物流とは?|物流とロジスティクスとの違いや物流の6大機能

物流センター

物流とは元々、物的流通(Physical Distribution)を略した言葉ですが、近年ではロジスティクス(Logistics)全体を指して使われることも少なくありません。

物流は、商品を供給者から需要者に移動するまでの生産・保管・輸送といった一連の物の流れを指し、商流や金流といった流通を構成するものの一部です。

そして近年では、企業の業績を上げるためには、商流と物流の流れを強化する必要があると言われています。

そこで今回は、物流業務の担当者や物流について知りたい人向けに、以下の流れで解説いたします。

  • 物流とは何か
  • ロジスティクスとの違い
  • 物流の6つの機能について
  • 物流の課題

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物流とは?

物流とは、輸送および配送、保管、荷役、梱包・包装、流通加工、情報処理の6つの活動全体のことを指します。これらの活動を「物流の6大機能」と呼び、商品の製造から配送、最終的な消費者への到達までの一連の過程をサポートする役割を持ちます。

物流の役割と重要性について

グローバルな経済環境の中で国際的な取引やサプライチェーンマネジメントにおいても、物流は中心的な役割を果たしています。この役割は、企業が競争力を保持し顧客のニーズを満たすための鍵となります。

例えば身近な例で言えば、ネットショッピングで買い物をすれば、当日〜1週間で届くのが当たり前という認識になっている方も多いでしょう。しかし、こうした便利な世の中やビジネスを支えているものが物流です。

商品が消費者に届くまでには(あるいは届いた後も含めて)物流は工程ごとに大きく5つの領域に分かれているとされます。

物流の5つの領域
調達物流商品を製造するための原材料や部品を運ぶモノの流れのこと。流通業では商品の仕入れも調達物流に含まれる。
⽣産物流工場内での調達した原材料や部品、資材の管理や移動および製品の管理、梱包・包装、倉庫へ発送までを含むモノの流れのこと。
販売物流完成した商品を、物流センターや倉庫などを介して⼩売店、消費者まで運ぶためのモノの流れのこと。
回収物流不良品や売れ残りの商品、容器、包装などを回収して再資源化するスキームの中でのモノの流れのこと。
リサイクル物流空き缶やペットボトル、古紙などの回収と再資源化までのモノの流れのこと。

生産・販売においても物流戦略は経営において重要な役割を持っています。効率的な物流管理は、過剰な在庫を抑制し資金を他の重要な事業活動に再投資できるようにします。他にもリードタイムの短縮や顧客満足度の向上など多岐にわたる利益をもたらします。反対に言えば、物流の品質が下がること(誤出荷、商品の破損、在庫差異)は、顧客満足度を下げることとなります。

このように、物流は企業の成功に直結する要因となります。市場への迅速なアクセス、顧客の期待に応えるための適時性、そしてコストの効率性は、物流の最適化によって達成されます。

物流とロジスティクスとの違い

一方で、物流と似た意味合いで使われるロジスティクスという言葉があります。

ロジスティクスは物流よりも広い意味を持った考えであり、ロジスティクスの中に含まれる1つに物流があるという認識が正しいとされています。というのも「物流」の役割は、単に「注文に応じて在庫から消費者に商品を流すこと」であり、調達や在庫管理とは別のものという認識があるからです。しかし、時代とともにロジスティクスの概念が広まり、経営的観点から「需要に応じたモノを調達し、在庫として保管し、注文に応じて配送する」ことを一元的に管理して、各工程のムダを無くし最適化することの重要性が考えられるようになりました。したがって、これら物流とロジスティクスの言葉の違いを明確に理解し使い分けている場合とロジスティクス全体を指して「物流」と呼んでいる場合があります。

ロジスティクスをうまく機能させるためには「適切なモノ」を「適切な場所」に「適切な時間」に「適切な条件」で「適切なコスト」で届けることが重要です。これをロジスティクスの「5適(5R)」と言います。

物流の6大機能について

物流の6大機能

物流には6つの機能があるとご紹介しました。スムーズかつ適切な物流を実現するために何が重要なのか、まずは6つの機能についてそれぞれ、詳しく見ていきましょう。

  1. 輸送および配送機能
  2. 保管機能
  3. 荷役機能
  4. 梱包・包装機能
  5. 流通加工機能
  6. 情報処理機能

物流は、おもに生産者から末端の消費者に荷物が届くまでの流れであり、それぞれの6つの機能がしっかり連携することが重要です。とどまることを知らない宅配需要の激増、頻発する災害に起因するサプライチェーン被害等に屈しない、強靭かつ柔軟性に富んだ物流システムを構築するには、6大機能の充実が不可欠といっても過言ではありません。

