在庫引当とは

在庫引当とは?

在庫引当とは、お客様からの注文を受けた際に、実在庫数から受注分の在庫数を引くことを指します。在庫引当を行うことで、販売可能な有効在庫数を把握し欠品の発生を防ぐことができます。

顧客から受注してから発送に移るまでにはタイムラグが少なからず存在します。在庫引当を行わずに次から次へと受注を確定してしまうと、受注してしまったのに欠品していた、ということにもなりかねません。

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在庫引当の重要性

例えば、ある通販サイトで商品が「翌日発送」となっており、購入をしたとします。大抵のサイトでは注文したと同時に『注文を承りました。発送の際再度連絡させていただきます。』といったことが記載されたメールが送られてきます。

そのメールをみて、明日発送だから遅くても明後日には到着するだろう、とお待ちになるはずです。 ところが発送の連絡ではなく、『現在欠品しています。発送まで4,5日かかります。』と連絡が来たらどうでしょう。

急ぎの買い物であればキャンセルして急いで買い物に出かけなくてはならないこともあります。

このように、在庫引当を行わないで販売業務を行っていると販売機会の喪失や納品の遅延に繋がり、顧客からの信頼を損なってしまうことになるのです。

また正確な在庫数を把握することで、余剰在庫のような過剰な仕入れ防止にもつながります。余剰在庫は在庫管理や保管スペースで無駄なコストを発生させてしまいます。

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引当在庫数・実在庫数・有効在庫数について

在庫引当を理解するうえで正しく理解しておきたい3つの在庫数について解説します。

引当在庫数

引当在庫数とは、顧客からの受注により在庫引当を行う在庫数を表します。

実在庫数

実在庫数とは、現状在庫として抱えている数量を表します。

有効在庫数

有効在庫数とは、現状在庫引当を行った上で、販売可能な在庫数を表すものです。

以下の式で算出できます。

有効在庫数 = 実在庫数 – 引当在庫数

有効在庫数を知る上でも、在庫引当の作業が重要となることがお分かりいただけるでしょう。今ある在庫が販売可能数とは限りませんから、在庫引当を行い迅速にニーズに応えるためにも有効在庫数を随時把握しておくことが重要なのです。

在庫引当の2つの実施方法

在庫引当そのものは難しいものではありません。適宜在庫数を正しく把握し、受注があれば在庫引当を行い有効在庫数を把握するだけです。

手作業で常に計数を行う現場もありますが、効率よく作業したい場合にはExcelのような表計算ソフトを使う方法やWMSのような在庫管理システムを導入する方法があります。

①簡単な在庫引当の実施方法【Excelの利用】

Excelで実在庫数・引当在庫数・有効在庫数を把握するための表を作成し、随時更新する形でも効率化することも可能です。

商品ジャンル毎にシートを分けて、

  • 商品名
  • 最終更新日
  • 実在庫数
  • 引当在庫数
  • 有効在庫数

を商品ごとに表示するようにさせると良いでしょう。いくつかの関数を知っておくと、データ入力すれば自動的に有効在庫数を表示し、在庫数が少ない商品を表示させるような仕組みを作成することもできます。

シートの使い分け方、レイアウトのカスタマイズ次第で中小規模の在庫引当の効率化に繋げられる方法ですから、コストを抑えて在庫引当を行うにはおすすめの方法です。

ただし以下のようなケースでは、簡単な作業とはいえ随時在庫引当を手作業で行うのも難しくなってきてしまうでしょう。

  • 毎月の受注件数が多い
  • 商品数が多い
  • 在庫を保管している倉庫が遠方にある
  • 事業規模が大きい

②効率的な在庫引当の実施方法【在庫管理システムの導入】

コストはかかるものの、効率的にシステムを自社で用意することなく、在庫引当はもちろん在庫管理を行えるようになるのが、在庫管理システムを導入する方法です。

システム導入することで、発注から発送までの商品データ管理・顧客管理・在庫管理を一元管理することができるため、在庫差異を最小化し、欠品を防ぎつつ、業務効率化を実現することもできます。

WEBから閲覧可能なものも多いので、営業所や事務所が各地に点在していたとしても、在庫状況をリアルタイムで共通のデータとしてどこからでも見られるようになるので、営業職が顧客先での商談の際にも役立つことはいうまでもないでしょう。 また大きなメリットとして、リアルタイムに更新されるため、発注してまだ商品が届いていない状態でも、タイミングを抑えて先の予測と組み合わせた迅速な販売行動を行うことも容易となります。

在庫引当を効率化できる在庫管理システム導入時の費用相場

在庫引当をより効率化し、システム化することで社内業務の大幅効率化に繋げられる在庫管理システムですが、導入にあたっては費用がかかります。 在庫管理システムは大きく以下の2つのパターンに分けられます。

  1. クラウド型:インストール無しで利用でき、初期費用が抑えられる
  2. パッケージ型:インストールして利用する、機能が充実しているが初期費用はかかる

①クラウド型在庫管理システム導入時の費用相場

クラウド型の在庫管理システムを導入する場合にかかる費用の相場は以下です。

  • 初期費用:0~10万円
  • 月額費用:3,000~70,000円

システム導入する、と聞くと多額の費用がかかるのではないかと想像される方が多いでしょう。こう見るとクラウド型はとても安価に見えるのではないでしょうか。 費用が抑えられる分、システム的には小規模事業者向けであること、機能面では業界に特化した利便性というよりも、汎用性が高くある程度機能も限られてしまう為、特殊な在庫管理が必要な業種や、規模の大きな事業者では利用しずらく感じてしまうかもしれません。 小規模・中規模事業であれば機能は限られているとはいえ、汎用性の高い作りになっているものも多いため、不便を感じるシーンは少ないでしょう。 また費用が抑えられている分、出荷件数により月額費用が異なるものも多いため、どのようなサービス内容なのかは事前チェックが必須です。

②パッケージ型在庫管理システム導入時の費用相場

パッケージ型の在庫管理システムを導入する場合にかかる費用の相場は以下です。

  • 初期費用:300~1,000万円
  • 月額費用:0~100,000円

クラウド型を見た後では、かなり高額に映る初期費用が気になる方も多いのではないでしょうか。とはいえ、月額費用はクラウド型より抑えられるケースも少なくありません。 初期費用が高額であるのには、パッケージ型はシステム購入と合わせ、導入する際のサポート、稼働に必要なサーバーの費用とサーバーの構築にかかる費用も含まれます。 自社で既に導入しているシステムと連動させられるものの場合、サーバーを新たに購入しなくても稼働できる場合もあり、初期費用も抑えられるでしょう。 月額費用が何故かかるのか、というとこれにはトラブルがあった際のサポート、日常的にシステムを利用していくうえでのサポートや、保守にかかるコストが計上されているためです。 クラウド型のように汎用性が高い物ではなく、業界特化型のシステムや、自社にとって最適な形となるようカスタマイズできるパッケージ型では、日頃からのサポートは重要性も高くなります。

在庫管理システムの基本を紹介|メリット・デメリットやフリー版の賢い使い方も紹介

まとめ

在庫引当について解説させていただきました。在庫引当を理解するうえで重要な、引当在庫数と実在庫数・有効在庫数についてもご理解頂けたでしょうか。 在庫引当を行うことで得られるメリットは業務上だけのものではなく、将来的な顧客とのエンゲージメントにも大きく寄与するもの。 本記事でお伝えした在庫引当の2つの実施方法についてもご検討いただき、御社の今後ますますのご発展に役立てていただければ幸いです。

物流業務に課題を感じる方は、アウトソーシングも検討してみましょう。まずはこちらをご活用ください。

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