドル代にまで価格が上昇。今後は景気後退の懸念から、価格は下落するとの予想もされていますが、確証はありません。燃料代が高騰すると、物量に関係なくコストが転嫁されて、物流コストが全体的に上がります。したがって、輸送費の高騰は続く可能性が高いです。
高騰した輸送費への対策
ここからは、高騰している輸送費の対策例を紹介します。本当に効果のある対策は、事業者ごとの事情に合わせて考えなくてはいけません。そのため、1つの方法だけでは解決は難しいでしょう。つまり、複数の方法を検討し、効果が期待できそうなものから実施。結果を確かめるのが堅実といえるでしょう。
対策の例をあげると、以下の通りです。
- 代わりの輸送方法(鉄道や陸送)を検討
- 倉庫や製造所の在庫の見直しと適正化
- コンテナの共用化
- 混載コンテナの利用 など
使い古された方法を感じるかもしれません。しかし、複数の方法を組み合わせれば、その効果は決して小さいものではないといえるでしょう。トラック事業者の場合は、燃料サーチャージの導入を本格検討してもよいかもしれません。燃料サーチャージは燃料価格に合わせて調整ができます。まずは、効果がありそうなものから試して、数値を記録として残し、経過を観察してください。
関連記事:物流業界に導入が進むトラックの燃料サーチャージとは?計算方法や交渉に関するポイントも紹介
事業者ごとに高騰した輸送費の対策を検討し実施する
現在の輸送費の高騰は、複数の要因が重なったため起きたとされています。今後、景気が後退すると、需要が変化して高騰していた価格が落ち着く可能性はあります。
しかし、高騰した理由が複数の要因が組み合わさっているため、原油価格や物量だけでなく、いくつかの理由が解消されないと、値段が高止まりし続けるかもしれません。楽観視せずに対策を検討、実施しましょう。
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