① 輸送および配送

輸送および配送とは、モノを目的地まで運ぶことです。生産者から消費者に荷物を届ける業務が輸送と配送で、物流コストの6〜7割前後を占めると考えられてます。

厳密にいうと「輸送」と「配送」では以下のように意味が異なります。

  • 輸送:国や都道府県をまたぐほどの長距離にわたって荷物を運ぶこと。
  • 配送:同じ市町村内にある集配所から消費者の自宅といった短距離で荷物を運ぶこと。

輸送と配送が、物流コストの大半を占めるのは、運送業者が負担する燃料費と人件費、さらに物流に特化したトラックや貨物車、船舶、航空機等といった輸送機器の製造や購入、整備等にかかる予算が莫大であることによります。とくに2022年のロシアによるウクライナ侵攻のような国際紛争によって、燃料が高騰すると、輸送・配送コストの値上がりも顕著になります。人件費をのぞいた、燃料費と輸送機器関連コストは、とりわけ運送業者の手を離れた外的要素に左右される割合が大きいため、企業努力にも限界があるといえるでしょう。

輸送および配送の業務効率改善に有効なのは、倉庫の立地を交通アクセスのよい処に見直す事ですが、初期コストはかかるものの現状のような輸送コストの大幅な上昇による損失も削減できます。

② 保管

保管とは、モノを預かり保っておくことです。生産者から小売業者や消費者に荷物が届くまでの仲介的役割を果たすのが、保管機能になります。その主役は物流倉庫物流センターです。生産者から消費者へダイレクトに荷物を届けることが理想ですが、それは時間的にも物理的にも難しいことが多く、各小売や卸業者・消費者の都合・輸送トラックの手配も含めた調整がなされるまで、倉庫などで在庫として管理することになります。

さらに保管には、以下の役割も求められます。

  • 倉庫内のセキュリティ対策
  • 商品の損傷・劣化の防止対策
  • 温度・湿度管理
  • 特殊な環境下での保管・管理

③ 荷役

荷役は、モノを動かすことです。具体的には、「荷揃え」「積み付け/棚卸」「運搬」「仕分け」「集荷(ピッキング)」といった作業の総称です。

トラックから荷物を下ろし、仕分けて在庫棚に収納、オーダーに合わせてピッキングしたらトラックに積み込み、場合によっては客先のバックヤードへの入出庫も「荷役」に入ります。

近年、荷役に関連した機械化やデジタル化の進歩は著しく、人によるハンドル操作が一切必要ない自動搬送車やAIを使った自動ピッキング、移動式在庫棚など、人手不足解消や迅速な配送需要への対応を可能にするさまざまなツールが、登場しています。

④ 梱包・包装

いかなる商品も裸のまま消費者に届けるわけにはいきません。食品なら品質低下や腐食を招くおそれがありますし、その他日用品をはじめとするあらゆる商品は、破損するリスクが極めて高くなるからです。そこで欠かせないのが梱包・包装です。

包装は、大きく「個装(個別包装)」「内装」「外装」の3つに分けることができます。

  • 個装:商品自体を包む、一番目の包装になります。菓子や文房具、家電製品のパーツなどをビニール等で包んだり袋に入れたりする例があります。
  • 内装:個装した商品をさらに大きな袋に入れたり、1ダースごとに箱詰めしたりするのが内装になります。
  • 外装:内装した商品などをさらに大きなダンボール箱や木箱などに入れるのが外装です。法人向けの大型機械などは、温度や湿度調整のために木枠に収めることが多いですが、この場合は、外装というより「梱包」という表現の方が適しているでしょう。

⑤ 流通加工

上記の「包装」と密接に関わるのが、流通加工です。小売店などの顧客に向けて商品を出荷する前に行う加工作業になります。

検品、ギフトラッピングや贈答用の箱詰め、値札貼付、さらに個装や内装の際に透明フィルムでパッケージするシュリンクも流通加工の一種です。

⑥ 情報処理

情報処理は、モノの動きや数量を管理することです。商品が入庫してから出庫して顧客に届くまでの各工程の動きや数量を管理する情報処理こそが、各物流機能の適切な連携を促す心臓部といってよいでしょう。

情報処理には、倉庫管理システム(WMS)輸配送管理システム(TMS)などが使用されます。

倉庫管理システム(WMS)で、商品の種類やロット、数量を把握できます。あわせてバーコードや二次元コードと連動して倉庫内でのロケーションを管理、ハンディーターミナルやAIを使ったピッキング、そして出荷まで、どの商品がどこで、どの様な状態にあるかをすべて把握可能。

ペーパレス化により人の手で書き込む作業がほぼなくなるため、ヒューマンエラーを飛躍的に減らせる上、業務効率の大幅改善が実現します。さらに、輸配送管理システムを使うと、配車や最短ルートの指示・積載量の最適化・ドライバーに代わり日報作成から運賃計算まで可能です。商品・ドライバー・コストといったリソースを管理して、付加価値の高い物流サービスの提供に寄与します。

山積みする物流課題を解決するには、DX(デジタルトランスフォーメーション)が欠かせませんが、この情報処理こそが、その牽引役となるのです。

情報処理機能の業務効率改善を行うには初期費用こそかかりますが、その他の5つの機能の業務効率は大きく改善が見込めます。

物流業界の抱える課題

物流業界は今まさに変革期にあると言えるでしょう。

物流のサービスは、「納期」「注文締め時間」「注文頻度」「注文単位」「付帯作業」によって構成されています。これらの水準は以下のように変化していると言えます。

「納期(および注文締め時間)は短納期化している、注文頻度は多頻度化している、注文単位は小口化している、付帯作業は増えている」

その理由として、以下の要因が挙げられます。

  • ECの普及による物流の頻度が急増した
  • 物流に求められるスピードが格段に早くなった
  • 送料無料・同梱無料等配送に関するサービスニーズの変化

ECサイトを活用することが以前より活発になり、今後も更に拡大することが見込まれています。消費者からは「すぐに届く」「買い物にでなくても欲しいものが手に入る」「送料無料サービスも多く配送料金は安いもの」と認識されてきていますから、こうした需要に応えていくことが物流業界に求められているのです。

こうした消費者ニーズに応えられなければ、競合他店に顧客がとられてしまう、そうした競争の激化も物流業界の抱える課題なのです。またニーズに応えようとすれば当然、現状の人員だけでは業務が賄いきれない、本業に差しさわりがあるというケースも多いでしょう。

これでは本末転倒です。とはいえ物流の質は下げるわけにはいかない、ということで物流業務をアウトソーシングする企業も多いのです。

近年では、「物流の2024年問題」も話題です。働き方改革法案によってドライバーの労働時間の上限が年間960時間に制限されることで、ドライバーの収入減や人材不足によって物流業界に生じるさまざまな問題のことを指します。

物流業務効率改善にアウトソーシングする事のメリットとは

自社内で賄っていた物流サービスの質の低下が心配、ということでアウトソーシングを検討する場合、どのようなメリットがあるかまとめてみました。

  • 物流サービスの質が向上し、顧客満足度が向上する
  • 物流業務効率が最適化される
  • 物流コストの削減
  • 繁忙期・閑散期でも適切な物流業務・質の保持ができる
  • 本業に自社リソースを注力できる

アウトソーシングを受託する業者は、様々な業種における物流のノウハウが蓄積されており、最適化されたロジスティクスのもと物流業務を遂行してくれるものです。自社内では特に繁忙期・閑散期の人材の割り振りや業務遂行が難しいですが、その点も踏まえて最適化されます。物流を本業としない企業にとって、様々な難題を抱えがちな物流業務の質が安定・向上するため、リピーター獲得の効果も期待できるでしょう。

当然アウトソーシングするコストはかかりますが、倉庫を持たなくても適切な環境で大切な商品を保管・管理しながら、適宜流通加工まで委託できるため、自社内で賄った場合よりコストは削減できるケースが多いです。

参考:なぜ物流アウトソーシングがいいのか?「仕組み」で業務の負担を減らし、売上を伸ばすには

MOTOMURAの物流サービス

効率的な物流を実現するためには、6大機能をどれ一つとして欠かすことはできません。特に人手不足や燃料の高騰化、災害対策など、物流を取り巻く環境は厳しいです。だからこそ物流を強化し課題解決能力を高めることが、企業成長や競争を勝ち抜く上で重要視されています。

株式会社MOTOMURAは、輸送および配送、保管、荷役、梱包・包装、流通加工、情報処理の機能をサービスとして提供する3PL物流会社です。

EC事業、卸、店舗における商品の保管から流通加工、配送まで各工程の物流業務をワンストップで提供し、丸ごと委託することができます。また最新の倉庫管理システム(WMS)を利用し、リアルタイムでの入出荷管理や在庫管理をすることも可能です。

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スポットのご依頼や、卸・店舗・ECなど貴社の物流センターとして物流プロセスを管理・代行するサービスです。

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セット作業や袋詰め、シールやラベル貼り、アソート・封入、封緘をはじめ、手作業であればどんな事にでも対応します。

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PCや電子機器・スマートデバイスのキッティング作業を含めた物流も経験豊富です。

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都内23区であれば、自社物流にて当日中の配送が可能です。

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MOTOMURA物流編集部

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物流の基本や改善ノウハウなど、物流担当者が知っておきたい様々な情報を配信している部署です。


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